3月16日深夜の強い地震の影響で、阿武隈急行線が運休になってしまいました。
線路や施設にもかなりの被害が出ているようで、伊達市から福島市に出る方面の復旧は今のところ目処が立たない、という発表が。
きゃ~、どうしましょう!?
昇平も旦那も福島市に出勤するのに毎朝利用しているんですけど!!?
道路もあちこち被害が出ていて、伊達市の大部分から国道4号線や福島市に出るために阿武隈川を越える橋も、いくつも通行不能になっています。
こちらも大がかりな修理や架け替えが必要になりそうな状況ですが、幸い通行可能な橋も全体の半分くらいはあるので、路線バスは走っています。(橋が通れなくて途中のコースを変更している路線もあります)
当分通勤には路線バスを使うしかなさそうです。
11年前の東日本大震災の直後にも阿武隈急行は長い間運休になって、昇平は福島市内の高校に通うのに路線バスを使いました。
が、問題はその後、我々が引っ越しをしたこと。
以前の家の近くを通るバスは1路線しかなかったので、本数は少ないのですが、覚えるのは簡単でした。
でも、今住んでいる場所には4路線バスが来ます。
「こう書いてある方面のバスに乗るんだよ」「乗換アプリのここをこうすると時間と停留所がわかるからね」といろいろ教えて送り出しました。
月曜日は春分の日で休みだったので、火曜日が初日でした。
旦那と一緒にバスに乗り、帰りは事業所の近くの停留停からひとりでバスに乗って、ちゃんと帰宅できました。
「新しいことにチャレンジするのって楽しい!」と昇平はご機嫌。
こちらも、うまいこといきそうで良かった、とほっとしました。
翌水曜日。
この日は遅出の日なので、彼ひとりでバスに乗って出勤しましたが、問題なく福島市内に出ることができました。
水曜日は事業所が半日なので、帰りのバスも彼ひとりです。
停留所で待ちながら私と、その日決定した大阪・関西万博のイメージキャラクターのことなどLINEでやりとりしていたのですが、そのうち急に
というLINEが彼から。(地名や固有名詞等は消してあります)
前日乗ったバスと路線が違うバスだったので、逃してしまったのでした。
詳しく聞いてみると、それ以前のバスも逃していて、調べたら次のバスはなんと1時間後。
その日はとても冷たい風が吹く日で、昇平はがっかりするやら寒いやら。
幸い歩いて駅前に行ってもそれほど遠くない場所なので、駅のカフェで温まって時間を待つことにしました。
本人曰く、パニックになりそうなのを必死で我慢して歩き、暖かいカフェオレで落ち着くことができたそうです。
やれやれ、よかった、と思ったのですが……。
再び、いや三度彼は乗り損ねてしまいました。
確認しなかった私も悪かったのですが、本人は「事業所に近いバス停から乗る」ことにこだわっていて、せっかく路線バスの始発の駅前まで来ていたのに、またさっきのバス停に戻っていたのでした。
その停留所にはたくさんの路線のバスが次々やってくるので、バスに乗り慣れていない彼には、行き先を見分けるのが大変だったようです。
※彼が言う「バスに書いてある乗り場」とはバスの行き先表示のこと
めげながらがんばってまた駅の東口へ戻り、そこからやっと正しいバスに乗って帰ってきました。
お疲れ様。
さて、翌日の木曜日。
この日は早出で帰りも遅い日なので、行きだけでなく帰りも旦那と一緒のバスになりそうな日でした。
「仕事が終わったので気をつけて帰宅します」とLINEも来たので、そろそろかな、と思っているところにピンポーンとチャイム。
ところが、帰ってきたのは旦那がひとりだけでした。
「あれ、昇平はまだなのか?」
「さっき帰宅するってLINEはあったんだけど。駅から乗ったはずだから、あなたの次のバスになったのかも」
ちょっと心配になって昇平にLINEしてみました。
うん、大丈夫。
こちらに向かっているね……と待っていると、また彼からLINEが来ました。
自分が住んでいるところとは違う地名になって、乗り間違えに気がつき、急いで下りてバス停の写真を送ってきたのでした。
調べてみたら、彼が乗る予定だったバスの5分前に同じ乗り場から出るバスに乗ってしまったようです。
グーグルマップで停留所付近を見ながら、急いで彼に電話をしました。
「その場所の近くにセブンイレブンがあるよね? お父さんが車で迎えに行くから、そこで待っていて」
「セブンイレブンは見つからないです。○○ってスーパーはある!」
「あ~、それじゃそのスーパーの入り口で待っていて」
旦那、あわてて車で迎えに行きました。
到着するまで時間がかかりそうだったので、ただ待っているのは不安だろうと思い「お父さんが来るまでの間、スーパーでおやつでも買っていたら?」とLINEしたら、「今スーパーから出てきたところです」という返事。
私が言うまでもなく自分の判断で夕食後のおやつを購入していました。
このちゃっかりしたたくましさが彼の強みです。(^^;)
帰宅後、さすがに自信をなくして「明日からはお母さんに車で迎えに来てほしい…」と言い出しましたが、それはきっぱり断りました。
今はまだ私が福島まで迎えに行くことも可能ですが、それをやっては、いつまでたっても彼は自分でバスに乗れるようになりません。
阿武隈急行はやがて復旧するでしょう。
でも、急に電車が運休になったときに、バスに乗れないとやっぱり困ります。
少し厳しいかもしれないけれど、慣れさえすれば必ず乗れるようになる人なので、あえて突き放して自分で乗るように励ましました。
本人も「このままだと一生バスに乗れなくなりそうだから頑張ってみる」と言ってくれました。
「失敗は成功体験で上書きしないとね」と言うと、「うん」とうなずきます。
彼が正しくバスに乗るためには、行き先をきちんと見極めるのがポイントのようです。
そこで、アプリで行き先を確かめるだけでなく、利用する時間帯のバスの行く先と発車時刻・降車時刻と乗り場番号を一緒に確認して、全部メモに書いていきました。
さすがの昇平も本気です。
全部書き終えるのに30分以上かかりましたが、メモが完成したとき、「うん、今度こそ大丈夫かもしれない」とようやく笑顔になりました。
さて、金曜日。
行きは問題なく出勤。
問題の帰りのバス。
駅前から「今から7分後に来る○番乗り場の△△経由××行きのバスを待っています」とLINEが来ました。
そして十数分後
ちゃんと正しいバスに乗り、その後の停留所から父も乗ってきたので、「このバスで大丈夫」と確信したようです。
よかったよかった。
一安心です。
何度も乗降していれば、バスの行き先の見極めにも慣れてきて、事業所に近いバス停からでも乗り降りできるようになることでしょう。
メモではなくアプリを見ての乗降もできるようになれば、行ったことがない場所にもバスを利用して行けるようになります。
そのためには何度も成功して自信をたくさんつけるのが大切なので、今は丁寧に確認を取り合いながら見守っていこうと思います。
今日も間もなく昇平が帰ってきます。
正しいバスに乗ったとLINEで連絡がありました。
スマホは本当にありがたい、ともつくづく思っています。
【おまけの写真】
伊達市でも河津桜や水仙が咲き出しました。(伊達市保原町紅屋峠:3月27日撮影)
最近のコメント