「フルート6」裏話・2
引き続き、ゼンに関する裏話も。
先の「人気投票」のコメントの中でも触れましたが、今回のゼンは全体としておとなしめな活躍ぶりでした。
いつもなら、フルートが危なくなると、すぐに駆けつけて助ける役なのだけれど、今回はそれは皇太子の方にほとんどお任せ。私の頭の中でも、ゼンに何をさせようという予定もありませんでした。――オリバンとメールが仲良くしているのを見てやきもきする、ということ以外は。(爆)
でも、「6」を読んだ皆様は、きっと言ってくださるでしょう。
「出番は少なかったかもしれないけど、ゼンにもけっこういい場面やかっこいい場面があったんじゃない?」
はい、作者もそう思います。たまに前面に出てきたと思うと、かなりいいことを言っていく。「まずは食え」のドワーフの教えとか。
これ……すべて予想外でした。はい、本当に全然予定になかった場面やセリフです。弱ったフルートをかばいながらユギル相手にどなるあのシーンも、メールを担いで洞窟に入っていくシーンも、最後にフルートに向かって「一緒に行くぞ!」と言い切るシーンも。すべて――その寸前まで、まったく予定にない場面ばかりでした。書いているうちに、あるいは次の場面を考えている最中に、唐突に、でもごく自然に浮かんできたんです。
これを私は「キャラクターの暴走」と呼んでいるのですが、今回の作品でランジュールに劣らず暴走していたのは、実はゼンだったのですねぇ。
ホントに、なんなんでしょ、この子たちは。キャラクターの方が作者を動かすんですよ。「俺はこうしたいから、こう書け!」という感じでした。
ゼンは、本当にフルートを親友として大事に想っているんですね。
自分が考えたキャラクターのはずなのに、書きながら、しみじみとそんなことを感じてしまっていました。(笑)
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コメント
>「出番は少なかったかもしれないけど、ゼンにもけっこういい場面やかっこいい場面があったんじゃない?」
私もそう思います。
ゼンかっこよかったよ~!!
どんな敵にも大人にも臆することなく言いたいことをバーンと言ってのける&やってのける行動派のゼンが大好きです。
ゼンには勇気&元気をいっぱいもらった。ありがとう!!
私の身の回りにもゼンのような存在がいてほしいです。
投稿: アヒルのしっぽ | 2007年3月26日 (月) 14時33分
>どんな敵にも大人にも臆することなく言いたいことをバーンと言ってのける&やってのける行動派のゼンが大好きです。
ゼンの信条ですねー。それがゼンそのもの。
行動派っていうのがぴったりです。
あれこれ黙って思いめぐらす、おとなしいフルートと、何でも思ったことは口に出さないではいられない、行動派のゼン。
物語の前半部をリードしてくれるのは、いつもゼンです。(笑)
ところが、物語の中盤あたりから、じわじわとフルートが頭角を現し始めて、気がつくと、いつの間にかフルートが物語の中心に来ている。
書いているうちに気がついた「フルート」のパターンです。(爆)
投稿: 朝倉玲 | 2007年3月26日 (月) 15時36分