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2009年11月 6日 (金)

学校公開

 一昨日から中学校の学校公開でした。
 私はたまたま今朝あいさつ当番に当たっていたので、それが終わってから校舎に入り、朝の時間帯と1校時目の授業を見学してきました。

 昇平は私が学校に来るのが大好きです。登校してきたときにも、私が校門前に立っているのを見ると、自転車の上から大きく手を振ってくれました。そんなことをしてくれる中学生は他にいません。一緒に立っていたお父さん、お母さんたちから「かわいいねぇ」「なんかいいね」と誉めて(?)いただいてしまいました。中身が幼いからこそですが、素直さが親として嬉しかったりします。

 教室では授業が始まるまでの間、昇平とL子さんが思い思いに時間を過ごしていました。昇平は本を読み、L子さんはその日パソコンを使う順番になっていたので、インターネットでお気に入りのサイトを検索。そのうちに、昇平がL子さんのパソコンをのぞき込み、二人でおしゃべりしながら同じサイトを眺め始めました。時々じゃれるような感じで、喧嘩めいたやりとりになりますが、そのたびに昇平が流していました。「ま、いいけどね」と言ったり、ちょっと怒ってしまってから「怒ってごめん。○○していいよ」と言ったり。
 最近、自分をコントロールする場面が増えてきたし、L子さんとも仲よく休み時間を過ごしている、と連絡帳に書かれることが多かったのですが、本当にそうだったと直接確かめることができました。本当に良いことです。


 8時15分になって、朝の職員会議の放送が入り、担任の長谷田先生は職員室に行かれました。
 監督の先生がいない状態でどうなるのかな? と引き続き観察していましたが、二人はずっと仲よくおしゃべりをしながらパソコンを眺めています。そのことにはほっとしましたが、今度は二人がパソコンに夢中になりすぎているのが気になってきました。好きなことに区切りをつけにくいのが、この子たちの特徴です。まもなく授業開始時間だけれど、大丈夫、時間になったらやめられるかしら……?

 1校時目は英語の授業です。英語の先生が入っていらっしゃいました。長谷田先生も職員室から戻ってこられました。
 先生は特別にこの子たちに合わせた教材プリントを準備してくださっていていました。でも、L子さんはパソコンから離れません。昇平は先生方に声をかけられて、なんとか席に戻ります。でも、なかなか授業モードに切り替わりません。とても面白いプリントを準備したんだよ、と言われても、しばらくはご機嫌ななめ……。

 ふと、先日親の会で行った「家庭学習支援の学習会」での話を思い出しました。
 講師は二本松市で教育カウンセラーをなさっているS先生だったのですが、「親子で勉強を始めるときにはまず、勉強に集中させるために、勉強に関するミニゲームをして、気持ちを勉強モードにしましょう」とおっしゃっていました。昇平もそうですが、この子たちは勉強は嫌いでもゲームは大好きです。自分たちのレベルにあった、難しすぎないゲームであれば、大喜びで取り組みます。勉強にからめた内容のゲームをして、気持ちを勉強に向かわせたところで、おもむろにその日の学習(宿題など)に取りかかるといいんですよ、という話でした。
 あれは、こういう学校の授業でも取り入れられるノウハウじゃないかな、と考えていました。英語ならどんなミニゲームがあるでしょう。英語のカルタとり? 英語の迷路? クロスワードパズルはちょっと難しいかな……? でも、探せばその手のものはいろいろありそうな気がします。
 L子さんは結局、授業が始まってもパソコンから離れられませんでした。でも、もしも机のほうで面白いゲームが始まれば、L子さんもパソコンを終了して英語のほうに来たかもしれません。「これから授業が始まるぞ」という区切りを作ることは、家庭でも、小学校でも中学校でも、大事なことなのかもしれません。

 とっかかりには苦労しましたが、準備された英語のプリントは本当に面白い内容でした。途中まではブツブツ言っていた昇平も、内容がわかってくるにつれて、がぜん積極的になって、先生と一緒に日本語に訳します。ちょっと長かったので、訳し終えるのに20分くらいかかりましたが、最後までやりとげて満足。で、少し疲れてしまって、ちょっとかんしゃくも起こしましたが、長谷田先生に止められるとすぐに収まりました。かんしゃくやパニックになった時に、すぐにそこから立ち直るようになってきたのも、最近の大きな変化です。


 本人に合わせた授業をしてもらっているおかげでしょう。家庭で昇平の試験勉強を見ていると、英語の授業内容がかなり頭に入っているのがわかります。
 今日も、学校から帰ってから一緒に英語のテスト勉強をしましたが、助動詞willの引っかけ問題に時々引っかかっては、とても悔しがって、完璧に答えを書こうと、ものすごく真剣に取り組んでいました。最後にとうとう長い答えを完璧に書くことができて、「どうだ!」ととても得意そうな顔。ああ、自力でやりとげて、それを認めてもらいたいんだなぁ、とつくづく思いました。「ダメなヤツ」なんかじゃない「できる自分」を実感したいのでしょう。
 校門で母を見つけて大喜びで手を振るような、幼さの残る昇平ですが、それでも確実に中学生になっていたんですね。


 最近の昇平は、本当にいい感じです。
 時々かんしゃくやパニックは起こしますが、以前よりずっと回数が減って落ち着いてきたし、感情が高ぶっても自分でそれをコントロールしようと努力するようになりました。だから、パニックの時間も短くなっています。
 それに伴って、以前よりずっと大人っぽい言動をするようになってきました。他人を思いやったり、「これはこういうことなんだね」と物事の意味を判断して確かめてきたり。自分の心の微妙な動きをことばで説明することも始めています。これについては、また改めて日記に書きたいと思っていますが。


 昇平の中学校生活は、全体的に良い方向へ動き出しています。
 これがもっともっと充実していきますように。昇平だけでなく、L子さんも「できた!」という喜びが実感できる学校生活を過ごせますように。そんな祈りを胸に、中学校を後にしました。


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