« 「フルート6」裏話・1 | トップページ | 「フルート6」裏話・3 »

2007年3月25日 (日)

「フルート6」裏話・2

 引き続き、ゼンに関する裏話も。
 先の「人気投票」のコメントの中でも触れましたが、今回のゼンは全体としておとなしめな活躍ぶりでした。
 いつもなら、フルートが危なくなると、すぐに駆けつけて助ける役なのだけれど、今回はそれは皇太子の方にほとんどお任せ。私の頭の中でも、ゼンに何をさせようという予定もありませんでした。――オリバンとメールが仲良くしているのを見てやきもきする、ということ以外は。(爆)

 でも、「6」を読んだ皆様は、きっと言ってくださるでしょう。
「出番は少なかったかもしれないけど、ゼンにもけっこういい場面やかっこいい場面があったんじゃない?」
 はい、作者もそう思います。たまに前面に出てきたと思うと、かなりいいことを言っていく。「まずは食え」のドワーフの教えとか。
 これ……すべて予想外でした。はい、本当に全然予定になかった場面やセリフです。弱ったフルートをかばいながらユギル相手にどなるあのシーンも、メールを担いで洞窟に入っていくシーンも、最後にフルートに向かって「一緒に行くぞ!」と言い切るシーンも。すべて――その寸前まで、まったく予定にない場面ばかりでした。書いているうちに、あるいは次の場面を考えている最中に、唐突に、でもごく自然に浮かんできたんです。
 これを私は「キャラクターの暴走」と呼んでいるのですが、今回の作品でランジュールに劣らず暴走していたのは、実はゼンだったのですねぇ。
 ホントに、なんなんでしょ、この子たちは。キャラクターの方が作者を動かすんですよ。「俺はこうしたいから、こう書け!」という感じでした。
 ゼンは、本当にフルートを親友として大事に想っているんですね。
 自分が考えたキャラクターのはずなのに、書きながら、しみじみとそんなことを感じてしまっていました。(笑)

|

« 「フルート6」裏話・1 | トップページ | 「フルート6」裏話・3 »

コメント

>「出番は少なかったかもしれないけど、ゼンにもけっこういい場面やかっこいい場面があったんじゃない?」

私もそう思います。
ゼンかっこよかったよ~!!
どんな敵にも大人にも臆することなく言いたいことをバーンと言ってのける&やってのける行動派のゼンが大好きです。
ゼンには勇気&元気をいっぱいもらった。ありがとう!!
私の身の回りにもゼンのような存在がいてほしいです。

投稿: アヒルのしっぽ | 2007年3月26日 (月) 14時33分

>どんな敵にも大人にも臆することなく言いたいことをバーンと言ってのける&やってのける行動派のゼンが大好きです。

ゼンの信条ですねー。それがゼンそのもの。
行動派っていうのがぴったりです。

あれこれ黙って思いめぐらす、おとなしいフルートと、何でも思ったことは口に出さないではいられない、行動派のゼン。
物語の前半部をリードしてくれるのは、いつもゼンです。(笑)
ところが、物語の中盤あたりから、じわじわとフルートが頭角を現し始めて、気がつくと、いつの間にかフルートが物語の中心に来ている。

書いているうちに気がついた「フルート」のパターンです。(爆)

投稿: 朝倉玲 | 2007年3月26日 (月) 15時36分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「フルート6」裏話・2:

« 「フルート6」裏話・1 | トップページ | 「フルート6」裏話・3 »