2009年10月16日 (金)

平原綾香「マイ・クラシックス!」

My_cla

 昨日の新聞の芸能欄に、平原綾香さんのインタビュー記事が載っていました。
 彼女がクラシックの名曲に日本語の歌詞をつけて歌ったアルバム、「マイ・クラシックス!」のことを語っています。

 実は、このアルバム、私は9月初めに買いました。もう1カ月以上になるのだけれど、ほとんど毎日、繰り返し聴いているのに、まだ飽きません。平原さんのこれまでのアルバムも、かなり長期間聴き続けられたのですが、この「マイ・クラシックス!」はその中でもダントツです。彼女の歌唱力に加えて、クラシックの名曲そのものが持つ力というものが大きいのだろうなぁ、と思います。
 あの「ジュピター」も、去年大ヒットしたドラマ「風のガーデン」の主題歌「ノクターン」も、元々はクラシックで、どちらもこのアルバムに収録されています。浅田真央ちゃんが今回のGPのショートプログラムで使う「仮面舞踏会」も入っています。テレビのニュースでこの曲に合わせて滑る真央ちゃんを見るたびに、とびきり嬉しい気持ちになります。クラシックというと、とっつきにくいと考える人も多いけれど、実際にはとても身近で親しみのあるものがたくさんあるのですよね。

 インタビューによると、平原さんはずっとこういうアルバムを作りたかったのだとか。それも、できれば全6作のシリーズ化にしたいのだそうです。略して「マイクラ・ワン」「マイクラ・トゥー」……「マイクラ・シックス」。マイ・クラシックス!?(笑)

 ダジャレも楽しいけれど、なにより、本当にシリーズで出てほしいアルバムです。
 平原さん、がんばってくださいね~。
 楽しみです♪


 ☆平原綾香 「マイ・クラシックス!」(アマゾン内のページに飛びます)
 

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2008年12月19日 (金)

【追悼】福田和禾子さん

 さっき、テレビをつけたら、NHKで今年10月に亡くなった福田和禾子(ふくだわかこ)さんの追悼番組をやっていました。
 福田和禾子と言っても誰のことかわからないかもしれませんね。あの「おかあさんといっしょ」や「みんなのうた」で有名な歌をたくさん作った作曲家です。私は、おさむお兄さん(坂田おさむさん)のブログでそのことを知っていたので、ああ、この方が、と思って番組を見ました。
 参考にwikiのページのリンクを載せておきます。知っている曲、いっぱいありませんか?
  ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%94%B0%E5%92%8C%E7%A6%BE%E5%AD%90


 番組の中で、福田さんの息子さん(もう立派な大人の方です)が「毎晩、子守歌のように夜遅くまでピアノの音が聞こえていました。母は作曲が好きで好きでたまらなかったんじゃないでしょうか」と話してらっしゃいました。
 親が子どもの頃に覚えた歌を、親になって我が子に歌って上げられるような、長く歌われる歌を、一曲でも作りたい、と福田さん自身はおっしゃっていたそうです。
 本当に、そうなっているなぁ、と福田さんが作った歌のラインナップを見て思います。

 歌のお姉さんだった、つのだりょうこさんがインタビューに答えて、「福田先生は、おかあさんといっしょのスタッフ全員から頼りにされていて、まるで、おかあさんといっしょの『おかあさん』みたいな人でした」と話していたのが、すごく印象に残りました。


 作曲家は、よほどのことがなければ表舞台には登場しません。ただ曲のタイトルのところに、作曲者として名前が出るだけです。
 それでも、良い曲を作りたくて、それをみんなに残してあげたくて、最後まで曲を作り続けたのですね。
 素敵な人生だなぁ、とすごく思います。そんな人だったからこそ、こんなに素敵な曲をたくさん作れたのですね。

 福田さん、すばらしい曲の数々を本当にありがとうございます。
 あなたの歌を歌う子どもたちや大人たちの声を、これからもずっと、天国で聞き続けてくださいね。

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2008年12月15日 (月)

平原綾香「パス・オブ・インディペンデンス」

 平原綾香の最新アルバム「パス・オブ・インディペンデンス」を、毎日繰り返し聴いています。
 すごくいいですよ~!!!

 タイトルを訳すると「自立の道」とか「ひとりだちの道」となります。
 大学を卒業して、いよいよプロとして自立を始めたあーやちゃんの、独立宣言の歌、という意味も含まれているのでしょうね。いろいろなドラマやCMなどのテーマソングも多く含まれているけれど、どれも本当に良い曲だし、静かな曲でも、聴いているうちにいつのまにか前を向く気持ちになれます。

 一番注目する曲は、やっぱりドラマ「風のガーデン」の主題歌の「ノクターン」でしょうか。あーやちゃん自身もドラマに出演して歌っていますが。その劇中歌「カンパニュラの恋」も収録されています。
 スペースシャトル「エンデバー」に乗り込んだ宇宙飛行士、土井隆雄さんのウエイクアップコール曲だった「星つむぎの歌」も良いです。映画「マリと子犬の物語」のテーマ曲だった「今、風の中で」も。「朱音 あかね」も「To be free」も。

 でも、私が一番気に入ったのは、フジテレビ「モタスポS」のテーマ曲だという「一番星」。このアルバムの中で、この曲だけがあーやちゃんの作詞・作曲です。
 だから気に入ったというわけではなく、聴いていて、いいな、と思って調べてみたらそうだった、ということなのですが、なるほどなー、と思いました。私、もともとあーやちゃんが作った曲が好きなんですね。「エターナリー」とか「Re:pepper」とか「虹の予感」……ああ、「私を呼んで」もそうだわ。
 全体的にしっとり系の曲が多い中で、「一番星」だけはアップテンポ調です。失恋の歌かもしれない。でも、なんとなく本当に前向きな気持ちになるんですね。やっぱり、パス・オブ・インディペンデンス――ひとりだちして、本物のプロとして歩き出したあーやちゃんの気持ちが表れているのかもしれないです。

 今年の紅白にもあーやちゃんは出場します。
 何を歌うのかな~。「ノクターン」かしら? それともやっぱりあの「ジュピター」? それとも……?
 今からとても楽しみにしています。


平原綾香「パス・オブ・インディペンデンス」
  (試聴もできます)   

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2008年9月 7日 (日)

FTVジュニアオーケストラ定期演奏会

 FTVジュニアオーケストラの第35回定期演奏会というのを聴きに行ってきました。

 FTVというのは福島県の地方テレビ局の名前です。そこの開局10周年を記念して結成されたオーケストラで、今年で35年目。団員は県内各地からオーディションで専攻された、小学校4年生から高校3年生までの90人です……とプログラムには書いてあります。(笑)
 実は、私はここの演奏を聴きに行くのは生まれて初めて。テレビでよく演奏会のCMをしているので存在は知っていたのですが、知り合いのお嬢さんが出演するというので、今回初めて行ってみた、というわけです。

 ジュニアオーケストラとしてはけっこうレベルが高いと聞いていたし、プログラムにも「日本有数のジュニアオーケストラ」と紹介されていましたが、いざ演奏が始まったら、びっくり仰天。音楽に素人の私が聴いても、はっきりわかりました。レベル、むちゃくちゃ高いです!
 音、綺麗で伸びがある! ハーモニー、ばっちり! リズム、のりのり! しかも迫力満点! ……いやぁ、ジュニアだからといって侮ってはいけないですね。その辺の中途半端な大人のオーケストラよりうまいのでは、と思いました。 

 いや、もちろんジュニアの演奏ですから、それらしいところは時々ありました。音が伸びきらない瞬間があった、とか、元気が良すぎて心持ち速くなってきたかな? とか。(でも、指揮者がそれを抑えずに、むしろいい感じに発展させていたようですが)
 だけど、それを補って余りある、すばらしい演奏でした。
 なんと言っても、伸びやかで素直。そしてスピードと力があります。若々しい元気さにあふれているし、とても華やかだし。ジュニアがここまで迫力のある演奏をできるなんてなぁ、と、もう感心のし通しでした。
 一致団結したハーモニーも見事でした。これは知り合いから聞いていたのですが、今年はいわき市と福島市の二カ所で定期演奏会を開くので、団員は夏休み返上で猛練習したのだそうです。演奏している姿は本当に「一生懸命」の一言で、なんだか、ひたむきに野球のボールを追いかける甲子園球児たちを連想させました。純粋に何かに取り組む若者たちの姿は美しいです。

 演奏会は、ハイドンの組曲「水上の音楽」(ハーティ編)、チャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形」、ブラームスの「交響曲第1番ハ短調」という曲目でした。どの曲も、華やかな演奏で締めくくられる曲で、彼らの良さを存分に発揮していたようです。
 実に2時間近い演奏会でしたが、終わってから客席からの拍手は鳴りやまず、3曲もアンコールしてくれました。それもスピード感と迫力のある曲ばかり。アンコールだというので、団員も指揮者ものりのりで、とても楽しい演奏を聴かせてくれました。
 さらに演奏会が終わって外に出ようとすると、エントランスホールで団員の子どもたち(高校生ですね)がカルテットの演奏で送ってくれるというサービスぶり。これがまた本当に上手で、演奏が終わるまで大勢が立ち止まって聴き惚れていました。

 結婚してからコンサートを聴きに行くこともままならなくなって、クラシックからもずいぶん遠ざかっていたのですが、久しぶりに聴いた演奏が予想以上にすばらしくて、すっかり堪能してしまいました。いやぁ、本当に満足です。
 FTVジュニアオーケストラの皆さん、これからも一生懸命練習して、すばらしい演奏を聴かせてくださいね~。


FTVジュニアオーケストラの第35回定期演奏会
   平成20年9月7日(日)  福島市音楽堂大ホール
   指揮: 田中一嘉 氏
   

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2008年7月31日 (木)

おさむお兄さん

 おさむお兄さんこと坂田おさむさんをご存じの方は、どのくらいいるかしら?
 今年大学に入学した長男がまだ幼児だった頃に、NHKの「おかあさんといっしょ」で歌のお兄さんをしていた方です。歌のお姉さんだったゆう子お姉さんや、落語家の古今亭志ん輔たちと、とても楽しい番組を作っていて、その路線は次の健太郎お兄さん、あゆみお姉さんにも引き継がれました。
 おさむお兄さんは北海道旭川出身のシンガーソングライター。とても若く見える方で、てっきり独身のお兄さんだと思っていたら、実は娘さんがいるパパだったと最後の頃にわかってびっくり仰天。自分が作った歌を番組の中でいくつも発表していたけれど、どれも心の温まる歌で、私は大好きでした。「どんないろがすき」とか「虹のむこうに」とか。

 あれからもう十数年たってしまったけれど、今でも私はやっぱりこの人が好き。あ、loveという意味ではありませんよ、もちろん。(笑) 人間性に惹かれる、という意味です。
 決して派手なことは言わないんです。歌だって、どちらかというと一見平凡。歌詞だって、聴いてすぐに「うわ~! 感動~!」なんて感じのものではない。
 ところが、おさむお兄さんの歌を口ずさんでみると、ものすごく歌いやすい。そして、何でもなく見える歌詞が、とても深くて優しいことを言っていて、聴いているうちに、とん、と心の中に落ちてきます。自然体、と言うのでしょうかね。決して押しつけがましくないのに、とても大切なことを教えてくれている気がします。


 最近、ちょっぴり心がくたびれていた時に、おさむお兄さんのことをふと思い出しました。
 あの歌が聴きたいな、あの頃聞いたことばをもう一度聞きたいな。そんなことを思って検索したら、ちゃんとありました。おさむお兄さんのオフィシャルサイト! やっぱりあの頃からずっとおさむお兄さんを好きな人たちはいたんですね。すっかり嬉しくなりました。で――サイトを見に行くうちに、元気も出ました。(笑)

 サイトのトップページに、おさむお兄さんの一言コメントがいくつも出てくるんですが、その中の二つだけ、ここに転載させてもらいましょう。こういうのです。

「真面目だったり正直だったりを馬鹿にする人が言う言葉は聞きやすいけど心に残らないよね。」

「あせらないで!たまには自分を休ませてあげましょう!そう!自分にもご褒美あげてね!」

 ね、いいでしょう?(笑)


 本当は自分だけで楽しんでいたかったサイトだけれど、きっとおさむお兄さんのことばや歌で元気づけられる人は他にもいると思うから、ここでご紹介しておきます。良かったらご覧になってください。

http://www.osamu-world.com/


 大切なことは派手に目立つことはなくても、いつもそこにあるんだと思います。
 そういうことを忘れずに、投げ出さずに、守り続けていきたいな、と私も思います。

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2007年3月31日 (土)

平原綾香「しあわせ」

 「しあわせ」は平原綾香さんのニューアルバム「そら」に入っている曲です。作詞 松井五郎、作曲 A. Gagnoon、編曲 島 健。 「ボイジャーズ」や「クリスマスリスト」といった華やかな曲や、心癒す数々の曲の中でも、特に静かで小さな作品です。
 でも、私はこのアルバムの中で、たぶん、この曲が一番気に入っています。伝えてくるものが今の私の心情にぴったり来ているから。
 歌詞を載せられないのが残念ですが、人と共に生きるということを謳う歌です。共に生きるって素晴らしい! と讃えるのでもなく、一緒に生きようよ! と呼びかけるのでもなく、ただ静かに語りかけるように、自分の内側にある気持ちをとつとつと語るように、静かに歌います。なかなか伝わらない人への想い。迷いながら、惑いながら、人の前で立ちすくむ気持ちを感じさせながら、それでも、「どこかではなく いつかでもない いまここにいることが 答えと信じて」と。

 人と関わる、ということは、そういうものじゃないかなぁ、と最近とても思います。
 想い通じてほしい相手がそこにいる。それは、恋愛とかそういうことに限らず、いろいろな場面、いろいろな理由で、気持ちをわかってほしい、と思う人。でも、なかなか思うようには伝わっていかない。自分の非力をかみしめながら、もうやめようかと悲しく投げやりになりながらも、「でも」と踏みとどまって、その人を見つめてしまう。
 本当は大好きな人。本当は力になって上げたいと思っている人。そばにいるよ、と言ってあげたいのに、その気持ちがなかなか伝わっていかない人。そういう人を前に、立ちすくんでとまどってしまっている自分。
 だけど、そういうふうにその人を想いながら、たどたどしく関わっていること自体が、本当に、もう「答え」なのかもしれません。

 たぶん、人とかかわっていくことに、「正解」は存在しない。
 友達の間であっても、親子の間であっても、夫婦でも――これが正解、これが一番いい、というやり方は存在しなくて、いつも、相手をわかりきれない苦しみを味わいながらも、「一緒にいる」そのことで続いていく。
 それでいいんじゃないかな、と思います。

 人生を四十年以上も生きてくれば、人生の先に華々しい成功や誰もが納得するような素晴らしい幸せが待つわけじゃないのはわかってしまいます。
 人生はおとぎ話のように、「そして主人公は幸せになりました。めでたしめでたし。」で終わるようなものではなく、なんとなく、ずうっと、死ぬまで続いていくもので。その中には喜びも悲しみも苦しみも、まるで大小の石や宝石のようにちりばめられていて。
 その中を歩きながら、誰かと共にいたい、と願うこと、そのことが幸せの本当の姿なのかも、しれません。


平原綾香「そら」
  試聴もできますが、残念ながら「しあわせ」は聴けないようです。 

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2007年1月31日 (水)

平原綾香ニューアルバム「そら」

 出ました! 届きました! 平原綾香さんのニューアルバム「そら」!
 予約注文したのは先月半ばのこと。発売日は今日。待ちかねました。発売日にちゃんと届けてくれたアマゾンさん、えらい!(爆)

 青くて綺麗なアルバムジャケット。青空模様のチュチュ風衣装を着たあーやちゃんが、バレリーナのように足を曲げて踊っています。いいなぁ、軽やかな感じ。
 とるものもとりあえず、とにかくプレーヤーに。あまり先入観なく聴きたかったので、わざと収録曲は確認しないで。
 すると、流れてきたのは……

 わぁい、「ボイジャーズ」だぁっ!!!

 マキシシングルで買って、何度も何度も聴いていました。そうかー、これをトップの曲に収録したんだー。
 シングルと同じバージョンだけれど、いいものはいい! マキシシングルだとすぐにCDが終わっちゃうのが不満だったけれど、アルバムならいろいろ聴いて長く楽しめるからいいなー。
 あ、あ、8曲目には「クリスマス・リスト」も入ってた! これもマキシシングルで持っているけど、なんだか嬉しいなー。この曲に関する感想は、ペンスタンドの方に書いたっけ。……でも、ちょいと恥ずかしい内容なので、読みたい人はがんばって自分で探して読んでください。(笑)

 あーやちゃんの歌は、声も素晴らしいけれど、歌詞がまた良くて、ことばひとつひとつをかみしめるように聴くと、じーんと来てしまう。
 まだ届いて間もないので、歌詞を吟味して聴く段階まで来ていないけれど、それでも2曲目の「Wall」とアルバムタイトル曲の「そら」には、しみじみと……いいなぁ、と。
 特に「Wall」は、好きなものに囲まれて守られていた(壁の中の)場所から、苦しいと知りながらも飛び立とうとしていく歌で――あはは。やっぱりこの手の歌には、すごく感動してしまうのだなぁ。年甲斐もなく。(爆)

 これ以外の曲では、9曲目の「シチリアーナ」も、ものすごく気に入りました。これはもともとはクラシック曲。切ないメロディに切ない歌詞がよく合っています。

 私が買ったのは初回限定版なので、最後にボーナストラックが入っています。コンサートのライブ録音だという「Come on my house」。これがねー、また、すっごくいいです。ジャズ風? アルバム全体の雰囲気とはがらり違った歌い方のあーやちゃんが素敵です。

 CDケースには「平原綾香コンサートツアー2007~そら~」のチケット先行予約のお知らせも入っていました。
 コンサートの予定地と日程がずらり。わー、そうかー。あーやちゃんはいよいよ音大を卒業するんだものねー。本格的にプロとしての活動を始めるんだー。
 ここから一番近いコンサート会場は仙台なのだけれど、さすがに午後6時開演というのは、子どもがいる主婦にはちときつい……。おとなしく、CDを聴いて堪能することにします。(苦笑)

 これ以外にも、聴いていて感想が出てきたら、また書くことにしましょう。
 とりあえず、今日は興奮と感動の第一印象をアップしまーす!(笑)


平原綾香 「そら」


p.s.
 ボーナストラックの「Come on my house」。やっぱりラストであーやちゃんは、「Come on my Budoukan」と歌ってますね。どうやら、武道館でのコンサートライブのようで。(笑)
   

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2007年1月14日 (日)

宙船(そらふね)・2―「いじめ」を考える―

 今、これを書きながらBGMに「宙船」を聴いている。TOKIOのではなく、作詞作曲者の中島みゆきが歌っている方。
 この歌については、以前ここで、いじめを受けている子へのエールがこめられた曲だと書いた。何度聴いても、やっぱりそのメッセージはびんびんと伝わってくる。紅白でTOKIOの歌う「宙船」も聴いたけれど、語りかける力というか、メッセージ性の強さという点では、みゆきさん自身が歌っているこちらの方が格段に上だった。歌い手の年齢的なものも関係しているのかもしれない。

 私は発達障害児の親の会にも所属している。ご存知のとおり、次男がADHDという発達障害の診断を受けているから。先週の木曜日に支部例会があったが、障害児はいじめの対象になりやすいだけあって、その会合の場でも「いじめ」の話題が盛り上がった。
 今の子どもたちは命の尊さを知らない。親や大人たちから命の大切さを教えられてきていない。他人の気持ちや痛みを思いやることができない。自分の命も簡単に絶ってしまう。人に死に直面する経験がほとんどないからだ。年寄りと同居していればそういう経験も持てるけれど、核家族となると……。
 話題は尽きない。話は次第に熱を帯びる。
 でも、私は心の中で小さく首をひねっていた。それは確かにそのとおりだと思う。いじめはいけない。人の命の尊さは知らなくてはならない。それを教えるのは大人の役目だとも思う。だけど。
 どの意見も、どこかで聞いたことのある、誰か別の人が言っていたことのような気がしてならないのだ。それを言っていたのは、身近にいる「誰か」ではない。テレビやラジオで、「これが正しいんですよ」と立派なことを言っている「専門家たち」の、わかったような顔が浮かんできた。

 人の死に直面すれば、人は誰でも他者の命を大事にするようになるのだろうか? それならば、戦争を経験し、襲撃を受けた人たちは、もう二度と戦争を起こさないことになる。
 いじめはいけない、それは間違っている、と教えることは大切だ。だけど、それさえ聞かせ続ければ、子どもたちはいじめをしなくなるんだろうか? 
 いじめられている子に死ぬのはいけない、と言うことはできる。でも、その代わりに、その子に救いの手は差し伸べられているだろうか?
 なんだか、どれもこれも綺麗事で、表面的で浅い気がする。違う。それだけじゃ足りない。心のどこかから、直感がそう語りかけてきた。

 いじめる子たちは、何故いじめるのだろう?
 いじめは良くない。だけど、そうわかっているのに、そう聞いているのに、何故あの子たちはいじめるのだろう?
 それは、人の心に他者をいじめて楽しむ気持ちがあるから。そもそも、最初にそれがあるから。――まず、そこからスタートしなくては、その先には進まないんじゃないだろうか?

 私は人間が好きで、人の善意というものも信じているものだから、「朝倉さんは性善説ですね」などと時々言われてしまうのだけれど、でも、人は100%性善ではない、とも実は思っている。人はそんなに正しい生き物じゃない。それほど立派なものでもない。
 弱いもの、異質なもの、奇妙で変わったものを見ると、本能的にいじめたり迫害したりしたくなる。そういう残酷な一面を持った生き物が「人間」なんだと私は思っている。
 子どもたちはまだ幼くて、その本質が素直だから、性善な面も残酷な面も、そのまま、ありのままに外に出てくる。だから、彼らは異質なものを見つけると、即座に気がついていじめたくなる――んじゃないだろうか。あいつ変だな、おかしいな、ちょっとこっち来るなよ、あっち行けよ。俺たちと、あたしたちと違うじゃない。わけわかんないこと言うんじゃないよ。うざいな、近寄るな。きもいんだよ。そんなことばを使いながら。
 それが「人間」の持つ、どうしようもなく悲しい一面なのだと、まずそこからスタートする必要があるんじゃないだろうか。
 人は異質なものを恐れる。自分と違うもの、理解しにくいものを拒絶しようとする。それは本能的な反応。
 だけど、見方を変えれば。もう少し理解の幅を広げてみれば、変だと思っていたヤツも、実はそう変でもなかった、とわかるかもしれない。ただ弱いだけ、少し苦手があるだけで、やっぱり自分と同じ人間だった、とわかるようになって、受け入れられるようになるかもしれない。
 そこを子どもたちに教えるのが、大人たちなんだろうと私は思う。
 いじめる気持ちそのものを、持ってはいけない、感じることも誤ったことだと否定してかかったら、子どもたちの本当の心には、近づいていけないんじゃないだろうか。
 そもそも、それを教える我々大人自身、そんなに心正しい存在だろうか? 誰のことも、疎ましがったり、傷つけたりしないでいられるほど、性善そのものの人間だろうか? ……違うよね。

 そして、もうひとつ、大事なことを忘れちゃいけない、とも思っている。
 それは、いじめる側の子どもたちに、心を受け止めてもらった経験を持たせること。
 今の子たちは……と言うならば、私はこんな風に聞いてみたい。「今の子たちは、自分の気持ちを大人から充分受け止めてもらった経験があるんだろうか? 自分たちが言いたいこと、伝えたいことを、大人に充分聞いてもらった経験があるんだろうか?」
 自分が大切にされた経験がない子たちは、他人を大切にすることができない。できるわけがない。自分自身が大切にされていないのだもの。
 障害ある子を持っていると、大なり小なり、いじめとは無縁ではいられない。次男だって、小さないじめには何度も遭っている。でも、その時、いじめた側の子どもたちを見てみると、その子たちの中には必ず、自分の家庭の中で居場所を見つけられないでいる子どもたちがいた。それも複数。
 本当は自分こそが大事にされたいのに。自分を大切にしてほしいのに。守ってほしいのに。でも、周囲の大人たちはそんな自分の気持ちをわかってはくれない。そんな想いを胸に抱いた子どもたちが、自分より弱い子どもたちに目をつけて、いじめを始める――そして、それに周囲の子たちが便乗していじめが広がっていく――そんな構図が見えている。
 自分が大切にされていない子たちに、他人を大切にしろ、と言っても彼らの心には届かない。その子自身が大切にされること。大人から、親から、本当の意味で受け入れられること。それしかきっと、解決方法はないんだろう。
 今、子どもたちの社会に広がっているいじめの問題は、まさしく大人の問題なのだと私は思う。
 大人たちが子どもたちの心に向き合って来なかった「つけ」が、今、大規模な「いじめ」という社会問題になって吹き出しているんだろう、と。

 今からだって、遅くはない。今、この瞬間からだって、絶対に遅すぎるなんてことはない。
 子どもの話すことに、口をはさまずに、まず聞いてあげること。子どもに話をしてもらえる大人になっていくこと。本当のいじめ対策は、そこから始まるんじゃないだろうか。
 子どもが大人を信頼して話すようになったなら、いじめられている子だって、なんらかのメッセージを大人に送るようになる。それに気づける大人にならなくちゃいけないと思う。子どもに見限られて、子どもから相談してもらえなくて、子どもたちに死なれてしまう――そんなふうにならないように。 

 障害ある我が子がいじめられるんじゃないか、と親の会のメンバーたちは心配していた。
 だけど、我が子が親にしっかり話をする子であれば、きっと手遅れになる前にそれを親に伝えてくれる。そして、みんなは子どもがSOSを出したときに、そのままほったらかしには絶対にしない。子どもを守るために動き出す。だから、大丈夫。たとえいじめられたって、きっと大丈夫だよ。私はみんなにそんなふうに話した。

 いじめの問題の根は深い。いじめるな、と教えたくらいで、人の死ぬ様子を見せたくらいで、解決していくほど簡単なものじゃない。
 大切なのは人と人、心と心が向き合う経験なんだろうと思う。自分が受け止められている、と子どもが実感できる、そんな関係を子どもと築いていくことなんだろうと思う。長い長い時間がかかることなんだろうと。
 忙しく過ぎていく日々。人の生活は確かに豊かで便利になっているけれど。
 大事なことは、大昔から変わることなく続いている。一番大切なことは、きっと、とてもとても基本的なこと。
 人は人とつながり合わなければ生きてはいけない生き物。
 そのために、人を理解する。受け入れる。
 大切なことは、いつだって、とても単純なんだと私は思う。

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2006年12月 5日 (火)

「宙船(そらふね)」

 「宙船(そらふね)」 作詞作曲・中島みゆき 歌・TOKIO
 日本テレビ系ドラマ「マイ★ボス マイ★ヒーロー」主題歌。オリコン初登場1位獲得曲。11月30日発表第48回日本レコード大賞で作詩賞を受賞。
 でも、例によって私は、巷で大ヒットしている歌だとまったく知らずに、この歌と出会った。

 中島みゆきの最新アルバムが去る11月22日に発売になった。 タイトルは『ララバイSINGER』。
 私と旦那は大の中島みゆきファン。私は発売情報を知らずにいたけれど、旦那が車のラジオで耳にして、CDを買ってきた。その日は日曜日。さっそくプレーヤーに入れて1曲、2曲と聞いていって、3曲目になったとたん、同じ部屋にいた兄ちゃんが言い出した。
「これ、この前カラオケにいったとき、友だちが歌った歌だ」
 さらに昇平までが言う。
「この歌、この前の学校集会で放送で流れたよ」
 え? みゆきさんの歌が? 対象年齢層が違わないかい?
 不思議に思ってネットで検索してみたら、冒頭のような情報がわかった、という、相変わらずなんとも世情に疎い私なのだけれど。(苦笑)

 他の曲も聴いたけれど、この「宙船」が飛び抜けてメッセージ性を強く感じる。歌声も力強い。いかにもみゆきさんらしい曲と歌詞だと思いながら何度も繰り返し聴いていた。

  その船を漕いでいけ
  おまえの手で漕いでいけ
  おまえが消えて喜ぶ者に
  おまえのオールをまかせるな

 この歌詞が歌の中で何度も何度も繰り返される。力を込めて。想いを込めて。
 そのうちに、あ、と気がついた。
 これは、いじめを受けている子どもたちへのメッセージの歌だ――。

 なるほど、作詞賞を受賞するだけのことはある。みゆきさんらしい、力強いエールがひしひしと伝わってくる。
 負けるな、負けるな。いじめてくるような奴らに君の人生を譲り渡すな。
 君は本当は宙(そら)も飛べる船なのだから。
 歌詞はこの通りではない。でも、そう歌っているのがよくわかる。

 大晦日の紅白歌合戦にはTOKIOも出場するらしい。曲はもちろん、この「宙船」だろう。
 どこで誰が歌った歌でもいいと思う。
 TOKIOの歌でも、みゆきさんの歌でも、友だちのカラオケでも、どこかの会場で流れていたBGMでも。
 この歌が届けばいいと思う。ぎりぎりの場所で、理不尽ないじめを受けながらも必死で自分を守ろうとしている子どもたちに。

 負けるな、負けるな。君は宙(そら)も飛べる船。
 君の人生は君のもの。他人の心を傷つけて喜ぶような奴らの思いのままになんて、なってやるな。
 君の人生を、君自身の力と足で生きてやれ――。

 「宙船」の歌を聴きながら、いつの間にか私も心の中でそう歌っていた。


☆中島みゆき「ララバイSINGER」
 (みゆきさんの「宙船」の試聴もできます)
 

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2005年7月20日 (水)

「オペラ座の怪人」

先日、MUSIC BATTON に答えたのをきっかけに、久しぶりでロンドン版の「オペラ座の怪人」を聴いています。
これは、私の妹がイギリス留学土産に買ってきたサントラテープからダビングしたもの。「オペラ座の怪人」がロンドンで初公演されて大人気になったばかりの頃のものです。もう20年近く昔のだ~。(^_^;) でも、あまり激しい聴き方をしなかったので、今でもなんとか大丈夫です。
テープはもちろん完全英語版なので、何が起きているのかさっぱりわからなかったのだけれど、でも、とにかく歌がよい。何度も何度も聴いているうちに、やがて劇団四季で「オペラ座の怪人」を上演するということになったので、東京まで観に行きました。
正直、ロンドン版を聴き込んでいた私には、歌としては物足りなかったです。しかたないのです。ミュージカル「オペラ座の怪人」は主要なセリフも歌で歌われることが多い。そうすると、英語の歌詞と日本語の歌詞では、同じ曲の中に収められる音数が全然違う。英語の方がたくさん内容を「歌える」んです。日本語の音とメロディラインが合わないのも、翻訳物だけに、どうしようもないし。
でも、それを補ってもあまりあるほど感動したのは、やはり「日本語」だったから。今まで想像を働かせるしかなかったストーリーが、日本語で歌って演じてもらうと一発でわかる。当たり前なんだけど、自分はやっぱり日本人だなぁ、とつくづく思いました。
以来、ロンドン版を聴いても、同時に四季で聴いた日本語の歌詞も浮かんできて、場面がよく理解できるようになりました。しかも、音的にはメロディにあった英語の音で聴けるわけで・・・いやぁ~、やっぱり良いですわぁ~!
このテープを聴くのも十年ぶりくらいなんだけど、今でもしっかり感動してしまいます。
まもなく、「オペラ座の怪人」のDVD(ビデオもかな?)が発売されるようだし、これはやっぱり観てみなくちゃなぁ~と思っています。映画なので、歌的には期待しすぎない方がよいと聞かされていますが、ロンドン版から四季版のときに一度ギャップを経験しているから、大丈夫かもしれません。

それにしても・・・四季で観たファントムは素敵だったんですよ~。市村正親さんでね。って、私、この方の大ファンなんです。(笑) 「エレファントマン」も良かった。映画のファントムは若くて、表情豊かとか? これはこれで楽しみです。
MUSIC BATTON に答えたおかげで、久しぶりに再燃した「オペラ座の怪人」熱。映画版も人気になっていたから、ちょうどいい時期だったのかも。
良い作品は、何十年たっても良いってことなんでしょうね♪

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