海の王妃・2
さて、旦那も「フルート3」を読み終えてくれました。渦王の島に上陸したあたりで1週間もほったらかしにされたので、このまま読んでもらえないんではないかと心配したのですが、私が機嫌を損ね始めた気配を察したのか、読み続けてみたら、けっこう読みやすかったのか(こっちの理由だと思いたいところだけれど)、再開したらあっという間に読み終えたようです。
で、一つめの感想は「まあ、けっこう面白かったかな」。
……旦那、決して「すごく面白かった」なんてはほめてくれません。プロの、それも非常に面白い作家の作品しか読まない人なので、アマの作品を「アマチュアにしては」すばらしく面白い、なんて言い方はしてくれません。まあ、だからこそ、読んでもらいたい、感想を聞かせてもらいたい、と思うわけなんですが。批評はいつも、けっこう辛めです。
で、遠慮しながら、こう続けました。
「でもなぁ、動機がなぁ」
ん? 動機って、誰の何の動機? 大人たちだって、子どもたちだって、それぞれにいろいろと「動機」は抱えていたわけだけど。
「子どもたちはまあいいんだけど、親のほうがなー……どうも納得がいかん」
はい。
ものの見事に、他の方々から寄せられた感想と同じものでした。
二つの海の争いの原因になった、海の王妃、海王、渦王の三人に関する部分です。
はー。やっぱりここが指摘されるんですねぇ。ずいぶん書き直したんだけれど、やっぱりダメか。(苦笑)
大人が読んでも、子どもが読んでも、どちらからも納得のいかない原因になっているだろう、と指摘されました。うーん……厳しいけど、当たっているだけに、なんとも反論のしようがないですね。
私自身がどこまで児童文学に大人の世界を描くか、で迷っただけでなく、構造上の、というか、物語の性質上、陥りやすい問題もあったわけです。って、これはあまりにも専門的な話になりすぎるので、ここでは省略しますが。
まあ、簡単に言うと、「どんでん返しを描くのは難しいー!」ってことです。(簡単にまとめすぎ?)
物語そのものとしては楽しんでもらえたようなので、それは良かったのですが、「やっぱり無理がある」と言われて、ちょっぴり「しゅん」。 でもねぇ、耳障りのいいことばかり言われていたって進歩はないですからねぇ。
すでに次の作品も書き出しているので、この作品はとりあえず、このままにしておきます。そして、もしも、将来、どこかでシリーズの最初から再公開するような機会があったら、そのときに改めて考え直してみようと思います。その時には、もしかしたら、もっと違う解釈、もっと違う描き方ができるようになっているかもしれませんから。
それにしても、感想というのは本当に面白いです。
まったく関わりのない場所で、それぞれがそれぞれに感じたことを聞かせてくれているだけなのだけれど、やっぱり、ある共通したいくつかの見解に集中していきます。もちろん、それぞれの人の独自の感じ方というものもあって、それも聞かせてもらうのもとても楽しみなのですが。
さてさて、昨日からスタートした「フルート4」。 これは読んだ人から「無理があって苦しい」とは言われないように、読んで納得のいく、そして楽しい物語にしたいなぁ、と考えています。
物語を書くのは本当に難しいです。でも、それだけに、すばらしく面白くて楽しいことでもあります。
やっぱり、私は書くことが大好きです。
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