赤いドワーフ戦記補録・2「扉絵」
さて、裏話の2つ目は目次ページに使った扉絵の話です。
でも、その前にいつものお断りを。
この先には物語の内容に関する重要な記述があるので、まだ本編を読んでいない方はご注意ください。
さあ、これでよし。(笑)
まずはこのイラストからご覧いただきましょう。
今回は、扉絵にドワーフのランプを使いたいと思っていました。ところが、探し回っても思うようなイラストが見つからなかったので、モノの絵が得意なさゆたさんにまたお願いして、最初に描いてもらったのがこの絵でした。ランプ一号。(笑)
すっごく素敵ですよねぇ。これも使いたいところでした。
でも、なんとなく、さゆたさんの作品にしては抑えぎみな気がして (私が「不気味イメージのないドワーフのランプを」とお願いしていたものだから)、「もっと他のランプも描いてみませんか?」と悪魔のささやきをしました。
……ああ、さゆたさん、お気の毒に。こんな作者に見込まれてしまったばかりに、この後何枚もイラストを描き直す羽目になります。(苦笑)
私からドワーフのランプのイメージを聞き出して、次にさゆたさんが送ってくれたのが、このランプ二号。
おおっ、これはなかなか。画面処理も私の好きなアールヌーボー風。
でも、アホな朝倉はランプの先端の丸いのを、月かな? 光の球かな? と考えて質問してしまいました。今よく見れば、月以外の何に見えるんだ、と思うのですが。夏の暑さで頭ぼけてたのかな~。
そうしたら、背景を黒い夜景バージョンにしたランプ三号が届きました。
ぐっと雰囲気がしまりました。
さゆたさんからは、先のランプ二号を切り抜いて、別の背景の絵の前に配置したものなのだ、と教えられました。
背景だけを交換する! いや、これはびっくりでした。一種のコロンブスの卵ですね。
「リクエストがあれば別の背景にも作業しますよ」というさゆたさんのことばに甘えて、私が出したイメージは――
「ランプ、月はそのまま。
その背景に、シルエットで、列を作って歩くドワーフたち……
っての、できますか?
月が彼らの足下に影を落としていてかまいません。
てか、そのほうが良い気がする。
でも、これ書くと、ホントに「11」のネタがばれるので
これ以上は書きません。」
本当にねぇ、こんなのでイラスト描かされちゃうんですから、さゆたさんも災難でした。
それでも仕上げてくれるさゆたさんはすごいです。届いたランプ四号がこのイラスト。
ランプと月は同じでも、背景で本当に絵の雰囲気が変わるものだと痛感しました。
ここまで来たら欲張りついで、と画像処理ソフトで左端にいるドワーフを反転させて、左へ進行しているように修正させてもらいました。オープニングの、北の峰からジタン目ざして旅立つドワーフ移住団の雰囲気を出したかったからです。そうしてようやく完成したのが、扉絵に実際に使用したランプ五号のイラストでした。
当初、ランプは単純に彼らの旅路を照らすものというイメージで、ランプそのものにあまり意味はありませんでした。
でも、ここまで力を入れて描いてもらうと、ランプにも思い入れが湧いてきます。かくて62章で坑道の奥に山積みされる魔金を照らすランプとして登場し……読んだ人はご存じの通りの展開になったわけです。(笑)
さゆたさん、本当にありがとうございました。おかげさまでイメージ通りの(イメージ以上の)素敵な扉絵を使うことができました。
多謝!
| 固定リンク
コメント
ほほほっ(*^m^)
ランプがいっぱいですわ~。
あらためて見るとこんなに、送りつけてたのね(爆)。
あのランプ、取り外しがきくので
天井にぶら下げたり、床に置いたりできます・・・。
なんて、考えながら描いてましたよん。
ランプの傘の色はいろいろあってね、とか
う~~~、趣味だ(爆)。
背景は本当に大事なんです。
<バカ
で、一番失敗しやすい・・・・。
ごまかすのは得意だぁーー(≧m≦) まかせて
投稿: さゆた | 2008年10月27日 (月) 15時00分
いや、本当にもう。
さゆたさんのお住まいの方には足向けて寝られないくらいです。
これが仕事ならともかく、
まったく無報酬の、個人のサイトのために
ここまでつき合わされちゃうんですものね……。
>背景は本当に大事なんです。
これは、本当にそうなんだなぁ、と実感してました。
上に並んだイラストを見ただけでも、
背景が違うだけでがらりと雰囲気が違うのがわかりますものね。
でも、せっかく描いたイラストを「切り抜く」という大胆な発想には
驚き桃の木山椒の木――でした。ホントに。
投稿: 朝倉玲 | 2008年10月27日 (月) 15時22分
すご~い。
まさか切り抜きだとは思わなかったです。
背景が違うだけで、雰囲気変わりますね~。
・・・私は背景が描けない人なので、
いつも色で誤魔化してますが(^^;
投稿: くらげ | 2008年10月28日 (火) 20時39分