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2015年6月22日 (月)

就労移行支援事業所との契約

 高校卒業と同時に始めるはずだった就労への動きですが、年末に発症した「毛巣洞」の手術のために入院と自宅療養期間が挟まり、ドクターからOKサインが出この6月から、本格的に活動開始になりました。

 でもまぁ、一筋縄ではいきませんでした。本当に。

 当初は障害者職業センターという訓練所に通って就職のためのスキルを身につけ、ハローワークと連係して就職活動をしていく予定で、1年も前から見学して利用申し込みもしていたんですが、改めて利用のための相談に行ったところ、「当施設での研修期間は3ヶ月しかありません。もっと時間をかけて、働くことのイメージや職業のためのスキルを伸ばしていったほうが良いのでは」と担当のカウンセラーさんに言われました。

 実は、私自身が、昇平の入院の付き添いをしている間、彼の行動の一部始終を見て、「これでもう社会に送り出して大丈夫かな。もっと時間が必要なんじゃないかしら」と不安になっていたのでした。
 だけど、そのためにどこに行けばいいのかがわからない。
 短大や4年生大学に行ければ、2年から4年の猶予が生まれますが、昇平自身が「ぼくはあんまり勉強が得意じゃないから、これ以上、上の学校に行って勉強するのはやめておいたほうがいいと思う」と言っているので、進学はなし。
 では、専門学校で就職に結びつく資格やスキルを身につけるのはどうかというと、これも高校の間に試しに漫画スクールのお試しコースを体験させてみて、課題をこなしていくのはとても無理だと感じられたので、この道もだめ。
 就職のための専門学校が欲しい! それも、発達障害を持つ子どもを理解して、その上でソーシャルスキルや技術を根気よく教えてくれるような、そんな「就職専門の専門学校」があれば!
 でも、そんなところに心当たりはありません。うーん、どうしたらいいんだろう……。

 私のモットーのひとつに、「行き詰まったらまず動いてみる」というのがあります。
 行き詰まった状態でいくら悩んだって、悩みを打開することは難しいから、まず何かが得られそうなところへ動いてみる。そうすれば、なにかしら道が拓けるかもしれないから。

 それで、多大な不安はあったけれど、昇平と一緒に障害者職業センターの門をたたいたのでした。
 案の定、担当のカウンセラーさんからは、「今は一般就職はまだ無理。もっと時間をかけてスキルを伸ばしてください」と言われたわけですが、それと同時に就労移行支援というものがあることを教えてもらいました。

 そのシステムをざっくり言うと、障害のある人が一般就労をめざすときには、まず就労移行支援サービスを行っている事業所に通い、そこで就労に必要な知識やマナー、技術を身につけ、実際に実習に行って、その様子を定期的に確認し、就労継続支援A型事業所や就労継続支援B型事業所、一般就労と、適正に合わせた進路への就労をめざしていく――というものだそうです。
 この制度も、この春から本格的に切り替わったところなので、ちょっとした混乱もありましたが、大したことではなかったので、そのあたりは省略。

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【余談コラム】

 就労移行支援サービスを申し込むのは、住んでいる自治体の役所(役場)の福祉課です。移行支援サービスを受けられるのは、最大2年間。その間にA型事業所、B型事業所、一般就労に移っていきます。(だから「移行」支援)

 ちなみに、A型というのは労働契約を結んで働く事業所で、その地域での最低賃金が保障されている代わりに、普通の就職やバイト並みにきちんと働くことが求められます。B型のほうは労働時間や休日も個人の事情に合わせてフレキシブルに対応してもらえるけれど、賃金(工賃という)はA型より低いのが普通。ただ、どちらも就労「継続」支援事業所なので、移行支援のように2年間だけなんていう制限はないのだそうです。

 今回自分たちが利用することになって、初めてこのあたりの仕組みが理解できました。支援学校高等部に通っている方だと、このあたりの情報も入ってくるようですが、そのルートにいなかった私たちには、本当に知らないことばかりでした。

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 さて、市役所の福祉課に就労移行支援サービスを受けたいと申し込んだところ、地区の担当のYOさんからすぐに連絡が来て、自宅に手続きのための面談に来てくれました。
 そこで、高齢介護で言うところのケアプラン(=サービス等利用計画)を立ててもらうために、ケアマネージャー(=計画相談支援員)を申し込み、昇平が通うのに都合の良さそうな、福島市内の就労移行支援事業所も選びました。
 YOさんに確認してもらったところ、どちらも利用OKという返事があったので、翌週の月曜日に事業所の見学に行き、火曜日には相談支援員のYAさんと自宅で面談、利用計画を作成してもらいました。
 さらにその翌週の6月15日からは3日間、昇平は事業所に体験に通い、その結果を基に金曜日に昇平、私、福祉課のYOさん、相談支援員のYAさん、事業所のKさんの5人で担当者会議。移行支援事業所を利用することに決めて、翌月曜日(今日です)、また私が昇平と一緒に事業所へ行って、正式に利用契約を結んできた……というわけです。

 ああ、忙しかった!!


 契約ではたくさんの書類に住所や名前を書いたり、はんこを押したりした昇平。
 「ちゃんとできるかな」「他の利用者とはうまくいくかな」と考えているのか、不安そうな顔もしていて、いよいよ契約が終わると、「疲れたので少し休んでいいですか?」と言い出しました。
 事業所のKさんが「5分くらい?」と尋ねると、「できれば30分くらい」と昇平。でも、あと30分で昼休みという時間です。すると、昇平が「じゃあ、先に作業をがんばって、それから昼休みに休みます。今すぐ、やることを教えてください」と言ったので、Kさんは「すばらしい!!!」と言って昇平と握手。昇平も一気にテンションが上がって、「じゃあ、お母さん、がんばってきます!」と手を上げ、元気いっぱいで作業室のほうへ案内されていきました。
 相談のたびに、前向きな姿勢と素直さは誉められてきた昇平ですが、初日にこの出来事はなかなか良いスタートだったと思います。

 がんばれ。がんばりすぎないように気をつけながら、息長くがんばれ。
 そんなことを考えながら、私はひとりで帰路につきました。

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