映画制作と似ている部分
ときどき思うのだけれど、私の小説の書き方は映画の作り方に似ているような気がする。私の作品は自他共に認める「視覚的作品」だから、なおさらそう感じるのだろうけれど。
私はもともと漫画から作品を作り始めた人間だから、登場人物のキャラクター像は外見も性格もかなりはっきりしているし、セリフも非常に多い。場面もかなり映像的に進行するから漫画的、と言いたいところだけれど、実際には動きが出てくるから、やっぱり漫画よりは映画に近いのだろうと思う。アニメかな? とも思うけれど、それにしてはちょっと描写が詳しすぎるから、やっぱり映画だろうなぁ。
映画は様々なシーンを撮り溜めていって、それをつないでストーリーを作り上げていく。私の作品の作り方も同じ。アクションの場面、会話の場面、叙情的な場面、思わず笑ってしまうようなコミカルな場面……様々なシーンをつないでいって、ひとつの物語に編み上げていく。もちろん、その流れの中でのダイナミズムとか、そういうものも考えていくけれど。
そこの登場人物たちは、言ってみれば、映画の俳優さん女優さん。いや、「フルート」の場合は、ほとんどが子役か。それと動物。(笑) ちなみに、実際に映画を撮る場合には、「子役」と「動物」を扱う作品が一番苦労するのだそうだ。こちらの思い通りになんて動いてくれないから。確かにそうかも。(しみじみ)
そして、私は監督兼カメラマン。舞台演出や美術担当もしている。創り上げた舞台に役者たちをおいて、カメラを向けて「はい、アクション!」。あとは彼らの言うことする事をつぶさに描写していくのが役目。
ときどき「はい、そのへんで派手に戦って!」とか「もうちょっと叙情的に」とか「そろそろラブロマンス行ってみようかー」なんて声をかけてはいるけれど、なにぶん相手は元気いっぱいなお子ちゃまたちだから、しょっちゅう言うこと聞かずに勝手に飛び回ってくれる。「ちょっと待て! なんでこうなる!?」と悲鳴を上げるものの、そうして収録された場面を見てみると、いかにも彼ららしくて、私が予定していた場面より良かったりするものだから、「まぁいいか。こっちを使おう」なんてことにもなる。(笑)
で、映画には必ず編集作業というのが行われる。ひとつの作品ができあがるまで、何度も何度も編集が繰り返される。
たぶん、小説で言えば、これは推敲作業に当たるんだろうと思う。全体を読み返してみて、おかしなところはないか、もっと適当なことばや描写がないか、ときには、もっと大きな視点から場面を考えることになったりする。物語が進行するにつれて、全体の流れの中で不必要な場面が見えてきたりもする。そういう場合には、思い切って書き替えるということも出てくる。
今も「上陸編」を書き終えて推敲作業をしているけれど、ついでに最初からざっと目を通して、エルフとのやりとりの部分がもたついているのが気になってしまった。当時も、書きながら「なかなか北の大地にたどりつかない~!」と密かにのたうっていたのだけれど、読み返してみると、やっぱりそこが目につく。世界設定とか、いろいろ頭の中で考えていたのだけれど、考えたこと全部を書こうとすると、やっぱりストーリーの流れを悪くしてしまうんだなぁ……。これはやっぱり考えなくちゃいけないわね。うむ。いつの時期になるかわからないけれど、「要編集マーク」をポン!
本当は、編集の必要もないくらい、きちんと推敲まで終えて公開するべきなのはわかっているのだけれど。でも、自分一人ではわからないこともたくさんあるから……。
このペンスタンドに書き込んでくれる常連さんたちは、いわば制作中の映画の「試写会」に参加しているモニターさん。完全にできあがった作品ではないハンディはあるものの、そのぶん、作品をいち早く読めるし、制作にある程度の影響力を持てる特典もある。人気投票で強力にプッシュしたお気に入りキャラは、その後の作品で目立つようになるかもしれないし。(笑)
「フルート5」は、いよいよ物語の中盤に突入。これからはますます盛り上がっていく予定。エンディングまではまだ相当あるけれど、そこを目ざして、思いっきり楽しめる作品を作っていきたいなぁ、と考えています。
やっぱり私は書くのが好き。何があっても、やっぱり大好き。
独りよがりな楽しみじゃなく、みんなと一緒に楽しめる、そんな作品が書けることを夢に見ながら……
今日も書く、明日も書く、またその次の日も書く。
誰にも私を止めることはできません。(笑)
……以上、久しぶりに、もの書き100%の内容を語ってみました。(笑)
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