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2009年8月31日 (月)

夏休みの報告

 全国的には、今日が夏休み最終日というお家も多いのでしょうが、福島県では8月25日から学校が始まっていました。今日で2学期が1週間過ぎることになります。
 もっと早く夏休みの報告を載せたかったのですが、休み明けにまた多忙になり、その後、急に蒸し暑くなったせいか体調を崩して、週末は何もせずにいました。今は関東・東北に台風が接近中。肌寒くてやはりあまり調子は良くありませんが、時間がたちすぎると夏休みにやったことを忘れそうなので、まとめておきたいと思います。


  ☆彡☆彡☆彡☆彡


 今年の昇平の夏休みには、大きな目標が2つありました。

1.学校がある時期にはできないような体験をすること。
2.「できる自分」を実感して、セルフエスティームを回復すること。

 1はともかく、2は? とお思いになるでしょうね。
 本格的な思春期を迎えて、昇平も非常に大変な時期に差しかかっている、ということです。
 周囲がよく見えなくて、自分だけの世界で生きてきた昇平も、成長と共に次第に見える範囲が広がってきて、他人の視線、他人の評価が少しずつわかるようになってきました。学校という集団の中で、自分が「できない」ことを痛感することが増えています。ちょっと注意されるだけで、あるいは、ちょっと勉強につまずくだけで、「自分はもうダメだ!」「自分なんか生きている価値がない!」と言い出すようになっていました。
 加えて、1年から2年になる時点で、学校の担任・担当が激変して、介助員もいなくなりました。お友だちとの関わりでもトラブルが頻発します。思春期はもともと誰でも精神の不安定になりやすい多感な時期です。昇平も自分自身がうまくコントロールできなくなり、周囲からも理解されていないと思うようになって、トラブルはさらに大きくなりました。学校もできるだけのことはしようとがんばってくれたし、親としてもできる限りのことはしてきたつもりですが、どうしてもトラブルが減らせなくて、学期末には親も子も担任たちも、全員がへとへとになっていました。

 トラブルは、昇平の感覚過敏やこだわりからくるものも多くありました。トラブル発生のパターンがかなりはっきりしていたので、お願いして、1学期の最後の週に、ようやく本人が「原因」から避難できる「避難場所」を校内に準備してもらうことができました。隣の多目的教室です。これまでもトラブルの後のクールダウンのための部屋には使えたのですが、トラブルが起きる「前に」、本人が「危ないな」と思ったらすぐ教室移動できるようにしてもらったのです。これで、やっとトラブルが減りました。
 本人も、トラブルを起こしてしまうたびに「自分はダメだ」と落ち込んでいたので、ようやくセルフエスティームの低下に歯止めをかけることができました。対応がもう少し遅れたら、昇平は不登校になっただろうと思います。
 
 そして、夏休み。この期間に本人に「自分だっていろいろなことができるんだ」「パニックやかんしゃくだって、やり方次第で自分でコントロールできるんだ」ということをできるだけ多く実感して、セルフエスティームを回復してもらいたい。そのために、夏休みを最大限有効に活用しよう。そう考えて、夏休みの計画を立て、実行に移していきました。


  ☆彡☆彡☆彡☆彡


 部活動は、本人とも話し合って、夏休み中は参加しないことにしました。「参加してもわからない」と本人が考えていたので、そこに無理に参加させても、なおさら自信を失わせるだけだと思ったからです。その分の時間を、さまざまな活動に振り当てることにしました。


 まず、勉強。中学2年生になったので、時間を延ばして、午前中1時間、午後1時間と決めました。
 午前中はまず母と一緒に苦手な教科の学習。主に英語の復習に取り組みました。残った時間では物語の読み聞かせをしました。もう何度もここで書いてますが、母である私の書いたファンタジーです。図書館に並ぶような立派な作品ではありませんが、話を聞く練習、物語を理解する練習にはなると考えています。この夏休み中、県の推薦図書(「“文学少女”と死にたがりの道化」)も初めて自分で選んで買い、全部自力で読み切って読書感想文まで書いたのですから、読み聞かせも少しは本人の力になったのではないかと思っています。
 午後は、夏休みの友やチャレンジ、ベネッセのDS用学習ソフト。これは本人の進め方に任せました。家庭学習に関しては、もうすっかり習慣になっているので、親がうるさく言わなくても自分でやります。まあ、中学生らしく、微妙に手を抜いたり誤魔化したりしていたようですが、こちらは一応やれば良しということで、あまりうるさく言いませんでした。
 週に一度は家庭教師と数学の勉強もしました。今年になって変わった家庭教師の先生は大当たりで、たくさん昇平を誉めて、その気にさせて勉強に取り組ませてくれます。適度に休憩も取ってくれるし、その時にも「ここまでやったら休憩だよ」と目安を立ててくれます。なので、昇平も家庭教師との勉強は嫌がらないし、終わった後はいつも上機嫌でした。達成感があったのでしょう。


 隣町のフリースクールも、夏休みの間だけ利用しました。週に1~2度、全部で5回行きましたが、ここの先生も昇平の特性を理解した上で、いいことは誉め、わかっていないことにはわかりやすく説明し、本人がかんしゃくを起こしてもそれを反省すれば、そのことを多いに誉めてくれました。
 勉強もしますが、遊びの時間もあって、そこでは中学生や高校生とゲームをして遊んだりすることもできました。近所に遊び相手もなく、長期休業中、どうやって人と関わる成功体験を積ませようかと毎年頭を痛めていたので、渡りに船という感じで、本当にありがたかったです。
 キャンプも計画されていたのですが、台風のために、残念ながら延期になりました。それでも、最初は「言われたから行くか」という程度の反応だった昇平が、フリースクール最終日には「もう来られないの?」「また来たいな」と真顔で言っていたので、本当に楽しかったのだと思います。家庭でも学校でもない「居場所」と関わりの経験は貴重なので、次の冬休みにもまた利用しようと思っています。


 体験活動としては、私の実家がある郡山市の駅前フィールドワークをしました。駅前は今、本当に空洞化が進んでいて、期待したほどには賑やかでも綺麗でもなかったので、昇平としてはちょっとがっかりだったようですが、それでもいろいろなものを見て回りました。今回は早足にさっと見ただけだったので、次は、その中でも面白そうだったところをピンポイントでじっくり見に行こう、という話になっています。
 市立美術館も見に行きましたが、企画展が非常に面白い内容で、長時間楽しんできました。
 実家に泊まっている間、弟一家も泊まりに来ていて、来年小学生になる姪っ子と昇平が仲よく遊べるようになっていたのも、嬉しい発見でした。二泊三日の間、子ども同士で楽しそうに過ごしていました。


 夏祭りにも行きました。こちらは昇平が毎年とても楽しみにしているもので、母と一緒に花火大会や灯籠流しを見てきました。詳しくは、これの一つ前のてくてく日記に載せてあります。
 郡山市で新しく発掘・整備された古墳も見に行きました。体験型の非常に興味深い史跡公園になっています。こちらは、詳しくはブログ「そっとひとりごと」に載せてあります。→「大安場古墳」


 これ以外にも、昇平は毎日のように自転車で町を回っていました。買い物に行ったり、本屋に行ったり。知らない道を走り回ってルート開拓もしたようです。
 今年の夏、福島は冷夏で、ほとんどプールに入れなかったので、自転車が貴重な運動時間でした。


 関東で大学生をしている長男は、夏休みの最後の週に帰ってきました。バイトがあるので一週間たらずしか家にいませんでしたが、一緒にゲームをしたり、パソコンを譲り合ったり。年が離れているせいもあって、あまり一緒に遊ぶということはありませんでしたが、それでも確実に関わり合いは上手になっていました。昇平にとっては、「将来こんなふうになりたいな」という憧れの存在の兄ちゃんです。時間は短くても、やはり貴重な関わりのひとときでした。


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 夏休みの課題には、社会科の調べ学習、理科の自由研究、夏友の技術の課題の「パソコンを使ったTシャツ作り」がありました。
 全部パソコンを使ってやらせる計画だったのですが、夏休み初日に昇平専用のデスクトップが故障して、親子共々真っ青。あわてて予備のノートパソコンを出して、修理が済むまでそれを使わせました。
 結果としては、ノートパソコンのほうが使い方を教えるのには好都合で、ワードで社会科の壁新聞や自由研究のまとめをすることができるようになりました。同じやり方で、夏友の美術の課題もまとめられました。
 自由研究は、タマネギやブドウの皮から採った色に酸やアルカリを加えたときの色の変化の観察。母も一緒にやりましたが、本当に加えるものによって色が激変するものがあって、母子で夢中になってしまいました。面白かったです。

T_shirt2
   ↑
 昇平が作ったオリジナルTシャツ。(クリックすると別ウィンドウで拡大します)


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 もうひとつ、「できる自分」を実感してもらうために、毎日お手伝いもしてもらいました。
 学級から「簡単なことでいいから、毎日できるお手伝いを」と宿題が出ていたので、それに合わせて、「1.布団をたたむ」「2.その後の部屋を掃いてテーブルを出す」「3.自分の洗濯物をたたんでしまう」ということを話し合って決めました。掃き掃除だけはときどきさぼっていましたが、それ以外は、できるときには必ずやってくれました。最終日に「毎日お手伝いしてくれたね。助かったよ。よくがんばったね」と誉めると、得意そうな顔でした。「できる自分」はそれなりに実感できたようです。


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 夏休み前、二言目には「俺なんてどうせ」と言って怒ってばかりいた昇平が、夏休みが終わる頃にはとても良い表情をするようになりました。積極性も出てきました。
 夏休みに入って、パニックやかんしゃくは激減していたのですが、病院で薬の調整を進めたおかげもあって、さらにその回数が減りました。疲れたときなどに機嫌が悪くなっても、自分で気がつけばコントロールできるようになりました。落ち着いた後には素直に謝ります。
 学校が始まって1週間になりますが、この落ちつきは続いています。このまま2学期は順調に行ってほしいものです。
 そして、この落ちつきぶりが安定したら、少しずつ、「苦手」や「原因」と折り合っていく方法や、他のお友だちとの関わりを深めていくことに取り組むことになるでしょう。そのステップアップが2学期の課題ですね、と担任と話し合っているところです。


 セルフエスティーム回復には、どうやら成功したらしい、この夏休み。無事に2学期を迎えることができて、本当に良かったと思います。
 そして――
 母は、くたびれました。しばらくは、のんびり休みたいと思います。(苦笑)


※参考 → 「夏休みの計画」 「夏休みの中間報告」
 

☆てくてく日記への感想等はこちらへ→ 「療育掲示板」

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