2006年4月25日 (火)

海の王妃・2

 さて、旦那も「フルート3」を読み終えてくれました。渦王の島に上陸したあたりで1週間もほったらかしにされたので、このまま読んでもらえないんではないかと心配したのですが、私が機嫌を損ね始めた気配を察したのか、読み続けてみたら、けっこう読みやすかったのか(こっちの理由だと思いたいところだけれど)、再開したらあっという間に読み終えたようです。
 で、一つめの感想は「まあ、けっこう面白かったかな」。
 ……旦那、決して「すごく面白かった」なんてはほめてくれません。プロの、それも非常に面白い作家の作品しか読まない人なので、アマの作品を「アマチュアにしては」すばらしく面白い、なんて言い方はしてくれません。まあ、だからこそ、読んでもらいたい、感想を聞かせてもらいたい、と思うわけなんですが。批評はいつも、けっこう辛めです。
 で、遠慮しながら、こう続けました。
「でもなぁ、動機がなぁ」
 ん? 動機って、誰の何の動機? 大人たちだって、子どもたちだって、それぞれにいろいろと「動機」は抱えていたわけだけど。
「子どもたちはまあいいんだけど、親のほうがなー……どうも納得がいかん」

 はい。
 ものの見事に、他の方々から寄せられた感想と同じものでした。
 二つの海の争いの原因になった、海の王妃、海王、渦王の三人に関する部分です。
 はー。やっぱりここが指摘されるんですねぇ。ずいぶん書き直したんだけれど、やっぱりダメか。(苦笑)
 大人が読んでも、子どもが読んでも、どちらからも納得のいかない原因になっているだろう、と指摘されました。うーん……厳しいけど、当たっているだけに、なんとも反論のしようがないですね。
 私自身がどこまで児童文学に大人の世界を描くか、で迷っただけでなく、構造上の、というか、物語の性質上、陥りやすい問題もあったわけです。って、これはあまりにも専門的な話になりすぎるので、ここでは省略しますが。
 まあ、簡単に言うと、「どんでん返しを描くのは難しいー!」ってことです。(簡単にまとめすぎ?)
 物語そのものとしては楽しんでもらえたようなので、それは良かったのですが、「やっぱり無理がある」と言われて、ちょっぴり「しゅん」。 でもねぇ、耳障りのいいことばかり言われていたって進歩はないですからねぇ。
 すでに次の作品も書き出しているので、この作品はとりあえず、このままにしておきます。そして、もしも、将来、どこかでシリーズの最初から再公開するような機会があったら、そのときに改めて考え直してみようと思います。その時には、もしかしたら、もっと違う解釈、もっと違う描き方ができるようになっているかもしれませんから。

 それにしても、感想というのは本当に面白いです。
 まったく関わりのない場所で、それぞれがそれぞれに感じたことを聞かせてくれているだけなのだけれど、やっぱり、ある共通したいくつかの見解に集中していきます。もちろん、それぞれの人の独自の感じ方というものもあって、それも聞かせてもらうのもとても楽しみなのですが。

 さてさて、昨日からスタートした「フルート4」。 これは読んだ人から「無理があって苦しい」とは言われないように、読んで納得のいく、そして楽しい物語にしたいなぁ、と考えています。
 物語を書くのは本当に難しいです。でも、それだけに、すばらしく面白くて楽しいことでもあります。
 やっぱり、私は書くことが大好きです。

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2006年4月20日 (木)

読み返し終了~。

 今までより客観的に読み返して、読了しての感想。
「ははぁ、なるほど。こういう物語でしたか」
 ……いつものことだけど、なんとも間の抜けた感想になっちゃうんですよねぇ。(苦笑)

 さすがに、感動はできません。自分が書いた作品ですから。そこまでナルシストじゃないです。(笑) 今回のラストは悲しい場面じゃないし。
 若干の推敲、修正はあったものの、今回まともに全体を通して読み返して、やっと頭の中で各エピソードが一つの流れにつながった、という感じです。で、そうかぁ、こういうお話だったかぁ、と。(笑) 長さよりも、物語の動いていくことに、改めて驚いていました。よくもまぁ、これだけ場面が次々と繰り出されてくるもんだわ。(このあたりは視点が客観的。笑)
 まあ、さすがに自分の作品なので、反省点も改良点も山ほど見つけてしまって、めげたり、発憤したりしているんですが、それは自分の胸に留めておきます。次の作品でがんばろうっと。

 次の作品……の予告ではないんですが。とにかく、このところ、子どもたちが頭の中で大騒ぎしていて、うるさくってしかたありません。(笑) 特にうるさいのはメールとゼン。ほっとくと、二人で延々とやりとりを繰り広げてくれます。相変わらずの漫才を突然始めるもんだから、運転しながら、つい「プッ」と吹き出しちゃったり。おまえらな~……という感じです。ホント、早いとこ書き出さないと、うるさくてたまらないわ。(笑)
 あとは~、あの人とあの人が登場して~……。あそことあそこに行って~……。
 あ、やっぱり予告サブリミナルになっているかも。(爆)

 さて。PDFファイルに挑戦だー。
 取説読みながら、トライ! がんばるぞ。

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2006年4月18日 (火)

読み返し中

 今回は大丈夫とわかったので、安心して投稿することにします。(笑)

 さて、今、プリントアウトした「フルート3」を読み返しています。だいたい半分くらいまで来ました。
 紙に印刷されて、ようやく私も「読者」としてこの物語を読めるようになった気がします。……とはいえ、やっぱり誤字脱字に目を光らせたり、おかしなルビを見つけたら修正したり、という作業が発生するので、完璧な意味での読者には絶対なれませんが。(苦笑)

 それでも、かなり客観的に読み返したとき、今回の「3」に一番感じるのは「文章が変わってきた」ということですね。自分でもうまく表現できないのだけれど、なんだか、文章の肌触りが前と変わってきています。うーんと、えーと……どう言ったら、自分の感じに一番近い表現ができるかな。えーっと……「あまり苦しくない」というところかな? 文章が焦っていない、というか、余裕がある? うーん。あるかな。ただ、以前よりスムーズになったのは確かなような気がします。
 自分でも書きながら「文章を書くのが楽しい」「場面描写が楽しい」と感じていたのだけれど、やっぱり文章そのものにそれが現れていたのかもしれませんね。
 とはいえ、まだまだまだまだ……精進は必要ですけれど。(大汗)

 読みながら最後の推敲をして、PDFファイルにしたら、そしたら、いよいよ本当に「4」の執筆開始です。
 は~やく書き出したいのよ~!!(爆)
 頭の中では、あれをああして、こうして、といろいろふくらんでいるのだけれど、実際に書き出さないと決まらないこともたくさんあるから、そこがじれったくて何とも。(笑)
 あ、タイトルがまだ決まっていなかったんだわ。どうしよう……。
 読み返し作業の間に、これも早く決めておかなくちゃね。
 
 以上、早いところ推敲作業を終えたい朝倉の近況報告(?)でした。(笑)

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2006年4月15日 (土)

お気に入りのキャラは?

 「フルート3」の最終推敲も終わった(と思う)ので、いよいよPDFファイル化作業に取りかかるつもりでいますが、その前にどうにも眠くなって、ちょっと昼寝してました。(笑)
 で、目が覚めたら、何故だかこんな質問をしたくなっていました。

「フルートシリーズの中で、あなたのお気に入りのキャラは誰ですか?」

 一番好きなキャラの話は割と聞かせていただいているし、人によってお気に入りが違うので、おもしろいなぁ、と思っていたんですが、これをベスト3まで上げてもらったら、どうなるんだろう? 2位、3位まで入れると、案外特定のキャラクターに集中するようになるんだろうかー? それとも、意外なキャラの名前があがってくるのか?
 ってことで、全くの気まぐれなんですが、よろしかったら、フルートシリーズの中のお気に入りキャラを3人お聞かせくださいませ。 途中までしか読んでいない方は、そこまでに登場してきた中で選んでもらってかまいませんので。

 ちなみに、私はベスト3は選べません。だって、作者にとっては登場人物がみ~んなかわいいんだもの!(爆)
 脇役で気に入っているキャラのベスト3は、今のところ、ゴーリス、黒い鎧のオーダ、ジズなんですけどね。……なんか、黒っぽいおっさんばかりだなー。(爆)
 

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2006年4月14日 (金)

海の王妃

 海の王妃、というのは、今回書き上げた改訂版「フルート3」で新たに追加されたキャラクターの名前です。東の大海を統べる海王の奥さんです。
 この作品に関しては、ここのコメントだけでなく、メールでもいくつか感想をいただいているのですが、そこに共通して浮かび上がってきたのが、この海の王妃に関する疑問点でした。まったく無関係な二名の読者から同じような趣旨の感想や批評が寄せられた場合、それは紛れもなく、その作品自体の特徴や問題点になります。そして、実を言えば、私自身が読み直して一番ひっかかっていたのも、この海の王妃が登場する場面だったのです……。

 具体的には第43,44,63章の三つの場面に当たります。3月28日付のブログのコメントで、あちこちに手直ししたい場面が見つかった、と私が書いたのは、43-44章、つまり、海の王妃(○○だけど)が登場している場面でした。エピローグの63章も、書き上げてからずいぶん手直しをしました。それだけ、自分でも納得がいっていなかったんですね。
 問題点というのは、海の王妃のキャラクターというか、性格やその考え方に関する疑問。そして、それは確かに、私が「誤魔化して、そのまま流そうとした」部分だったのです。
 3月16日付けの記事で、「十八禁?」と自分で首をひねっていたのが、まさしくこの海の王妃の場面でした。つまり、「児童文学に大人の恋愛場面を入れるのは如何なものか?」と思わず自主規制をかけてしまったところだったんですね……。

 ……。

 まいりました。本当に、文章というのは誤魔化しがきかないです。(苦笑)
 「子どもが読む作品だから」と筆を控えた部分が、紛れもなく指摘を受ける。自分自身でも納得がいかなくなって、加筆修正することになる。43-44章は、すでに最初の公開よりかなり修正を加えています。これでもまだ、ちょっと遠慮気味かもしれません。
 指摘してきた読者や私が「大人だから」そういう部分が気になる、というわけではないのだろうと思います。物語全体の雰囲気、展開から見て、違和感が生じるのだろうと。
 危なく、最終決戦の場面にも、同じような自主規制がかかるところでした。「戦闘シーンのポリシー」で書いたとおり、「あまり残酷な場面を描くのは如何なものか?」と疑問を持ってしまったものだから。
 でも、幸い、その寸前でそれまで書いたものを読み返して、筆を控えるのはまずい、と自分で実感することができたので、最終決戦では本当に、まったく遠慮なく死闘を描きました。はっきり言って血みどろです。(Elinorさんがおっしゃっていたとおり、ホントに「痛そう」。) でも、それだけ書かなければ物語として成立しなかった、というのも事実です。あれを書き控えてしまったら、きっと面白くなかっただろう、と思います。

 でも、63章では、また書き控えをやってしまった……。
 あれは、物語全体の構成を考えたとき、あれ以上、渦王、海王、海の王妃といった大人たちの出番を増やせなかったからなのです。本当はもう一場面作る予定でした。海の王妃のキャラクターも、もう少し突っ込む予定でした。でも、いろいろ考えて、寸前でそれをすっぱりカットしてしまいました。そうしたら、「海の王妃に納得がいかない」の感想。……そうですね。はい、その通りですよね。

 以上のことは、物語を書く、という作業の中の、かなりマニアックな、作者にしか関係のないようなポイントです。これに関してはもう一度よく熟考して、場面の書き直しをするだけです。ただ、今回のことを通じて、また一つ、新たに感じたのです。
 私は、意図的に文章を書き控えてはいけない。
 ’自主規制’をかけちゃいけなかったのです。児童文学だから、子どもも読む作品だから、と意識的に操作してしまってはいけなかったのです。
 以前、意図的に長文や描写を書き控えて、かえってそれが文章全体を萎縮させたり、読みづらい文章にしていたのと同じことです。
 私は物語を書くとき、本当に常に読者の顔を思い浮かべています。もちろん、本当のお顔はわかりません。でも、読んでくれている方たちのイメージを思い浮かべて、ずっと書き続けています。その中にはもちろん、子どもたちの姿もあります。それを忘れてしまわない限り、意識して自主規制なんてかけなくても、私はちゃんと子どもに配慮した文章を書けるのだろう……と思います。

 難しいことを書いてしまいました。とてもマニアックな話題です。でも、その根底にあるのは、とてもシンプルで明確なことです。
 私は私の思うように、思いっきり書くのが一番いい。
 本当に、ただそれだけのことなのです。

 思えば、常連の皆さんから、繰り返し言っていただいていたことでしたね。
 でも、思いっきり、というのは、実は簡単なようでなかなか難しいです。いろいろなものが「思いっきり」を邪魔します。
 それでも、私はもっと良い作品、面白い作品を書きたいから……。
 せせこましい自己規制などは振り払って、「思いっきり」をやってみようと思います。

 がんばります。
 

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2006年4月 8日 (土)

書き終えて

 一つの作品を書き上げると、少々不安定になります。
 ずっとハイテンションで書いているから、気が抜けてしまうというのもありますが、読んだ方の反応が気になって気になって……というのもあります。なにしろ、そこでしか作品の出来不出来がわかりませんから。
 楽しんでもらえたかなぁ、いい作品だったかなぁ、ドキドキ……ありきたりだなぁ、って思われなかったかしら。いや、スタンダードといえばもう、これ以上ないくらいスタンダードな作品なんだけれど。それはわかっているのだけれど、それでも楽しんでもらえるような、そんな作品だったかしら、ドキドキドキ……。
 まあ、幸い、けっこう楽しんでいただけたようなので、ほっと一安心しているところなのですが。

 推敲作業が終われば、いよいよその作品は独り立ちです。私の手の届かないところへ出かけていってしまいます。それが嬉しいような、淋しいような……。
 これは、書き手にしかわからない感情かもしれませんね。(苦笑)

 連載と同時に読んで感想をくださった皆様。本当にありがとうございました。読み終わってから感想や疑問をくださった方たちも、本当にありがとう! おかげ様で充実した推敲ができました。推敲が充実している、というのもおかしな言い方かもしれませんが。
 もう一頑張り、書き上がった作品を世に送り出す努力をしたら、いよいよ次の作品に取りかかりますね。うーん。つぎの作品のタイトルは何にしようー……。
 頭の中ではすでにあの子たちがまた大暴れしている状態です。(笑)

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修正報告・6

 「フルート3」最後まで推敲が完了。
 あちこち細かく手を入れましたが、その中でも割と大きな修正を行ったのが、43章「大広間」、46章「大藻海」。43章の方は加筆、46章は逆に場面を削りました。エピローグの63章と64章にも、ちょこちょこと文章を補足してあります。
 以上をもって「フルート3」は脱稿。完成です。とは言え、この後も誤字脱字、その他気になるところが見つかる可能性は高いので、その都度、小さな修正はあると思いますが。インターネットの良いところでもあり、悪いところでもありますね。修正が簡単にできてしまうから、いつまでたっても完成稿になりにくいのです。(苦笑)

 ところで、初めて全体を通して読み直しての、作者自身の感想はこうでした。

 ……よく書いたなぁ!

 それから、もうひとつの感想がこれ。

 早く続きが書きたいー!!(爆)

 私立図書館のページ改訂と「フルート」のPDFファイル化がすんだら、「フルート4」に取りかかろうと思います。


 

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修正報告・5

 「フルート3」第7~9部の推敲完了。
 このあたりにくると、だいぶ細かいことまで覚えているな。メールとゼンのどつき漫才は、改めて読み直してもやっぱり面白い。またやろうっと。(笑)

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2006年4月 7日 (金)

修正報告・4

 ふぅ。「フルート3」第3部~6部の推敲完了。
 しかし、文章を直しながらだと、やっぱり第三者的には読めませんね。純粋には楽しめない。推敲したら、しばらくほったらかしにして、忘れた頃に読まないと駄目なのね、きっと。
 さて、そろそろ子どものお迎えの時間だわ。いってきま~す。

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2006年4月 6日 (木)

修正報告・3

 「フルート3」第1部、第2部の推敲が終了。
 このあたり、書いてからすでに2か月以上経っていたし、ほとんど読み返すこともなかったから、我ながら新鮮な気持ちで読んでしまいました。
 うーむ。しかし、フルートって頭いいわよねぇ。ずばずば謎を解いていくんだもん。(笑)

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