火の山温泉紀行・5「赤の魔法使い」
「フルート」シリーズでは、ほぼ毎回、主人公の一行以外に、「その話の中心人物」が登場します。例えば、「フルート5・北の大地」ならばロキ、「6・願い石」ではオリバン、「12・一角獣伝説」ではセシルといった具合です。
今回の「18」の中心人物は、もちろん赤の魔法使いでした。本名はモージャ。子どものように小柄で、つややかな黒い肌に縮れた短い黒髪、猫のような金の瞳のムヴア族……という設定になっています。
実は、この赤の魔法使いにはモデルがありました。私が大学生の頃に書いたSF小説の登場人物の転用です。
やはり小柄で無口。いつも大きな帽子をかぶっていて、その陰からじっと仲間たちのすることを見ている、得体の知れない人物――という設定でした。魔法は使えませんが、機械の天才で、宇宙船も一人で直してしまいます。
オリバンやセシルも、実は別のファンタジー小説のヒーローとヒロイン。その小説の設定は、オリジナル版の子ども向け「フルート」に合体吸収されて消滅しましたが、キャラクターたちだけは形を変えて、「フルート」の中に出てきています。
そうそう、そういえば、エスタ国のシオン大隊長と、最近は出番がないけれど、白いライオンをお供にした黒い鎧のオーダ。この二人も、やっぱり吸収されたファンタジーの登場人物でした。二人ともオリバンの家来だったんですけどね……。変わってしまうものだわ。(笑)
今回の「18」で、ロムド城の四大魔法使いについては、ひととおり書けたかな、と思います。彼らがロムド城に来ることになったいきさつも、だいたい書けました。――一人、白さんだけを除けば。彼女が魔法軍団の長になった物語は、そのうちまた機会があったら書きたいと思います。
フルートたち勇者の一行を書くのも、もちろん楽しいのですが、ロムド城の四大魔法使いも仲がよいので、彼らを描くのもとても楽しいのでした。
さあ、今度の外伝では誰が登場してくるでしょう?
来週末くらいまでには書いて公開できれば、と思っています。
ということで、大した内容もありませんでしたが、今回の裏話はこれで終了です。
おつきあいありがとうございました。
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