コメントの話
夜になって窓から吹き込む風がひんやりしてきました。日中は日差しも強くて暑かったのですが、朝晩はめっきり気温が下がって、虫の声に秋を感じている朝倉です。
さて、今日は第12部を書き始めていました。中盤のクライマックスなので、アクションシーンが中心です。王女を連れて脱出するフルートたちは? 身代わりになって敵を惹きつけているゼンたちは? さあ、いったいどうなる? という場面。動きのあるシーンを書くのは好きなので、とても楽しいです。
そういえば、第11部で出した、ザカラス城の秘密通路。あれは、もしかしたら頭の中に、さゆたさんがコメントに書いていた「忍者屋敷」が残っていて、出てきた場面かもしれないですねぇ。先に自分で思いついていたのか、書かれて思いついたのか、今となってはもうよくわからないんですが、でも、影響を受けたことだけは確かですね。古い城だし、暗殺集団をたくさん抱えているようなお国柄だから、こういうからくり屋敷的な城も作られて当然という気がします。
こんなふうに、いただいたコメントが作品に(良い)影響を及ぼしたり、登場人物の台詞などに出てきたり、ということは、けっこう頻繁に起こっています。
上のように発想を広げてくれることもあるし、逆に、作者が気がつかなかったことを気づかせてくれることもあります。
たとえば、今回の前半部のハイライトだったフルートの女装。(笑) 私は作者だから、フルートの気持ちの方に同化して、なんということもなく開き直らせてしまったけれど、コメントで「とても恥ずかしがる侍女」というフルートを想像していた、と書かれて、「あっ、そうか」と気がついた次第。
そうですよねぇ、そういう反応をすることを期待するのが普通ですよねぇ。だけど、作者は、書いている最中には案外そういう「当たり前な見方」ができなくなっています。そんなときに、読者からのコメントは、作品を客観視するのに本当に役に立ちます。
そうよそうよ、「照れる」とか「恥ずかしがる」とか、そういうリアクションを期待する方が自然なんだからー。
というわけで、次の回で、そのあたりのことを突っ込ませました。まあ、話しているのがゼンとフルートなので、会話としては喧嘩口調になりましたけどね。(笑)
作者のまったく予想していない反応をもらうことも多々あります。「え、このキャラがこんなに受けますか!?」と驚くこともしばしば。前作に登場した牛男タウルや、魔獣使いのランジュールなんかは、その一番の例です。もともと作者も気に入っていたけど、読者からも人気が出て、出番が増えたキャラもいるし。もちろん、これはユギルのことです。ああ、オリバンもそうかも。(爆)
逆に、こちらが予想したようなリアクションが「来ない」場合もあります。
こ~れは~……怖いっ!!!(爆)
「反応がないという反応」は作者としては、一番怖いです。本当に。
外したか?
それとも、作者が予想していないような効果を生んでいるのか?
あるいは……?
内心冷や汗をかきながら、もう一度書いたものを読み返すことになります。
実は、今回公開した第11部もそう。で、そうやって読み返して、「あれ、もしかして」と気がついたことが一つ。いや、そのせいでコメントが少ないってわけではないんでしょうけれど、作者があまり意図していなかったことが出てきているのに気がついて、あらら、と。ま、これはまた今後のところでふれることにします。
って、何のことやらさっぱりわからないですね。すみません。(苦笑)
まあ、でも、こんなふうにコメントからもらったヒントやアイディアが物語に織り込まれたり、読者の感想が作品を客観しさせたり、読者から反応の良いキャラクターが目立っていったり、ということができるのは、書いた作品をすぐ公開できて、リアクションがすぐにもらえるオンライン小説ならではの良さだなぁ、と感じます。他の発表手段では、ここまでスピーディに大勢から感想をもらえることはないですからね。勉強になるし、意欲はわくし、本当にありがたいです。
「フルート」はすでに8作目になりました。始まりの物語や外伝を入れれば、ちょうど20作です。本当にずいぶん書きました。
これだけたくさんの作品を、長い間、これだけの情熱を持って書き続けていられるのも、やっぱりリアルタイムで反応をもらえているおかげです。インターネット様々。読者様様々。ありがたやありがたや。
こんなふうにして、これからも、皆様から感想やコメントをもらいながら、楽しく書き続け、楽しく読み続けてもらえたらいいな~、とつくづく思います。
それにしても、いい時代になったものですね。
本当に、そう思います。(笑)
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