先週の昇平・8~ひとり留守番(自立訓練)
将来、親が歳をとったり亡くなったりしたときのために、昇平は日々の生活の中で自立のための訓練を続けてきました。
「訓練」というと少しことばが強いので、「練習」というほうが適切かもしれません。
・毎朝、洗面をした後で洗濯機を回す。
・仕事が遅出や休みの日は風呂掃除をする。
・自分の部屋のカーペットにコロコロ(粘着テープ式ハンド掃除機)をかける。
・週末スーパーに買物に行くときには荷物運びを担当する。
・夕食の後の食器や鍋などを拭いて片付ける。(食器洗いは主人が担当)
・翌日の朝食と弁当用の米をといで炊飯器のタイマーをセットする。
これらの練習はこのアパートに引っ越してきた7年前から続いています。
1年半ほど前からは、このブログにも載せたように、週に1度夕食当番も担当しています。
夕食当番の日にはメニューも自分で考えます。
市販の惣菜も組み合わせながら、炒め物、煮物、鍋、ときにおやつなど、いろいろ作ってくれています。
金銭面では、以前は毎月の工賃が振り込まれる口座のカードを自分で管理して、必要に応じてお小遣いを下ろすようにしていました。
使い過ぎて口座が空になるようなことはありませんでしたが、次第に慣れてきたのか、もらっている以上に使うようになってきたので、昨年7月からはカードを私が預かり、月初めに決まった額を下ろして、その中でやりくりすることを実践しています。
昨今の物価高もあって、月末にはどうしても足りなくなるようで、予備のお金に手をつけては翌月初めに補填する……ということが続いています。
将来は本当に自分の年金と工賃だけで生活しなくてはいけないし、年金は生活費で消えてしまうので、彼にはぜひ予算内でやりくりすることを覚えてもらいたいと思っています。
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そんな自立練習の実践編として、この2月から「ひとり留守番」も始めました。。
夜も含めて丸1日ひとりで生活する、という練習です。
彼は生まれてからずっと、一度も夜をひとりで過ごしたことがありませんでした。
以前は祖父母と同居していたので、家には誰かしら一緒にいたし、このアパートに引っ越してからも、夜は私か主人のどちらかが一緒にいるようにしていました。
でも、いくら自立の練習をしても、親がそばにいると思えば、どうしても頼りたくなるし指示を仰ぎたくなります。
なので、私と主人は外泊をして、昇平ひとりが家で翌日まで留守番をすることにしたのです。
主人は今流行の車中泊をしながらの道の駅巡りが大好き。
一方私は、家事や帰宅時間を気にすることなく、自分の好きな映画やイベントをゆっくり楽しむ「主婦の休日」が欲しい、と常々思ってきました。
計画を立てて主人の道の駅巡りと私の休日を合わせ、昇平とも相談して、ひとり留守番の段取りをしました。
初回の2月はとにかく自分の夕食と翌日の朝食を作ってもらうことに。
本人はガスコンロも使えるのですが、ひとり留守番の際には「火が心配だ」と言います。
私たちも火事が怖いので、調理器具は安全な電気ポットと電子レンジだけにしてもらいました。
電子レンジを使ったベーコンと野菜の蒸し物とインスタントスープ、店で買ってきた惣菜にしたようです。
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3月には卓上のIH電磁調理器とIH対応の鍋を購入しました。
これで火を使った調理も安心してできます。
これを使って調理しているところが、冒頭にも載せたこの写真。
野菜や肉、干し椎茸をたっぷり入れて鍋を作り、買ってきた焼き鳥などと食べたようです。
たっぷり作って、残りはラップをかけて翌朝の朝食に。
台所もきちんと片付け、資源ゴミに出すプラスチック容器も洗って、後始末も完璧でした。
ちなみに、この3月の時にはこんな手順書を作って渡しておきました。
最初にやり方を覚えれば、次回からもその通りにできる人なので、具体的に書きました。
生ゴミの始末は、ゴミ屋敷防止のために特にしっかり書きました。
彼は生ゴミに触れるのが嫌だったのですが、虫はもっと嫌いなので、「放置するとGが出るかもしれないよ」と教えたら、ちゃんと始末してくれました。
鉄は熱いうちに打て、ですね。
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3回目の今月は、食事のことだけでなく、自分が着た衣類を洗濯して干すこともやってもらいました。
毎日洗濯機は回してくれますが、出勤の時間の兼ね合いもあって、干すのはいつも私がやっているからです。
事前に練習したときには「ちゃんとできるかな」と最初は不安そうな顔でしたが、一人分の洗濯物などたいした量ではないので、たちまち終わって「これならできそうだ」と自信がついたようでした。
ただし、外の天候や時間を見て洗濯物を出したり引っ込めたりするのは、判断が大変なので、最初から室内干しにしてしまいました。
ひとり留守番でもちゃんと干したり、取り込んだりすることができたようです。
タオル類だけ、たたみ方やしまい方を教えなかったので、こんな感じで置いてありましたが……。
私が帰宅してから、一緒にたたみ方を練習しました。
今月の彼の料理はこれ。
洗い物を減らしたくて、ご飯にスープをかけて雑炊のようにしたそうです。
炒め物もだいぶ上手になりました。
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ひとり留守番をしている間、昇平と私と主人は家族のグループLINEでつながっています。
昇平からは家事の進行具合の報告があるし、わからないことがあるとすぐに質問が来ます。
私と主人は昇平の応援団。
ついでに、主人からは道の駅巡りの写真が送られてくるし、私も泊まっているホテルの写真などを送ったりします。
こうしてスマホでつながっていられるからこそできる自立練習だと、つくづく思います。
来月は私は関東にいる長男のところへ泊まりがけで出かけます。
それに合わせて、主人もまた道の駅巡りに出かけるようです。
今度は昇平は何を作り、どんなことをするのか。
見守る私たちも楽しみな「ひとり留守番練習」だったりします。
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