先週の昇平・6~料理当番と理解力
伊達市「やながわ希望の森公園」の銅像(10月12日撮影)
今日は久しぶりに昇平のことを書きます。
前回の更新は8月だったし、『勇者フルート物語』の0巻が電子書籍で出ます、というご案内だったので(無事に出版できました)、昇平の記事は6月以来になります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
毎週1回の昇平の料理当番も、この10月で丸1年になりました。
最初の頃はきちんと出汁を取って味噌汁を作ったり、材料色々のサラダを作ったりと、手の込んだものが多かったのですが、最近は買ってきた惣菜に手作りのサラダや炒め物を組み合わせたり、シンプルな鍋物を作ったりと、いい意味で力が抜けてきました。
自分から「○○を作ってみたい」と言い出すことも増えてきました。
昨日も「バレンタインも近いからお菓子が作りたい。クッキーが作りたいから作り方を教えて」と言うので、クッキー作りに挑戦しました。
クッキーを手作りするなんて、たぶん昇平が小学生だった頃以来です。
私自身も作り方を忘れかけていて、ネットでレシピを確認しました(笑)
「型抜きしない、丸いクッキーがいい」と言うので、あまり難しくないアイスボックスクッキーにすることにしました。
上の写真はバニラとココア2色の生地を作って冷凍庫で凍らせ、包丁で切り分けて天板に並べているところ。
やり方さえわかれば自分でできるので、私は作り方について口を出すだけでした。
焼き上がったクッキーがこちら。
レシピの通りにきちんと作ったので、味も上出来で、「予想以上に良くできた!」と本人も驚きながら喜んでいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
料理を続けるうちに気がついたことがあります。
昇平の物事への関心が以前より広がってきたし、理解も良くなってきたのです。
もちろん、一般的な彼の年齢であれば、もう社会人として完全に独り立ちして、結婚して家庭を持ったりする頃なので、それと比べたらずっと遅れているのですが。
でも、以前の彼と比べたら、関心がぐっと外に向かってきたし、入ってきた情報を関連付けて自分なりに考えることが、かなり上手になってきました。
散らばっていた様々な情報を上手に組み合わせて、その中の大事なことが自力で理解できるようになってきた……。
うまく表現できないのですが、そんな感じです。
昔、彼がまだ小学生だった頃、主治医のY先生が仰いました。
「おうちで料理をするのはいいですよ。料理は色々な材料を揃えて、手順を考えながら作るので、物事を順序立てて考える練習になりますよ」
言われたときには、彼はまだ料理に全然関心がなくて挑戦できなかったのですが、十数年経って自立目指して料理当番をするようになってから、本当にそうなってきた気がします。
たとえば、ある日の彼の会話──
「ネットなんかで、みんながいっせいに同じようなことを言うようになることがあって、まるで誰かにマインドコントロールされてるみたいだと思って怖かったんだけど、あれは実は自分でそうしたくてやっているんだよね。みんなと同じことをしていないと嫌なんだ。でも、私はひとりでも平気だから、みんなと同じことをしなくてもいいんだ」
昔あれほど悩んだことについて、自分自身で答えを出したようです。
そう。人間は弱い生き物で、集団になることで身を守ってきたから、他の大勢と違う意見を言うと仲間はずれにされそうな気がして、怖くて同じことを言ったりやったりするんだよね。
全員が全員、同じことを考えているわけじゃないんだけれど。
でも、君は他の人ほどひとりで行動するのが怖くない。
ひとりで町に遊びに行けるし、ひとりでゲーセンで遊んだってラーメン屋に入ったって、全然淋しくない。
むしろ、他の人に合わせなくてすむから気楽で楽しいんだよね。
そんな話をしたら、昇平はちょっとほっとした顔をして
「お母さんが私の話を分かってくれる人で良かったな」
と言いました。
おぉ……それはどうもありがとう。光栄だわ。
理解する力がついてきて、過去に理解できなくて混乱していたことが、少しずつほどけて理解できてきている。
そういうことなんだろうと思います。
もちろん、彼の年齢が上がって大人になってきたことも大きいのですが、料理当番を続けていることも、成長の一助になっているんじゃないかしら、と。
そんな気がしている今日この頃です。
秋の光に真っ赤に輝くガマズミの実(10月12日撮影)
最近のコメント