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2016年10月22日 (土)

一般就労が見え始めた

20161022imoni03


 お久しぶりです。「月刊てくてく日記です」(笑)
 相変わらず昇平は順調で、家庭生活ではネタになることがあまりないので、先日事業所のご家族と語る会で聞かせてもらった話を中心に、日記を更新しようと思います。

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 まずは、ちょっと堅い話から。

 国が障害者への支援についてを定めた「障害者支援法」はどんどん変革されていて、雇用支援を行っている事業所に対する内容も様々に変わりつつあるようです。
 昇平のように就労支援を受けている障害者は、その形態からA型、B型、移行支援の3種類に分かれていて、昇平は移行支援と呼ばれるグループに所属しています。これは支援機関が2年間と定められているのですが、その期間中に就労できない場合も、昇平のいる事業所ではB型のメンバーになり、やがて雇用契約を結んで作業をするA型メンバーになり、一般就労に到達する――というのが大きなモデルパターンでした。もちろん、B型でいる期間でも、一般就労できる人は就職していきます。
 ところが、国はこの中のA型の利用者への支援を減額し始めました。背景には、マスコミなどでもさかんに取り上げられている、福祉財政のひっ迫があります。今までのようなオールラウンドの支援はできなくなってきているし、早く障害者に就労して納税者になってほしいという意図もあるのでしょう。A型になると利用者も家族も安心してしまって、一般就労できる力があるにもかかわらず就労を目ざさなくなる、というケースも少なからずあって、それも問題視されているようです。

 以上のような情勢の変化から、事業所としてもA型の雇用支援事業を縮小して、B型や移行への就労支援を今まで以上に積極的に行わなくてはいけなくなった、というのが、事業所の経営側からの説明でした。
 その流れを受けて、事業所が展開していたレストランは今月いっぱいで閉鎖が決まりました。「ちょっぴりへこんだ?」の記事のトップに写真を貼り付けたところです。健康に良いメニューが食べ放題で味は良かったし、先日、保護者会でも食事会を開催して大成功だったので、閉店はとても残念なのですが、国の方針による影響となると、いたしかたないところです。
 昇平たち利用者も、今まで以上に積極的に就労を目ざすことになります。ここで話がようやく昇平につながってくるのですが、昇平にも一般就労が現実のこととして行く手に姿を現し始めました。

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 昇平は去年の7月から正式に事業所を利用し始めたので、今月で1年4か月になります。移行支援の残り期間はあと8か月です。
 これまでの日記にも書いてきたとおり、昇平の勤務態度は非常に真面目で積極的です。担当スタッフとの個別懇談では毎回本当にたくさん褒め言葉を聞かせていただくのですが、それは決してお世辞でもヨイショでもないようです。今回もスタッフのひとりから「昇平さんの働いている姿をご家族の方に見ていただきたいくらいです。本当に立派ですよ。健常の方の働く様子と少しも違いません」と言っていただきました。
 こうなると、移行支援の期間が終了する2年を目処に就労する可能性が、現実のものになってきました。家族としては、「まだまだ幼い。移行が終わったらB型になって、もっともっと時間をかけてスキルを伸ばしてから就労を」などと考えていたのですが、予想より早く社会人になってしまうのかもしれません。嬉しいようなとまどうような、心配だけど思い切ってやらせてみたいような。親としてはそんな複雑な気持ちでいます。

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 今回は時間がかなりあったので、これまで昇平を担当してくださったスタッフ4人から、個別に話を聞かせていただくことができました。
 その内容をトータルすると

・勤務態度が非常に安定していて真面目。欠勤・遅刻はないし、作業内容が終わるまできちんとやりきる。
・取引先への挨拶やことばづかいもしっかりできている。
・回収作業の仕事の内容は完全に覚えて、指示されなくても自分から動いている。
・相方が4人いて、その中の誰になるかその朝まで分からないのだが、心配せずに誰とでも働けるようになった。
・相手に合わせて言ったりやったりすることができるようになった。(これには事業所のスタッフたちも感心しているとか)

 「仕事の内容さえ覚えられれば充分一般就労できるでしょう」というのが、昇平と一番多く組んで作業をしてくださったスタッフのTさんの評価でした。ただ「まだ若いので、もっといろいろな経験をしてスキルを伸ばしてからでも良いかな、とも思いますが」とも。
 事業所には30代、40代、50代の利用者も来ていて、その方たちの場合は一日も早い就労が課題なので、それに比べたら昇平にはまだまだ時間がある、だから、じっくり構えてもいいかもしれない、と迷うところがあるようです。

 回収作業では、「ちょっぴりへこんだ?」で苦手意識を持ってしまったスタッフのMさんと、先週からまた組むようになっていますが、それも「誉められた」「うまくできた」「ちょっと注意されたけど、次に頑張ればいいから明日は気をつける」などと言うようになって、また一緒に仕事ができるようになっています。
 Mさんも「昇平さんは注意されても以前のように落ち込まなくなりました。変わりましたよ」と嬉しそうでした。

 ただ、作業内容はほぼ完璧に覚えたようだし、諸処の事情も絡んできたので、廃品回収の作業は今月いっぱいで終了することになりました。来月からはまた新しい場所で施設外の作業訓練を受けることになります。そこで仕事が完璧にできるようになれば、そして本人が望めば、そのまま就職ということもあるのだそうです。
 「来月になったら昇平さんと話し合って、この先の8か月間で就労を目ざすか、もう少しスキルアップするためにB型になって事業所を利用し続けるか、先の予定について相談をしていきたいと思いますが、よろしいでしょうか?」とスタッフから確認されて、「はい、どうぞよろしくお願いします」と私は答えました。
 さて、昇平はあと8か月での就労を望むでしょうか? それとも、もう少しスキルアップをしてから、と考えるでしょうか。
 その判断も、もう昇平自身に任せて良さそうです。

 昇平はもうすぐ21才2か月。
 本当に大人になりました。

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※写真は、今日実施している事業所イベントの芋煮会で作った「芋煮」。つい先ほど「鍋みたいでとても美味い」とメールで送ってきました。鍋好きの昇平らしい表現です(笑)

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コメント

大丈夫だと思うけどな~
無責任に聞こえるかもしれないですが
新しい事を始めるには、若い方がいい事が多いです。
特に体力を使う事に関しては。
もし、万が一失敗しても戻れるシステムではないですか?
昇平君の意見が、一番だと思いますが
今、彼は上り調子だと感じます

投稿: さゆた | 2016年10月22日 (土) 16時36分

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