仮面の裏側・1「仮面」
人気投票は続行中ですが、ここらで「9・仮面の盗賊団」の裏話を始めようと思います。今回はネタが割と多いので、早くしないと後がつかえてしまうものですから。(笑)
今回の裏話は、題して「仮面の裏側」。ちょっと洒落てみました。その1回目は、そのものずばり、仮面の話です。
これ以降に、物語の重要な部分に関する記述があります。ご注意ください。
左のイラストは、今回の「9」の目次に使われたものです。「9」を読んでいた方には、もうすっかりおなじみになっていたと思います。連載を始める前、仮面の適当なカットがどうしても見つからなくて、モノを描くのが得意なさゆたさんにお願いして描いてもらいました。
でも、実は、これにはもう一枚、黒バージョンがあったのです。
そもそも、最初の設定では、盗賊団の仮面は全部黒になる予定だったのです。そう、首領の仮面も。
さゆたさんには、こんな風にメールでお願いしていました。
「欲しいのは、本当に「仮面」だけの絵です。人はいりません。形は、顔の上半分をおおって下半分(口や顎)は見えるスタイル。両目がのぞくマスクです。色は黒。その片側(たぶん向かって右側)に血が流れたように見える線模様が入っている――というのが設定です。盗賊団が使うモノなので、あまり貴族趣味なマスクはイメージに合わないかもしれません。これ以外の部分は、さゆたさんにお任せします。」
翌日に届いたのが、上の白い仮面のイラストでした。色は違いましたが、それがイメージをかき立ててくれました。黒い仮面の盗賊団。でも、その上に君臨する首領の仮面だけは、乾いた骨のような白い色。流れる血を思わせる紅い模様がいっそう引き立って見える……。いいわいいわ、すごく不気味な感じがするもの!
さゆたさんとしては、イラスト上の効果として白い仮面に描いてくれたのですが、こういうわけで、本当に首領の仮面は白になってしまいました。
ちなみに、その翌日には、さゆたさんは黒バージョンの仮面のイラストも送ってくれました。それがこれです。
やはり白い仮面に軍配が上がりました。(笑)
作者の想像力をかき立ててくれるイラストがもらえたとき、物語はいっそう飛躍します。金の石の精霊しかり、くらげさんのユギル少年しかり。
「フルート」は読者の皆様と一緒に作り上げている作品だなぁ、とすごく思います。
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コメント
勝手に白くしてしまったんですが
スイマセン。
イメージしたのはアジア系の仮面。
でも、目のところは能面なですけどね(笑)。
描きつつ『でも、朝倉さんはきっと’オペラ座の怪人”のイメージだよねぇ』
と思い、二枚目を急きょ描き送りました。
朝倉さんも、おっしゃってますが
やっぱり、一枚目のほうが迫力が違うので
あれで良かったのだと思いまするが。
年末の頃に、くたびれてまして、

逃避行するには、もってこいのお題でした
いやたのし
投稿: さゆた | 2008年4月10日 (木) 05時26分
>描きつつ『でも、朝倉さんはきっと’オペラ座の怪人”のイメージだよねぇ』と思い
そう。
今回の物語のタイトルを公開したとき、
「きっと、そういうイメージを持たれるんだろうな」と考えていました。
「仮面」にだって、いろいろな種類があるはずなんだけれど、
どうも「オペラ座の怪人」の大ブレイクの影響か、
「仮面=高貴」のイメージが強くなっていて。
あ、いえ、「オペラ座の怪人」自体は大好きなんですけどね、私。
あるいは、仮面の騎士団みたいな、
正体を隠して悪党のふりをしている貴族戦士たちみたいなイメージだったり。
物語を読めばおわかりの通り、
仮面の盗賊団は全然高貴じゃありません。
むしろ、その逆。
なにしろ根っからの盗賊たちだから。
頭もあんまりよくないし。(笑)
だから、あまり貴族趣味な仮面ではそぐわなかったのです。
まあ、その中でも首領の白い仮面だけは、ちょっと独特な存在でしたが。
あれだけはね、ちょっぴり高貴。
なにしろ貴族の屋敷にあった仮面だから。
さゆたさんの白い仮面のイラストは、
その微妙なところを、非常にいい線で突いた作品でした。
投稿: 朝倉玲 | 2008年4月10日 (木) 08時25分