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2006年3月26日 (日)

映画「ナルニア国物語」・2

 なんで「2」がつくかと言うと、ひとりごとブログで同じタイトルの記事をすでに書いたから。あっちは真面目に作品の構成やテーマについて論じたので、こっちではもうちょっとミーハーなネタを書きたいと。
 ネタバレありますんで、ご注意下さいね~。(笑)


 いや~、ホントに面白かったです。予想以上に楽しめました。
 「そっと、ひとりごと」にも書いたけれど、作り方がすごくうまいんです。随所にはらはらする場面が織り込まれているから、観ていて飽きることがない。それがまた、わかりやすい場面なんですな~。凍った川でオオカミたちに追いつめられるシーンにしても、白い魔女の軍とアスラン軍の対決シーンにしても。オープニングがいきなり空爆シーンで始まったのにはぎょっとしたけど、それだけに映画にリアリティが出て良かったです。
 ちなみに、女王軍との決戦で長男ピーターがアスラン軍に出した最初の作戦は、グリフィンたち空飛ぶ生き物たちに岩を運ばせて敵軍に落とす、というもの。きっと、自分たちがロンドンで空爆を受けていたことを思い出して立てた作戦だったんだろうなー。原作には全然ないシーンなんだけど、こういうところに物語としてのふくらみを感じました。
 テーマ性という点では、やはり、原作の持つ本当のテーマを薄めたせいで、ちょっと浅くなっている感はいなめなかったけれど、それを補って余りある迫力満点の映像だったから、許します。(爆) 「兄弟愛」という大きなテーマもあったし。

 私的にもうひとつ目を引かれていたのは、長男ピーターが自分のもらった剣で戦うことを逡巡する過程。もともと平和主義な少年のようだし(弟のエドマンドがいくら生意気なことを言っても、絶対手は出さない)、自分たちが戦争で恐ろしい目に遭ってきているってのも、戦うことをためらう気持ちにつながっているんだろうと思います。何度も戦うことを迫られて、そのたびに戦うことから逃げるんだけれど、森の中で妹たちを守るために初めてオオカミを剣で貫いて、戦場ではアスラン軍の大将として命令を下すようになり(でも、なかなか命令を出さないから、味方の兵が『おい、大丈夫か?』って顔をするところが、またいい)、弟エドマンドを救うためには白い魔女と火花を散らすような一騎打ちを始める。その過程がねー……たまらなく良かったです。
 この映画、末っ子のルーシーもすごく重要な役回りをしているし、演技もものすごくうまかったけれど、メインはやっぱりこのピーターとエドマンドの二人だったと思います。兄に反発していたエドマンドが、裏切り、後悔を経て、兄を信頼していくようになる心理と、ピーターがエドマンドに怒り、裏切った弟をなかなか許しきれないでいたのを、戦いを通じて弟を見直して、自分の大事な兄弟だと改めて痛感する心理。いやー、少年同士の友情や愛情(いや、変な意味じゃなくて!)が大好きな私には、ホント、たまらなかったです。(笑)

 それにしても、隣でひとりごとを言いながら本気になって観ていた小学生くんが良かったなぁ。いや、映画の最中に声が聞こえてくるってのは本当はタブーなんだけど、その気持ちがね、こっちの気持ちとシンクロしたものだから。アスラン軍には架空の動物や生き物がどっさり混ざっているのだけど、それは、RPG慣れした子どもたちにはおなじみのモンスターやキャラクターなわけで、それを見て「わおーっ!」って反応をしているのを聞いて、思わずこっちも「うんうん」と心でうなずいていたりして……。(笑) これはこれで、なかなか楽しめました。

 んー、でも、本当に、この映画の中で戦っているピーターは、私が書いているフルートを彷彿とさせるものがありましたね。あの子がこの場面にいたら、やっぱり同じようなことをしたかも、なんて思ったし。……って、世界の名作「ナルニア」と自分の作品を引き比べるだなんて、不遜だなぁ。(笑)
 直接の影響は出てこないと思うけれど、間接的にはなにかしら作品に反映されてくるような予感がしています。映画からいい刺激を受けて、「よーし、また書くぞー!」という気分になったのでした。

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