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2014年10月

2014年10月27日 (月)

てくてく日記・174「ぼうこう炎?」

Primulamalacoides
実家の庭に今年咲いたプリムラ・マラコイデス(乙女桜)

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10/20(月)~10/26(日)

月:フリースクール
火:フリースクール
水:バス遠足(山形)
木:フリースクール
金:病院、フリースクール
土:郡山の祖母の納骨式、郡山泊
日:帰宅

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 先週に引き続き、家事の手伝いをしてからフリースクールへ行く日々。料理に対する興味は一段落したようで、今は朝食後の茶碗拭きの手伝いと廊下や台所の掃除機かけが昇平の役目になっている。昇平に予定があって忙しいときには、やってもらう内容は減らしているけれど。そんな状態で、比較的落ち着いて過ごしている。

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 水曜日には学校のバス遠足で山形県へ行った。本来の目的地は山寺だったけれど、この日は一日中かなり強い雨が降っていたので、行き先変更になって、旧山形県庁舎の「文翔館」というところを見学してきた。明治時代の建物で、当時の物が展示してあり、大理石も綺麗だった、と教えてくれた。

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 ところが、その翌日から、どうも排尿の時に変な感じがするという。話を聞くとぼうこう炎のような感じなので、翌日いつものように精神科の診察に行った後で、泌尿器科にも回った。

 結論から言うと、異常はなし。尿から菌は出なかったし、触診やエコーなどでも問題はなかったが、「検尿のためにトイレに行ったばかりなのに、ぼうこうに100ccくらいの残尿がありますね」とドクターから言われた。残尿があっても心配はないけれど、薬の副作用ではないかと思われるし、違和感のほうはおそらく精神的なもので「気になり始めたら、ずっと気になる」状態になっているのではないか、という話。
 昇平は普段からかなりの量の水やお茶・麦茶を飲んでいて、真夏以外でも1日に2~3リットルくらいは飲んでいる。これも薬の副作用(口渇)のせいで、そのためにトイレに行く回数もけっこう多いのだけれど、もしかすると、残尿があるために、なおトイレが近くなっているのかもしれない。ただ、残尿があるとそこで菌が増えてぼうこう炎になる可能性があるわけだから、せっせと水分を採ってせっせと排尿する方が、体のためにはよいということになる。

 「今回は何も心配ないけれど、泌尿器に関しては精神的なものもかなり関係するので、次にまた違和感などを感じたときには、まず精神科のほうで相談してから紹介状をもって来てください。そのほうが適切な対処ができますから」とドクターから言われた。 ふ~ん、そういうものなんだ……と私も一つ勉強になった。

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 土曜日には、7月末に亡くなった私の母のお墓が完成したので、納骨式のために旦那と昇平と3人で郡山へ行った。暖かく穏やかな天気で、集まってもらった親戚や母の友人と、キリスト教式で無事にお骨を墓に納めることができた。
 その日は実家に泊まり、昇平は従姉妹たちとお絵かきやゲームをして楽しそうに過ごしていた。私たちも酒を飲み食事をながら母の思い出話。和やかに過ごして、翌日の日曜日に家に帰ってきた。

(2014.10.27記)

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2014年10月20日 (月)

てくてく日記・173「家事手伝い続行中」

Roses

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10/13(月)~10/19(日)

月:体育の日、家事手伝い
火:フリースクール(料理教室)
水:フリースクール
木:授業(英語)
金:フリースクール
土:家事手伝い
日:休養日

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 先週、フリースクールの行き渋りになってしまった昇平だが、家事手伝い(だいぶ慣れてきたので、家事練習ではなく手伝いという表現に)で自信をつけ、連休明けの火曜日には無事にフリースクールに行くことができた。台風が過ぎたばかりで風が強かったので、屋外でのバーベキューはできなかったが、野菜をたくさん切って塩ちゃんこ鍋を作り、「いい仕事したな」と先生に誉められた、と元気に帰ってきた。その後も落ち着いてフリースクールや学校に通っている。

 最初の約束では「休みの日に食事作りを手伝う」ということだったのだが、昇平は「料理を手伝うと何故かイライラすることが少ないんだ」と言って、その後も毎日のように食事の支度を手伝ってくれている。カツ丼、焼きそば、オムライス、鍋、鶏肉と野菜の蒸し物、焼き肉……作ったメニューもずいぶん増えてきた。自分でできばえが確認できて自信の元になるし、家族のために役に立っている実感もあるので、結果としてイライラが減るのかもしれない。
 それ以外にも、朝は朝食の後片付けを手伝ってくれるし、登校が早いとき以外は掃除機かけも手伝ってくれている。土曜日にはファンヒーターを出すついでに部屋の模様替えをしたのだけれど、テーブルを移動させてコタツ布団をかけたり、重たいブラウン管テレビを隣の部屋に持っていったりと、力仕事では相変わらずとても助けになってくれた。

 ここまでいろいろあったけれど、心優しい青年に育ってきてくれたなぁ、と改めて感じている。

(2014.10.19記)

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2014年10月13日 (月)

てくてく日記・172「家事練習中」

Cooking
昇平が作った料理(写真をクリックすると大きくなります・説明は文末)

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10/6(月)~10/12(日)

月:フリースクール
火:フリースクール
水:家事練習
木:家事練習
金:授業(現代文)・家事練習
土:T君L子さん遊びに来る・家事練習
日:家族で外出

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 わけを話すと長い話になるのだけれど、昇平は今、家事練習を毎日がんばっている。

 そもそもの始まりは、親の会の学習会で、お母さん仲間のひとりが話してくれた「もう成人した長男が、当事者の下の子と同じくらい、洗濯や掃除なんかの家事を知らなかったんだ、ってわかって、一緒に特訓しているところなのよ」という報告。
 今はもう男の子でも料理、洗濯などの家事は身につけておいたほうが良い時代。しかも、「親がしていることを見て自然に覚えるタイプ」ではない子たちの場合は、親が意識して教えなくちゃいけないよね、という話になった。
 そういえば、大学時代から関東でひとり暮らししている長男も、高校卒業までは家事の「か」の字もやったことがなくて、小さい頃に一緒に少し料理をしたことがある程度だった。引っ越しまでのあわただしい中、洗濯や料理の仕方などを教えて、心配しながら送り出したことを思い出した。
 昇平は「ぼくは家族と一緒に家にいたい」と言っているので、ひとり暮らしすることはないかもしれないけれど、先日のように私が入院したり、何かの都合で昇平だけで数日留守番しなくてはならないこともあるかもしれない。やっぱり昇平にも最低限の家事は教えておいたほうがいいよね……と、漠然と考えていた。

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 そんな中、私は偶然、とある本に出会った。「旦那さんはアスペルガー」という漫画エッセィの3巻目。「旦那」という部分には「アキラ」とふりがなが振ってある。
 作者は野波ツナさんという漫画家の女性で、配偶者のアキラさんは大人になってから、自閉症の一種であるアスペルガーの診断がついた人。結婚して子どもも生まれ、マイホームも買って、傍目には幸せに見えたのに、夫婦の会話は成立しないし、他人には理解できない不可思議な行動をいろいろするアキラさん。家計や家のローンの支払いは奥さん任せ、アキラさんの借金も発覚してとうとうマイホームを手放すことになり、ツナさんと子どもたちは奥さんの実家に身を寄せ、アキラさんは生まれて初めてのひとり暮らしをするようになる……。
 というところから3巻目が始まるのだけれど、全体の雰囲気は温かいし、絵柄も優しいので、とても読みやすい本になっている。
 ふむふむ、と興味深く読むうちに、アキラさんがひとり暮らしをして、初めて家事や節約を理解して身につけていくエピソードに出会って、「ああ、そうだ」とまた、若いうちから家事を覚える必要性を感じてしまった。やっぱり昇平にも家事を教えよう。でも、どういうタイミングで始めようかな……。

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 そんなことを考えていたら、火曜日、昇平が元気のない様子でフリースクールから帰ってきた。
 「どうしたの?」と聞くと、「ぼくは明日からフリースクールに行かないことにする。休みたい」と言う。さらに詳しく話を聞いてみたら、スクールで先生にたびたび注意されて、他の利用者にも迷惑をかけているから、自分は家にいた方がいいと思うんだ、ということを言った。
 とはいえ、この手の話を100%そのまま受け取ってはいけないことは、経験上わかっている。
 昇平はすぐに何でも「自分が悪かったんだ」と思うし、たまにちょっとしてしまったミスを「いつも失敗してしまう」「とても悪いことをしてしまった」と、重大なことのように考えがちだから。昇平は間もなく高校を卒業して社会に出るので、フリースクールの先生が昇平の人との関わり方の部分に力を入れて指導してくれていることは知っていたので、そのあたりの指導も「叱られた」と感じているんだろう、と予想がついた。
 中学校時代、学校からたくさん叱られ、トラブルにトラブルを重ねて自信をなくしていったことも、思い出してしまうのかもしれない。

 とにかく、精神的にだいぶ疲れている感じだったので、まず、スクールの先生とメールで詳しく相談。やはり昇平が心配しているような深刻な状況ではないとわかったので、「連休明けまで休ませて、家庭でも自信回復していけるように働きかけたいと思います」と先生には伝えた。
 さて、でも、どうやって昇平に自信回復してもらおうか……?
 今の昇平は、言ってみれば、ちょっとした不登校の状態。先生やクラスメイトから注意されて、自信をなくして学校へ行けなくなっているようなもの。
 抑鬱状態にも似ているけれど、鬱の時のように「休息と安静」だけでは元気にはならない。だって、一番の原因は、人とうまく関われないために、自分に自信が持てなくなっていることだから。家に引きこもって、寝たり遊んだりしているだけでは、いつまでたっても自分に自信はわいてこない。
 じゃあ、どうしたら自分に自信が持てるようになるかな? と考えたときに、「家事を教える」ということと、自分でそれなりに家事ができるようになって自信が出てきたアキラさんの姿が思い浮かんだ。
 そうだ! 家事! 家事を教えて、それができるようになれば、昇平も「自分にはできることがある」と実感できて、きっと自信回復していくに違いない……!

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 というわけで、フリースクールを休む交換条件に「休みで家にいる日には、母に習って家事を手伝うこと」という約束をした。
 まず、起床時間を30分早めて7時半起床。朝食を食べ終えたら、洗った茶碗を拭いて後片付けを手伝い、洗濯機に洗濯物と洗剤を入れて回す。次に家の中に掃除機(充電式のコードレス掃除機)をかけ、掃除が終わったら洗濯物を干して外に出す。午前中はここまで。
 昼は食事の後で自分が食べた茶碗を洗って片付ける。昇平が希望すれば昼食も作る。
 夕方は乾いた洗濯物を取り込んでたたみ、米をといで電気釜をしかけて、夕食を作る。メインのメニューは昇平の希望に添って決め、私は昇平に作り方を教えながら、副菜や味噌汁を作る。

 さすがに19歳にもなっているし、お楽しみ会などでしょっちゅう調理実習をしているので、包丁で切ったりするのはかなり巧くなっていた。1時間くらいは集中して作業できるようになっているので、掃除も調理も最後まできちんとやり通せる。教えられたことを守りながらやろうとするので、仕事は丁寧。実際にやらせてみたら、カレーは私が作るものよりおいしくできたし、家の中は私が掃除するより綺麗になった。まいったな……。(苦笑)
 自信を取り戻してもらうのに、意識してたくさん誉めてあげなくては、と考えていたのだけれど、わざわざそんなことをしなくても、いくらでも誉めることができている。

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 一方、フリースクールの先生からも、昇平宛に「○○くんが、昇平君がいないと一緒にポケモンの話ができなくてつまらない、って言っていたよ」「△△くんは、昇平君がいつもポットを湧かしたり雑巾がけをしてくれたりしていたから、いないと困る、と言っていたよ」と、お友だちのことばを伝えるメールが届いた。それを読んだ昇平は「ぼくはやっぱりフリースクールにいていい人間だったんだね!」と喜び、家事練習の効果もあって、ずいぶん自信回復していった。
 昇平が作った料理の写真も先生にメールで送っていたので、「連休明けには料理教室をするよ。みんなで買い物に行くし、たくさん切ったりするから、昇平君も手伝ってくれよ。頼りにしているから」と先生にメールで言われて、昇平は「先生に頼りにされちゃったよ!」と照れながらもまた大喜び。連休明けには無事またフリースクールに行けそうな様子になっている。やれやれ、一安心。


 日曜日の夕方、夕食を作り終えた後で、昇平がふと言った。
「こういうふうに家のことをするっていうのもいいな。なんだか前より落ち込まなくなったよ」
 アキラさんがひとり暮らしを始めて変わったように、昇平にとっても、自信を持って自分の生活をこなせるようになることは、本当に大切なことだったんだな、と思った。


【写真のメニュー】
左上:家事練習で初めて作ったカレーライスとピーマンのおかか炒め。カレーは隠し味にトマトを入れて丁寧に作っていたので、母のカレーより美味しかった。

右上:昇平の大好物の「鍋」。ネギは焼いて香ばしくして入れていた。父から大好評。

左下:大盛り和風たらこスパゲティ+唐揚げ。市販のパスタソースと冷凍品で作った自分用の昼食。

右下:焼き肉と蒸し野菜。


(2014.10.12記)

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2014年10月 6日 (月)

てくてく日記・171「また仙台へ」

Focco
ポケモンセンターから送ってきてくれた写真(最後に解説あり)

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9/29(月)~10/5(日)

月:フリースクール
火:フリースクール
水:フリースクール、後期時間割が来る
木:フリースクール
金:フリースクール
土:病院(家庭医療科:口唇湿疹)
日:仙台へ遊びに行く

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 長かった昇平の「夏休み」も今週で終わり、来週からは後期のスクーリングとレポートが始まる。ただ、最後の学期だし、ここまで一科目も落とさずに取ってきたので、残りの単位はほんの少しになっている。後期の授業はわずか3コマ。英語と現代国語と美術だけ。後期の時間割が来たので見てみたら、週に1回程度の登校ですんでしまうらしい。後期授業が始まっても、フリースクールに行く日は多くなりそう。

 土曜日には、ずっと治らない口角の荒れ(たぶん軽いアトピー)の薬をもらいに、病院へ。

 日曜日には昇平一人で電車で仙台に出かけていった。漫画スクールは先月で修了してしまったので、今回は純粋に遊びが目的。またゲーセン巡りをするのかと思ったら、そんなこともなく、ポケモンセンターTOUHOKUで私が頼んだ買い物をした後は(最近は私のほうがポケモン好き)、本屋をのぞいたり、前回行けなかったラーメン屋でお昼を食べたりして、自由に遊んできたらしい。
 金曜日に、フリースクールでちょっと先生に注意されて落ち込んでいた昇平だけど、仙台にひとりで遊びに行って自信回復したのか、日曜日の夜にはすっかり元気になっていた。
 自分の力で何かができる、というのはすごく大事なことだなぁ、と改めて思った。


【写真の解説】
 私が買い物を頼んだのは、ポケモンの「フォッコ」のぬいぐるみ。だいたいの予算を伝えてお金を預けたら、「これでよいかな?」と写真入りのメールで聞いてきてくれた。
 「もっと別なのはある?」と返したら、今度は千円のフォッコのぬいぐるみの写真を。千円では作りがちゃちなので、「もうちょっと高いのってある?」「これとか?(とまた写メ)」「それはいくら?」「4500円」「え~、それでは予算オーバー! 2千円以上3千円以下のってないの?」
 私がいろいろ面倒くさい注文をしているのに、返ってきた昇平のメールには「小型…1000、中型…1680、大型…4500 あるのはこれくらいだけど、どう?」とあった。
「わかりやすい返事をありがとう。1680円の中型のでお願いします。(m_m)」と返事をした母でした。
 

(2014.10.6記)

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