竜の溜息・5「歴史の話」
今日は福島市内で勉強会でした。
外出の前に、投稿イラストギャラリーとインデックスのランダムイラストに、くらげさんの「竜子帝」を追加しました。ランダムイラストも全部で29枚になったので、なかなか「竜子帝」に巡り会えないかもしれないですけどね。
来週の土曜日には、外伝を公開する予定です。
この先には物語の内容に関する重要な記述があるので、まだ本編を読んでいない方はご注意ください。
前作「ヒムカシの国」と今回の「竜の棲む国」を書くに当たって、歴史苦手だった私が歴史を調べ直しました。
一番役に立ったのは、今中学2年生の息子の歴史資料集。私たちが学生だった頃に比べると、写真やイラストは抱負だし、色は綺麗だし、同時期に日本と世界でなにが起きていたかが一目瞭然で、抜群にわかりやすいです。「ちょっと、歴史の資料集を借りるよ~」と本棚からしょっちゅう拝借していました。(笑)
「フルート」の世界は、我々の世界で言えば13~14世紀あたりを考えています。中世時代です。
同じ時代、中国は何の時代だったのかな? と調べました。
……あの、ですから、私は歴史がものすごく苦手だったんです。全然覚えてない。
へぇ、チンギス・ハンが興した元の時代。日本は鎌倉時代。元寇と戦った、あの時代かぁ。
ところが、資料集を読んでいたら、あれっ? と思いました。馬による戦法を得意とする元寇を防ぐために、日本では海岸に高い石塁を築いた、と書いてあります。馬による戦法?
もちろん、元は本来騎馬民族だから、馬による戦いは得意でしょう。でも、元寇って、船に乗って日本海を渡って日本まで攻めてきたはず。ってことは――馬も船に乗せて攻めてきたの?
あちこち調べてみました。
どうやら、本当に元は馬も船に乗せてきたらしいです。はぁ~、本当に騎馬民族なのね。とすると、飼い葉も船に積んでこなくちゃいけなかったはずだし、馬はけっこう餌を食べるから、その輸送のために船もたくさん必要だっただろうなぁ。結局、元寇は日本にやってきた台風に大打撃を受けて本国へ戻っていくわけですが、その背景には、人だけでなく、馬も養いきれなくなったから(つまり、補給線が途絶えたから)というのも、あるのかもしれません。
そのあたりがとても面白かったので、いっそユラサイを騎馬民族の国家にしようか、とも考えました。
でも、そうなると、神竜との契約で守られ続けている国家、という設定が使えなくなるし、「竜の棲む国」ではなく「馬の棲む国」になりそうだったので、残念ながらあきらめました。
実際には、考えたことのほんの一部しか物語には書けないのですが、それでも、実際の歴史と照らし合わせながら、「フルートの世界ではどんなふうになるかな?」と想像するのは、とても楽しい作業でした。
この興味関心が学生時代に芽生えていたら、さぞ私は社会科好きになったんでしょうけどねぇ。モウオソイ。(笑)
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