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2008年4月18日 (金)

中学校の特別支援体制

 昇平が今年度前期の教科と担当教師が印刷された時間割をもらってきた。
 それによると、授業の体制はこんなふうになるらしい。


国語、数学、英語……特別支援学級で、担任たちが教える。英語は担任の岩沢先生が、国語は知的クラスのH先生が、数学は先生方のローテーションの関係からか両方の先生が交代で見るらしい。

道徳……これも担任の岩沢先生の担当。

理科、社会……1年の協力学級に行って、そこで一緒に受けてくる。L子ちゃんも一緒。介助の赤井先生がついていてくださる。社会は、協力学級の担任の受け持ち授業。

音楽、美術、体育、技術・家庭……これらの実技教科もすべて1年生の協力学級で受ける。

総合……これも協力学級で。


 ほー……という感じだった。
 これは、小学6年生の時の昇平やL子ちゃんが受けてきた支援体制とほとんど同じだ。昇平に関して言えば、家庭科(技術・家庭)まで協力学級で受けるようになった、という程度の変化。授業が始まって一週間になるが、特にとまどうこともなく協力学級に行って学習しているらしい。(少なくとも、今のところ本人からも学校からもトラブルの報告はない。)
 それだけ、小学校と中学校が連絡を取り合って、子どもたちの状態というのを把握したんだな、と感心すると同時に、中学校もやっとここまで来たんだ、と感慨ひとしおだったりする。
 入学までの二年間、何度か中学校に足を運んで学校側と話し合いもしてきたけれど、協力学級で授業を受けることに関しては、特支学級と協力学級の時間割が違うことや、教科を担当する教師の数やローテーションの関係で、なかなか実施の難しいところがある、とずいぶん言われてきたから。
 中学校としても、ずいぶん思い切った体制に踏み切ったんだなぁ、とつくづく思った。

 ただ、誤解のないように書いておくけれど、私は何も、通常学級で他の子と同じように学習することが一番幸せだ、とか言っているわけではない。それを望むなら、我が子を特支学級に入れたりはしない。支援の必要なところに、支援の手を差し伸べてほしいから、我が家は特支学級に所属している。
 「入学式」 の記事のところでも書いたけれど、本人たちにできる範囲のことであれば、それは他の子たちと同じようにやらせてやってほしいと思うのだ。何でもかんでも特別扱いするのが特支教育ではない。将来は、やっぱり皆と同じ場所で社会人として生きていかなくちゃならない彼らだから、「必要なところに支援の手を借りながら」「自分でできることは自分でする」大人になっていってほしいのだ。

 中学校は、小学校と違って教科担当制だから、交流学級(協力学級)と特支学級の授業をうまく調整するのがとても大変になる。昇平の時間割を見てみても、特支学級での授業は、必ずしも担任たちの専門の教科というわけではない。
 でも、中学校の教科内容であれば、専門を越えても教えられることは多いだろうし、一対一、一対二くらいの個別指導になるから、その中で理解していくことはできるんじゃないかと思っている。
 それよりもなによりも、こうして学年全体、学校全体での特支教育への取り組みを始めた中学校に、素直に賞賛とエールを送りたい気分でいる。
 うん、中学校。本当にがんばってるね!


  ☆彡☆彡☆彡☆彡


 もう一つ、私が今とても意識していることに、昇平の「自立」への取り組みがある。
 これは、6年生の終わりにスクールカウンセラーのA先生と話したことに端を発している。
 「いつまでも、まだまだだ、とは思わずに、成長して少しずつ大人になってきていることを認めてあげることが大切なんですよ」とA先生はおっしゃっていた。たとえ未熟でも、失敗をしたり、うまくいかなかったりしても、その経験を通じて本人は大人になっていく。親がいつまでも、「この子はまだまだダメだ」と思ってやらせずにいると、その部分がよく育たなくなってしまうんですよ、と。

 中学校に入学するあたりから、昇平はぐんぐん自主性を伸ばしてきた気がする。いろいろなことを自分でやりたがる。親に黙って自分だけで行動を決めたり、実行したりしたがる。どうやら、親に秘密にしていることもいくつもあるらしい……。(笑)
 それは中学生という年代の子どもたちに特有のことで、昇平に限ったことではない。そして、中学校は、そういう子どもたちを育てていく場として、長年の経験を蓄積してきている教育現場だ。
 中学校に入ったのだから、今度は親も中学校のそういう基本姿勢を尊重しよう――。
 私は今、そんなふうに思っている。

 それはつまり、我が子の自主性を伸ばす方向で見守るということ。
 学校だって先生だって、小学校の頃のように手をかけ目をかけ、お世話をしてくれるわけではない。他の子どもたちだって、なかなか大変な時期にさしかかるから、これまでとは関係が変わってきたりする。
 大人になっていく道は、決して順調ではないし、明確でもない。迷いながら、混乱しながら、つまずきながら、時には転びながら――それでも、また立ち上がって前へ進んでいく。
 もちろん、昇平の場合は人よりは手助けが絶対に必要だし、ことさら順調にはいかないだろうと思うけれど、それでも、やっぱり、「手をかけすぎてはいけない」んだよな、とつくづく思っている。
 どんなに心配でも、どんなに危なっかしく見えていても、それでも、我が子の力を信じて、あえて手を出さずに見守る。そんな姿勢が、中学校ではことさら必要になるんだろう、と。
 中学校は、小学校のように面倒見が良くない、とよく親は言う。だけどそれは、子どもたちを伸ばしていくための、中学校としての教育理念なんだろう。
 その中で、「その子に必要な部分」に支援をすること。それが本当の特支教育なんだろう。


 なんだか、すごく偉そうに、わかったようなことを書いているな、と思う。
 「そんな理想通りにいくわけないよ」という声がどこからか聞こえてくる気もする。
 だけど、現にこうして頑張り始めている中学校を目の当たりにすると、そういう理想や希望だって、親として持っていていいんじゃないかな、と信じてみたくなるのだ。


 さて、3年生が修学旅行だったので、特支学級は今日まで特別授業だった。なにしろ、3年生が3人もいるので、担任副担任がそちらに付き添っていたのだ。
 来週から、特支学級での授業も通常体制になる。
 その中で、昇平たちは何を学び、どんな成長をしてくるか――。
 以前の不安が減って、楽しみの割合が増えてきたような気がしている。


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