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2021年7月19日 (月)

国見町の中尊寺ハスと阿津賀志山防塁

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日曜日、伊達市の隣の国見町(くにみまち)へ「中尊寺ハス」の花を見に行きました。

 

中尊寺ハスというのは、平安時代に東北で勢力を誇っていた奥州藤原氏の第4代当主、藤原泰衡(ふじわらのやすひら)の首桶に収められていたハスのタネから、800年の時を経て発芽・開花したハスの花のことです。

ハスの種は皮が固いので、数百年、すごいものでは千年以上過ぎても発芽するものがあるのだそうです。

中尊寺ハスの説明の看板があったので、載せておきます。(画像をクリックすると拡大できます。陽が当たって読みにくくてすみません)

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福島県伊達郡国見町には、藤原泰衡が平泉へ攻めてくる源頼朝軍を阻止しようと築いた阿津賀志山防塁(あつかしやまぼうるい)の一部が残っています。

今から800年以上前の防塁跡です。

国見町ではその防塁の端に近い場所で、平泉中尊寺から分けてもらった中尊寺ハスを育てていたのですが、今年その周辺を整備して「あつかし千年公園」という歴史公園を開設したのでした。

だから、ここに行くと中尊寺ハスと阿津賀志山防塁の両方を見ることができます。

 

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手前がハスの池、奥に見える土手のようなものが防塁跡です。

防塁は写真の左側へずっと続いています。

 

ハスの花はちょうど満開でした。

咲き始めは濃いピンク色ですが、咲ききるともっと薄いピンク色になります。

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ハスの花は朝に咲いて午前9時頃に満開になり、その後また閉じていって、昼頃にはつぼみの状態に戻ってしまうのだそうです。

それを知っている親戚から「花を見に行くなら朝のうちだよ!」と言われていたので、私たちは午前8時過ぎに到着して、満開の花を見ることができたのでした。

だいたい午前7時から10時の間が見頃なのだそうです。

 

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満開になったハス。

 

駐車場からハス池に行く間に阿津賀志山の防塁の横を通ります。

そこから撮った写真です。

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どれが防塁で、どこが阿津賀志山かわかりにくいと思うので、ちょっと描き加えてみました。

黄色でなぞった部分が防塁、白い線でなぞったところが阿津賀志山(あつかしやま)です。(クリック拡大推奨)

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先にも書きましたが、藤原泰衡は南からやってくる源頼朝軍を防ぐために、防塁を築きました。

深い堀を二本掘り、そこから出た土を堀の間と両側に盛り上げて三本の土塁にして、攻めてくる兵士と軍馬を防ごうとしたのです。

阿津賀志山の中腹から東を流れていた阿武隈川まで、およそ4Km。

平安時代の末期ですから、ブルドーザーもパワーショベルもトラックもありません。

防塁を築くのに動員された人夫はおよそ25万人、半年以上かかって築いたと考えられています。

実際に防塁の端に立って阿津賀志山を眺めると、よくもまあ、あんな遠いところからこんな場所まで人力で築いたものだ、と感心させられます。

 

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防塁の解説の看板です。

 

大変な財と労力を費やして築いた防塁でしたが、この防塁で敵を防げたのは、わずか3日でした。

頼朝軍が夜の間に防塁を埋めて乗り越えてきたのです。

激戦の末、防塁の守りについていた泰衡の兄の国衛(くにひら)たちは戦死して、頼朝軍は防塁を突破していきます。

泰衡は平泉を捨てて蝦夷(えぞ)に逃げようとしますが、結局家臣に裏切られて殺されました。

泰衡の首は頼朝に送られた後、平泉の中尊寺に戻され、首桶にハスの種と一緒に収められて金色堂に大切に安置。

平成の時代になってその種から中尊寺ハスが発芽・開花したのです。

 

ハスの花は仏教では神聖な花。

泰衡の死を悼んだ親族が、「どうか極楽浄土のお釈迦様の元へいけますように」という願いを込めてハスの種を入れたのかもしれません。

 

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ハス池や防塁を見ながら、そんな話を息子に聞かせたら、息子も感動したようで、「自分たちが見ている現代の世界の中には、ずっと昔から続いてきた歴史があるんだね」と言っていました。

それを感じてもらえたなら、歴史公園にやってきた甲斐はあったな、と思いました。

 

美しい中尊寺ハスの花と、歴史を実感できる阿津賀志山防塁が一緒に見られるあつかし千年公園。

今後、施設はもっと充実していくだろうし、ハスの花もますます増えていくことでしょう。

これからが期待できる歴史体験スポットです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【データ】

あつかし千年公園(正式名称「阿津賀志山防塁下二重堀地区歴史公園」)

住所:福島県伊達郡国見町大字西大枝字原前道下124

中尊寺ハス:7月中旬~8月が花の見頃(午前中がお勧め)

入場:無料

駐車場:あり

 

 

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