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2017年11月26日 (日)

昇平の新しい部屋

Shoheyroom


 我々がアパートに引っ越して、もうすぐ1か月になろうとしています。
 片づけもほとんど終わって、新しい生活が軌道に乗ってきたので、今日は昇平の新しい部屋を紹介しようと思います。
 上に載せたのが部屋の写真です。
 このアパートには6畳と8畳の和室があるのですが、6畳間のほうにカーペットを敷き、ベッドを入れて昇平の部屋にしました。

 昇平が自分だけの部屋を持つのはこれが初めてです。今までは2階の私たちのリビングに昇平の机として古いパソコンデスクを置き、寝るときには階下の元の長男の部屋に行って、布団で寝ていました。同じ部屋では私もずっと寝ていました。
 と書くと、「え、22歳にもなる息子と一緒に寝てたの!?」と驚かれるでしょうか。はい、そうなのです。というのも、今から6年8か月前、昇平も高校生になるから自分の部屋を準備してあげようと考えていたところに、あの東日本大震災が起きたからです。

 昇平の中学時代はトラブル続きで、セルフエスティーム(自尊心)はどん底まで落ちていました。それでも「高校生になったら心機一転して、新しい生活を始めよう!」と夢ふくらませていた矢先に震災に襲われたので、昇平は本当に不安定になってしまって、特に夜はひとりで寝られなくなってしまいました。
 たった今まで普通に過ごしていたのに、いきなり不安に襲われて、泣いてみたりパニックになってみたり。それが少しずつ軽くなってきても、やっぱり時々不安発作に襲われて、そのたびに私と話をすることで落ち着きを取り戻す日々でした。
 昇平にも自分の部屋を持たせたいな……でも、ひとりきりにして本当に大丈夫かしら? 私がそんな自問自答を繰り返すうちに、彼は高校を卒業し、二十歳も過ぎました。最近は、夜私が寝に行くと、先に布団に入ってゲームなどをしていた昇平が、「お母さん、もう来たの?」と迷惑そうな顔をすることも増えていたので、いい加減自分の部屋を……とは思ったのですが、なかなかそのタイミングがつかめませんでした。
 同じ1階の近い場所に祖父母の寝室があったので、昇平が不安定になってパニックを起こしたら祖父母に迷惑をかけるのでは、と心配だったこともあります。

 でも、その祖母が逝き、祖父も施設に入ることになって、私たちも家を離れることになりました。
 今度こそ、ちゃんと昇平の部屋を準備してあげよう。そう思いながら物件を捜し、ほどよく独立していながら、すぐに私たちと話をすることもできる、そんな間取りのアパートを見つけることができました。

 彼の部屋には新しくベッドとカーペットとリビングボードを購入しましたが、色や大きさなどは彼自身に選んでもらいました。リビングボードに載せているのはこれまで使っていたゲーム専用テレビで、アンテナにはつながっていません。
 タンスやクロゼットはないので、下着やシャツはベッド下の収納ケースに入れ、仕事で使うスーツやコート類は鏡付きのハンガーに(あ、これも新しく購入しました)、季節外の衣類は押し入れのハンガーに掛けてあります。
 彼が古い家から持ってきたモノは、驚くくらい少ないです。衣類とバッグ類を除けば、お気に入りのゲームソフトとそのゲーム機、ノートパソコン、数冊の本とノート、椅子替わりのバランスボール、折りたたみのテーブル、スリム戸棚1本、筋トレ用のダンベル一対、そんなものです。「たくさんあるとゴチャゴチャしてわかりにくいから、新しい部屋ではスッキリ暮らしたい」というのが彼の希望でしたが、その通りの部屋になっています。
 その代わり、ゲームテレビのまわりには自分で描いたイラストを貼ってデコレーション(?)しています。

 新しい部屋での生活はいたって快適のようです。
 事業所での研修から帰ってくると、自分の部屋にすぐ入っていって、ご飯などに呼ばれたとき以外はずっと部屋で過ごしています。夜もなんの問題もなく一人で寝ています。不安定になって私のところへ来るようなこともありません。もうすっかり元気になっていたんだな、一人でいられるようになっていたんだな、と私は過保護だった自分を反省中です。

 今、彼には起きたときにベッドの布団を整えることと、乾いた洗濯物を自分でたたんでしまうことをやってもらっています。部屋の片づけは、モノが少ないこともあって、言われなくても自分からやっています。
 将来を考えて、今のうちから生活の基礎を教えていきたいと思っていました。以前の家ではそれがなかなか難しかったのですが、今度のアパートではそれが比較的簡単にできます。
 少しずつできることを増やしていって、料理や洗濯、家の掃除なんかも覚えていってもらえたら、将来私たちがいなくなっても、彼はひとりで暮らしていくことができるでしょう。(サポートしてくれる人の存在は不可欠ですが)
 新しい生活のスタートは、彼の新しい人生のスタートにもなってくれるのでは、とひそかに期待している日々です。

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