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2024年10月28日 (月)

先週の昇平・6~料理当番と理解力

Img_7930

伊達市「やながわ希望の森公園」の銅像(10月12日撮影)

 

今日は久しぶりに昇平のことを書きます。

前回の更新は8月だったし、『勇者フルート物語』の0巻が電子書籍で出ます、というご案内だったので(無事に出版できました)、昇平の記事は6月以来になります。

 

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毎週1回の昇平の料理当番も、この10月で丸1年になりました。

最初の頃はきちんと出汁を取って味噌汁を作ったり、材料色々のサラダを作ったりと、手の込んだものが多かったのですが、最近は買ってきた惣菜に手作りのサラダや炒め物を組み合わせたり、シンプルな鍋物を作ったりと、いい意味で力が抜けてきました。

 

自分から「○○を作ってみたい」と言い出すことも増えてきました。

昨日も「バレンタインも近いからお菓子が作りたい。クッキーが作りたいから作り方を教えて」と言うので、クッキー作りに挑戦しました。

クッキーを手作りするなんて、たぶん昇平が小学生だった頃以来です。

私自身も作り方を忘れかけていて、ネットでレシピを確認しました(笑)

「型抜きしない、丸いクッキーがいい」と言うので、あまり難しくないアイスボックスクッキーにすることにしました。

 

Img_8310

上の写真はバニラとココア2色の生地を作って冷凍庫で凍らせ、包丁で切り分けて天板に並べているところ。

やり方さえわかれば自分でできるので、私は作り方について口を出すだけでした。

 

Img_8317

焼き上がったクッキーがこちら。

レシピの通りにきちんと作ったので、味も上出来で、「予想以上に良くできた!」と本人も驚きながら喜んでいました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

料理を続けるうちに気がついたことがあります。

昇平の物事への関心が以前より広がってきたし、理解も良くなってきたのです。

 

もちろん、一般的な彼の年齢であれば、もう社会人として完全に独り立ちして、結婚して家庭を持ったりする頃なので、それと比べたらずっと遅れているのですが。

でも、以前の彼と比べたら、関心がぐっと外に向かってきたし、入ってきた情報を関連付けて自分なりに考えることが、かなり上手になってきました。

散らばっていた様々な情報を上手に組み合わせて、その中の大事なことが自力で理解できるようになってきた……。

うまく表現できないのですが、そんな感じです。

 

昔、彼がまだ小学生だった頃、主治医のY先生が仰いました。

「おうちで料理をするのはいいですよ。料理は色々な材料を揃えて、手順を考えながら作るので、物事を順序立てて考える練習になりますよ」

言われたときには、彼はまだ料理に全然関心がなくて挑戦できなかったのですが、十数年経って自立目指して料理当番をするようになってから、本当にそうなってきた気がします。

 

たとえば、ある日の彼の会話──

 

「ネットなんかで、みんながいっせいに同じようなことを言うようになることがあって、まるで誰かにマインドコントロールされてるみたいだと思って怖かったんだけど、あれは実は自分でそうしたくてやっているんだよね。みんなと同じことをしていないと嫌なんだ。でも、私はひとりでも平気だから、みんなと同じことをしなくてもいいんだ」

 

昔あれほど悩んだことについて、自分自身で答えを出したようです。

 

そう。人間は弱い生き物で、集団になることで身を守ってきたから、他の大勢と違う意見を言うと仲間はずれにされそうな気がして、怖くて同じことを言ったりやったりするんだよね。

全員が全員、同じことを考えているわけじゃないんだけれど。

でも、君は他の人ほどひとりで行動するのが怖くない。

ひとりで町に遊びに行けるし、ひとりでゲーセンで遊んだってラーメン屋に入ったって、全然淋しくない。

むしろ、他の人に合わせなくてすむから気楽で楽しいんだよね。

 

そんな話をしたら、昇平はちょっとほっとした顔をして

「お母さんが私の話を分かってくれる人で良かったな」

と言いました。

おぉ……それはどうもありがとう。光栄だわ。

 

理解する力がついてきて、過去に理解できなくて混乱していたことが、少しずつほどけて理解できてきている。

そういうことなんだろうと思います。

もちろん、彼の年齢が上がって大人になってきたことも大きいのですが、料理当番を続けていることも、成長の一助になっているんじゃないかしら、と。

そんな気がしている今日この頃です。

 

Img_7914

秋の光に真っ赤に輝くガマズミの実(10月12日撮影)

 

 

 

 

 

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先週の昇平」カテゴリの記事

コメント

私も一人が好きだよ~
一人、のんびり考え事したり、気を使って買い物したりしなくていいのは
ほんと幸せ。
散歩して、空の青、流れる雲を眺める。
気持ちの余裕ってそこから生まれる気がする。

学校に行ってる時期って
周りに合わせなきゃいけない、というのが
嫌なのかもしれないね。
登校拒否の子たちを見てると、特にそう思う。

>さゆたさん

昇平は自分自身をずいぶん理解してきたなぁ、と
最近とくに思います。
とんがって「俺はひとりが好きなんだ!」と言ってるわけでも
無邪気に「ぼくはひとりがいいな」と言ってるわけでもなく
世間一般では、「ぼっちは淋しい(良くない)」と言われていることも承知の上で
「でも、私はひとりが好きなんだ」と言ってます。

他人と会わせることが苦手なことも自覚していて
がんばる場面では努力するけれど
苦手なときには苦手なままでもいい(迷惑さえかけなければ)
と思っているところにも
『生きるすべを身につけたなぁ』と感心させられてます。

子どもに限らず、無理に周りに合わせるのが実は苦しい人って
世の中に大勢いる気がしますよね。
ひとりでもかまわないんだ、自分はひとりが好きなんだ、って認められたら
いろいろ楽になるんだけど
がっこうという集団のなかでは、なかなか難しいことが多いから
学校に行きたくなくなっちゃう子がでてくるのかもしれないですよね。

娘は就職して間もない頃に職場の先輩から「プライベートは大事だよぉ」と言われたそうです。
その頃の新入社員は会議室に集められてCADの勉強をしていたそうで、昼休みになると
元気なタイプの女子が「みんな一緒に〇〇で食べよう!」といった感じで
集まって食べていたそうですが、娘は段々とその集まりから抜けていったみたい。
その頃に先輩との会話で先の話があったそうです。

それからはお昼休みは自分の車に戻って好きな動画を見ながら食べているようです。
聞くと、そういう過ごし方をしている社員の方が多いそうです。
退勤後の飲みのスペースは社内にあるそうですが、寛ぐスペースがないのかな?
社長が変わっている方なので、普通と違う所が多い気がします^^;

娘も人いるより一人でいる方が気が楽でいいんだそうですよ^^
もしかしたら、昔よりも今の方が「個」の方が(楽)で良いと思う傾向はが増えているの?
なんて思ったり。
逆に人と合わせるのが苦手という風潮も、昔より強くなっている?
昔と違って上記の事を口に出して言えるようになっていて、それで増えているように感じるのかな?
人と協力しなければならない時に出来るんだったら、一人でいても良い時間は「個」で過ごすのは
良いと思います。
むしろ、そうした方が良いとも思いますし、そのように行動できる方を羨ましいと思います^^

高校生の時に「対人恐怖症」のカウンセリングと向き合い方を学んだ私ですが、それが根底になるので
未だに一人で食べ物屋さんに入るのが苦手です^^;
だから外出先でお腹が空いてもお店には入りません。
(栃木に嫁いでからは車の生活なので、最近は車内なら食べられるようにはなりました)

家族以外の人と食事する事や、家族と同席の外食でも苦痛で…。
周りに家族以外の方がいるからというのが理由ですが、自分がどう見られているのか。
それが非常に気になる事が大きいんだと思います。
急に飲み込めなくなり、顔が強張って自分の意識とは別に顔の筋肉が動き出して
おかしな表情になるんです。
時々急に緊張しだして、口に含んだ飲み物が飲み込めなくなって困る事があります。

今は随分とマシになり、外食も楽しめるようになりましたが、会話をすることで気を紛わせています。
だから会話が出来ない一人の外食は間が持たないし、苦手な気持ちが強くて…。
食事のスピードが速く本も読まないから、カフェに入ったとしても手持無沙汰になって
どう過ごしていいか分からないんです^^;
だからかな、優雅に過ごす姿に憧れは強いです(-"-)

>プーミンママさん

人と合わせるのが苦手な人間は
上手に気を回して他人とうまく付き合っている方が羨ましいし
人と合わせることがベースになっている人間は
他人に余計な気を遣わずに自分の行動を楽しめる人が羨ましい。
お互いがお互いを羨ましがっているのかもしれないですね……。

私は他の人と一緒に食事することも好きだけど
自分ひとりでカフェなどに入って飲食するのも大好きです。
人と一緒にいることが多いと、ひとりの時間が絶対欲しくなるタイプかな。
だから、昇平の気持ちがよくわかる。
自分を取り戻す感覚なんですよね。
プーミンママさんの娘さんたちも、そんな感じじゃないかな~。

ひとりで食事するときには
スマホを眺めてることもあるけど
ぼーっと窓の外を眺めたり
マスターがコーヒーを淹れている様子を眺めたり
ぼんやりいろいろ楽しんでます。

若い女性がアフィターファイブに飲み屋さんを飲み歩く「ワカコ酒」や
独身の輸入事業主の中年男性が訪問先で食事できる店を見つけて飛び込む「孤独のグルメ」が
そのときの気持ちをよく表しているかも。
それぞれ原作は漫画でテレビドラマ化もされてますが、
「ワカコ酒」は漫画で、「孤独のグルメ」はドラマで見るのがお勧めです。
要するに「食いしん坊」(飲み助)ってだけなんですけどね(^^)

自分の事ばかり書いてしまい肝心な事が後になってしまいました^^;


> 散らばっていた様々な情報を上手に組み合わせて、その中の大事なことが自力で理解できるようになってきた……。

入ってきたたくさんの情報は、自分にとって重要か必要かによって振り分けたり
場合によっては切り捨てたり、」忘れたたりしていると思うんです、私。
無意識だったり、意識的にだったりと。

息子の場合、記憶力は非常にありますが、重要度といった優先順位はなく
情報がごちゃ混ぜになっていて、必要な情報を取り出せないでいて
それで分からないとか、出来ない状況になってしまう。
今は、てんかんの症状の方が深刻で、発達障害で困っていた事を忘れがちなので
当時の事が少し懐かしく思置います。
(だからと言って、自閉症の特徴で困る事がなくなった訳ではないのですが^^;)

昇平君、必要な情報や知識が自分の中にあるフォルダーの中から上手に取り出せる(見つけられる)
力が向上しているのかな?
そんな風に思いました。
違っていたら、ごめんなさい。

昔、癇癪を起して自分自身も困っていたし、辛かったでしょう…。
でも、すごい成長ですね。
昇平君の成長に何ら関わってもいない私でさえ、こんなにも嬉しい…。
そんな気持ちにせせてくれた昇平君、ありがとね^^
そして、玲さんも。

>プーミンママさん

優しいコメントをありがとうございます。(;▽;)

主治医は「情報が頭の中でまとまるようになってきた」という表現をされます。
個々の情報は理解できていても
必要な情報を結びつけ、順序立てて考えることで
場面の理解や、自分がするべき行動がわかるようになる。
それがだんだん出来るようになってきた……んだろうな、と思っています。
もちろん100%の理解にはまだまだ及ばないんですが。

こんな感じで
「情報をまとめる力」も伸びて行ってくれたらいいなぁ、と思ってます。

玲さん、肝心な部分を書き間違えていました><
「対人恐怖症」ではなく「視線恐怖症」です。
だから一人でいても「誰かが自分を見ている(かもしれない)」という考えが続き
ずっと緊張して過ごすんです。
家から一歩出たら帰宅するまで続きます。

閉所恐怖症ではないですが、エレベーターや満員電車の中は、そこから外に出て視線から逃げる事は
出来ないので、辛かったです…。
異性に対しては、この気持ちがグッと強くなるので中学2年生から異性と話せなくなり
社会人になってからも続きましたが、自分と歳がかけ離れた人は恋愛対象外になるから?
緊張はしましたが話すことは出来ました。

自分が他人から「どう見られているか?」という気持ちが強すぎたんだろうと思います。
すごく自分に自信がないので、その気持ちが関係しているのかなって…そう考えます。

>プーミンママさん

「他の人は自分が気にするほどこっちのことなんか見ていないんですよ」
と、これまでにもプーミンママさんはずいぶん言われてきたことでしょうね。
でも、そう言われても気になるものは気になってしまう(だからなお苦しい)
ってことなのだろうな、と想像しています。


私は他人の目があまり気にならない人。
でも、それは私が強いからではなく、
単純に「自分が興味を持っていないものに対して注意が向かないから」。
昇平とおんなじです。
他人の目が気にならないから、やりたいことをやりたいようにできる。
でも、他人の目(=他人の考え)が推し量れないから
「気が利かない」とよく言われるし、実際に失敗やトラブルも起こしてしまう。
後になってから
「なんであのとき、あの人が考えていたことに気がつけなかったのかなぁ」
と思うんですが、後悔先に立たずで
トラウマみたいになっちゃうこともあります。

私も自分に自信なんてないんです。
自分が当てにならないことを自分で知ってるから。(--)
だけど、本質を変えることはできないから、
せめて他人を傷つけずにすむようにと、カバーの仕方を考えたりしてます。

あとは、しょうもないところがいろいろある自分だけど
そんなところも含めて、自分を好きでいようとは思ってます。
若い頃は自分が嫌いだったんですけどね。
昇平の成長に伴走しているうちに変わった気がします。

彼には、できないことや短所もたくさんあるけれど、
いいところだってたくさんある。
そんな自分をずっと好きでいてほしいと思うし
昇平にそう思えるんだから
自分自身にもそう思っていいんだろうな、と。
そんなことを考えてます。

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