2010年2月15日 (月)

次世代ゲームを考える

 「ねえ、最近、ゲーム界もなんとなくマンネリ気味だよね」
 昨夜、旦那とそんな話になった。

 日本で初めて本格的に売れた家庭用アクションゲームは「スーパーマリオブラザーズ」。1985年のこと。以来、毎年膨大な数と内容のゲームソフトが開発・販売されてきた。指折り数えれば、今年でも25年。四半世紀たつのだもの、そろそろゲームの世界もネタが出尽くしてきて当然だよねぇ。
 グラフィックが素晴らしくなったり、通信対戦ができたり、実際の時間経過に沿ってゲームが進行したり、ポータブル化したり。それぞれにいろいろな工夫と進化は遂げているけれど、それでももう、強烈なインパクトを持つゲームは出ていないもんね。
 ねえ、次世代のゲームが出るとしたら、どういうものになると思う?

 「やっぱりハード面での進歩が必要だろう。3Dじゃないか」

 と旦那。ああ、なるほど。3Dね。
 3D映画「アバター」は、今劇場で史上最高の興業記録を更新中。3Dテレビもこの春から販売が始まるという。うん。確かに次は3Dテレビを使ったゲームかもしれないね。

 「昔あっただろう。テレビに向かって剣の形のコントローラーを持って動くと、ゲームの中の敵が倒せるゲーム。あんな感じのが3Dで出ると思うぞ」

 リアルな体験型ゲームになっていくわけね。うん、絶対にありそう。今だって、Wiiはコントローラーの動きでゲームキャラクターが動くんだから、それがよりリアルになるわけね。
 そういえば、人の動きを読み込んでCG化する、特殊なカメラもあったよね。あれと連動させれば、プレーヤーの動きをそのままそっくり、ゲーム画面に再現できるようになるよね。その時に、いろいろな恰好や装備を選べたり、買ったりできれば、自分の分身であるオリジナルキャラが3Dテレビの中で創れるんじゃない? つまり、自分のアバターをゲームに登場させられるのよ。今だってアバターを使うゲームはあるけど、3Dを使えば、本当に臨場感あふれるゲームになるよね。

 「今もWiiでは『遊ぶときには周りに注意してください』って言うけど、こうなると、本当に『怪我や損壊に気をつけて遊んでください』になるな」

 そうだねぇ。今よりずっと広い場所が必要になりそう。(笑) でも、体を使って遊ぶことになるから、運動不足解消にはいいかもね。
 あ、思いついた。これ、家庭用テレビで実現していく前に、きっとアーケード版で先行すると思うよ。3Dテレビや特殊な装置とかが家庭に普及するには時間がかかるけど、ゲーセンなら、専用のゲーム機を導入すればいいだけなんだから。スペースだってとれるしね。

 「そういや、この前行ったゲーセンにもあったよな。ガンダムの頭部の形をしたポッドに入ってプレイするヤツ。ああいうのか」

 そうそう。ゲーム機の中にプレーヤーが入って、特殊なメガネをつけてプレイすると、その動きが3Dで再現されるわけよ。で、カードに自分のアバター情報を登録していくの。私がこんなに簡単に思いついたくらいだから、もうゲーム業界ではこの路線で動き出していると思うよ。今頃絶対に開発が始まってると思う。3Dの体験型ゲーム。アーケードで流行って、家庭用3Dテレビが普及した頃に、家庭にも3Dゲームが入り込むようになるんだよ、きっと。

 「なんかますます現実とバーチャルの区別がつかなくなっていきそうだな」

 と旦那が苦笑いした。まあね、私もそれではたしてどうなっていくのかな、とは思うけれど。
 ゲームの世界がよりリアルに、現実のものに近くなっていったとき、人はその世界をどんなふうに受け止めるようになるんだろうね? そばに実在すること。伸ばした手を本当に握り会えること。そういう現実の体験が、よりリアルな仮想疑似体験に置き換わっていって。そして?
 でも、そんな不安や心配をよそに、やっぱりゲーム界はそっちへ動いていくんだろうな。だって、マンネリ化と不況で行き詰まっている今の状況を、なんとか打開しなくちゃいけないわけだから。

 次世代ゲームを考える話は、なんとなく不安も感じながら終わった。
 ゲームも楽しみ、本当の人と人との関わりも楽しめたら、なにも心配なんかいらないんだけどね。
 本当に、どうなっていくんだろうなぁ――。


☆「3Dテレビ本番間近」 ―Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100214-00000032-san-ent

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2009年11月29日 (日)

モーニング・グローリー(追記あり)

 昨夜は旦那と一緒に「モーニング・グローリー」という巨大雲の番組を観ました。
 NHKの「ワンダー×ワンダー」と民放の「世界・ふしぎ発見」で取り上げて、連続した時間帯で放映したのが、また面白かったです。映像の美しさで迫る「ワンダー」と、その雲のでき方や雲に魅せられた人たちにスポットを当て、実際にリポーターが雲の上へ飛ぶ「ふしぎ」。それぞれにアプローチが違っていて、2時間の特番を観たような、お得な気分になれました。


 さて、モーニング・グローリーというのは、オーストラリアのバークタウンという場所だけで、毎年9~10月の限られた時期に発生する、特殊な雲のことです。
 二つの海風がぶつかり合うことで、全長数百キロにも及ぶ長い雲の帯ができるのですが、高速映像にしてみると、その雲がまるで長いローラーを回転させているように回っているのが、はっきりとわかります。雲の前方と後方で激しい上昇気流と下降気流が起きているので、それが町の上空を通り過ぎていくと、地上は暗くなって激しい風が吹き荒れます。

 でも、上空から見たモーニング・グローリーは、まるで綿の塊! ゲストも言っていたのですが、乗ったら、ふんわり受け止められて気持ち良いのでは? と思うような眺めでした。上昇気流に乗って雲のサーフィンをするために、多くのセスナ乗りがその町に集まってくるのだそうです。
 私はアニメ「ラピュタ」を思い出しながら観ていました。モーニング・グローリーは横一直線の雲だけれど、あれを激しい渦の形にしたら、きっと「竜の巣」です。動力(プロペラ)も回さないのに、気流に乗って飛び続けるセスナ。密度の濃い質感のある雲の塊。うーん、本当にラピュタ! 映像を観ながら、しばし空の上の気分を味わいました。

 世界には、不思議な現象が本当にいろいろあるものですね。


【追記】
 NHK「ワンダー×ワンダー」の動画を見つけました。
 こちらでモーニング・グローリーが見られます。
   ↓
http://www.youtube.com/user/NHKonline?gl=JP&hl=ja

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2009年11月23日 (月)

テレビドラマ「JIN―仁―」

 テレビドラマ「JIN―仁―」が面白いです。

 現代の東京から開国直前の江戸時代にタイムスリップしてしまった脳外科医の南方仁。薬も現代の医療器具もない江戸で、彼は最新の医療知識を発揮して江戸時代の人々の治療を始め、坂本龍馬などの時の風雲児たちと関わるようになっていく……。

 というのが概要。
 主人公はあり合わせの道具で脳外科手術をやってしまったり、ミカンの青カビからペニシリンを作り出してしまったりします。――と書くと、絵空事のようですが、それを「本当にやってしまう」かのように、とてもリアルに描いているところが面白い作品です。


 原作は同名の漫画で、作者は村上もとかさん。
 実は私も旦那もこの作品の大ファンで、ずっと読み続けています。コミックスのほうは、今、いよいよ坂本龍馬が暗殺される歴史的な時期に差しかかろうとしています。どうなるんだろう? 南方仁は龍馬を助けられるんだろうか? はらはら。

 この作品がテレビドラマ化されると聞いて、旦那と二人「え~、大丈夫なんだろうか?」と心配したのですが、脚本がまたうまくて、原作とちょっと違う設定も織り込みながら、非常に面白く「見せて」くれます。
 昨日は蘭学者の緒方洪庵が、主人公から未来から来た人間であることを聞き出して、病のために亡くなっていく場面。緒方洪庵は武田鉄矢でした。いやもう、見せる見せる。すばらしい。物語としてはわかっている部分なのに、じーんとしながら魅入ってしまいました。
 ドラマのほうは1クールだとしてあと2回? 3回? でも、面白いし、人気も出ているようだから、きっと続編もやりますね。
 今楽しみなテレビドラマです。
 

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2009年1月 3日 (土)

正月テレビ番組を楽しむ ~特に「タビうた」のこと~

 普段めったにテレビを見ない私も、年末年始くらいは「若干」テレビを見る機会が増えます。
 普通の家庭ではどのくらい見ているのかな~。その平均時間にはとても及ばないだろうと思いますが。


 紅白は最初を見逃し、途中お風呂にはいるために見逃し。ピンポイントでしか見られなかった気がしますが、一番のお目当てだった平原綾香の「ノクターン」が聴けたので、私としては満足です。アルバム「パス・オブ・インディペンデンス」の歌より、もっと力強い声と歌い方で、これもいいなぁ~と思いながら聴いていました。
 正直、平原さんはテレビなどよりCDで聴く方がいいな、と思っていたのですが、今年はそうではありませんでした。去年までの紅白は、一生懸命歌っているのは感じるのだけれど、それ以上の深みがなくて、「さすがに紅白で歌うと緊張するのかな?」と考えていたのですが、今年は、観客席との呼応というんでしょうか、堂々と歌い上げていて感動的でした。学生だった去年までと違って、プロになった平原綾香の姿を見て聴いた、という印象です。

 元日は、フジテレビの「新春かくし芸大会」で、羞恥心の中国語の「桃太郎」と、「イケメン新体操」をピンポイントで。
 羞恥心はね~。この人たちが本当はすごく頭が良いってのを知ってるから驚かなかったですが、新体操の方は感動でしたね。あれ、本物ですもの。イケメンなんてタイトル取り払っても、充分見応えあったです。パチパチパチ。心から拍手!


 2日の深夜に思いがけず見て楽しんだのはNHKの「タビうた」でした。
 なんと平原綾香と岩崎宏美、実力派女性歌手の長崎二人旅です。

 オープニングは教会の中で二人が歌う「聖母たちのララバイ」。それぞれに歌い方がまったく違うのに、本当に綺麗なハーモニーで、うわぁ~、なんて贅沢なデュエットだぁ、と感動しながら聴きました。
 平原綾香は紅白でも見ていたけれど、岩崎宏美はものすごく久しぶり。でも、声がまったく衰えていないどころか、歌い方に大人らしい深みが出ていて、これまた感動でした。昔は歌が上手なアイドル歌手という感じだったけど、今は人生を歌える立派な女性歌手なんですねぇ。昔懐かし「思秋期」を歌ったときに、それをすごく感じました。

 途中、平原さんがお父さんの通った幼稚園を訪問して、園長先生と話した場面では思わず涙。101才でまだ現役というおばあちゃん園長先生です。その話しぶりがしっかりしていることにも、一つ一つのことばの重みにも、ただただもう……。
「人の痛みや苦しみ。人の心がわかる人になっていってね。それが人間として何より大切なことですよ」
 嬉し涙を浮かべながら繰り返す園長先生に、平原さんと一緒に、私もなにか大事なものをもらった気がしました。園長先生、これからもずっとずっとお元気でいてくださいね。

 長崎の名所を背景にした映像はものすごく綺麗だし、ところどころスナップ風に組み込まれた写真家MOTOKOさんの写真は暖かかったし、50分の番組全体、どこをとっても本当に素敵でした。
 もう~。もっと具体的にいろいろ書きたかったのに、いざ記事にしてみたら「素敵」ってことばしか出てこないのが悔しいわ。(笑)

  番組の締めは、平原さんと岩崎さんのデュエットによる「Jupiter」。平原さんが主旋律と低音部、岩崎さんが高音部。この二人、ホントに初対面? どこでこんなに合わせる練習をしたの? そう考えてしまうくらい、とにかく見事なハーモニーで、最後の最後まで堪能させてもらいました。
 こういう贅沢な番組って、やっぱりNHKでなければ作れないでしょうねぇ。


 人より少ないテレビ時間。
 行き当たりばったり、虫食いのようにあちこちしか見ていませんが、それでもいい番組、いい場面を楽しんでいるな、と思います。
 

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2008年8月 9日 (土)

北京オリンピック開会式

 昨夜はテレビで北京オリンピックの開会式を見ました。同様に見ていた方は多かったと思いますが。
 いやぁ……圧巻でしたね! 広いステージを絵巻物になぞらえながら、テクノロジーを駆使して映像を映し出したと思うと、千人を超す人間を使って絵を描くように模様を作ったり。
 活版印刷の活字が動いて波打ったり、文字を浮き出させたりしたのには感心。どうやってるんだ~!? と思ったら、最後に中から人が出てきたのには笑ってしまいましたが。でも、改めて考えると、やっぱりすごい。どうやってあれだけの動きをやっていたんだろう? あの活字の中に入っていたら、外の様子も何もまったくわからないはずなのに。
 とにかく、スケールの大きさとパワーに圧倒された開会式でした。中国の歴史と国民の底力を見せつけられたというか……。もちろん、それを狙った中国の演出だったのはわかるのですが、それにしても感心させられました。


 開会式の後は、各国の選手の入場行進を見ました。
 残念ながら日本のところは見逃したのですが、204カ国が入場を終える最後まで見てしまいました。入場行進をこんなにまじまじと見たのは初めてです。国によって衣装が違っていたり、凝った衣装や民族衣装で揃えている様子を見るのも楽しかったですが、国それぞれで特徴のある顔立ちや肌の色をしているのも興味深かったです。
 いえ、もちろんそういうものだというのは知っていたんですが、あらためてこうして眺めていると、本当に世界にはたくさんの国があって、いろいろな人が住んでいるんだなぁ、と実感したのです。これだけ多くの国から多様な人々が集まるのはオリンピックしかないわけだから、やっぱりものすごい祭典なんだ、と再確認しました。

 世界各国の人々を見ていくと、韓国や北朝鮮、モンゴルの人たちと日本人が非常に似た外見をしているんだ、ということも改めて感じました。これももちろん知っていたことですが、世界中の人たちを見比べる中で、あらためて痛感したのです。外見だけでは、その人が日本人なのか、朝鮮人なのか、モンゴル人なのか、判断のしようがありませんね。同じ人種なんだ、と本当に思いました。
 でも、じゃあ同じ国の人間になれ、と言われたら、それは不可能。朝鮮の人たちには朝鮮の歴史があり、ことばがあり、文化があり、誇りがある。モンゴルの人たちにだって、独自の歴史や文化、誇りがある。私たち日本人にだって。
 入場行進を見ていると、名前もよく知らない小さな国々の選手も出ていて、○○の国から独立した小国家だとコメントされる場面も多かったのですが、それはこういうことなんだろうな、とも思いました。どんなに地理的に近くても、たとえ人種的には同じだったとしても(もちろん、人種そのものが違っている国もあるけれど)、それぞれの歴史や文化を持っていたら、やっぱり別の国民として生きていきたいのだろうな、と。政治の都合のまとまりなどではなく、それが国としての誇りなんだろうな、と。
 国同士、人種や国民同士で対立してしまうのはとても悲しいけれど、こんなふうに各国の人々がそれぞれの違いを「良し」として集まるのは、いいなぁ、と思います。世界中にはいろんな人々がいる。それぞれに違っていて、その違いに誇りを持っている。そして、その違いを認め合いながら、同じ立場でスポーツを通じて競い合う。

 やっぱり、オリンピックっていいなぁ……と痛感した開会式でした。

 

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2008年6月13日 (金)

ナルニア国物語2「カスピアン王子の角笛」

 観てきました! 「ナルニア国2・カスピアン王子の角笛」!
 あくまでも本来のイメージで観たかったので、字幕スーパー版を、しかも平日の日中に観に行ったので、大人の観客が数人いただけで、特等席でゆったりと観てくることができました。


 さて、この「ナルニア2」、最初に映画のポスターを見たとき、私は仰天しました。
 カ、カスピアン王子が青年になってる!!

 私は原作の「ナルニア」が大好きです。ハードカバー版を全巻持っていて、さらにペーパーバックの英語版も持っている、というマニアぶり。ただし、あまり大切にしているものだから、めったに読み返さないという天の邪鬼。今回も、物語としては半分くらい忘れかけていました。わざと読み返しもしませんでした。前回の「ナルニア1」もそうだったのですが、原作を元にしながら、独自の作品として映画に再構成しているとわかっていたので、いちいち「原作と違う!」と驚くことで、映画を楽しむ気持ちを半減させたくなかったから。
 ですが、この青年のカスピアン王子には本当に驚かされました。原作では、こちらの世界からナルニアへ行ったペベンシー兄妹の長男、ピーターと同じくらいの年齢の「少年」となっているんです。はてはて、これはどんなカスピアン王子だろう。ナルニアの世界を救うために、大昔の王である四姉弟を角笛で呼ぶのだけれど、それが自分より年下の子どもたちだと知ったら、王子は失望するんじゃないの? 原作にはないテーマの予感を感じさせてくれました。
 ついでに、カスピアン王子のなんと麗しく凛々しいこと! この際だから、青年カスピアン王子がどんな人物か、そちらの方も楽しんでこよう、と心を決めていました。(笑)


 物語としては、これから映画やDVDで観る方がきっと大勢いると思うので、詳しいことは書きません。ただ、やはり予想通り、王子は四人の王や王女たちにがっかりしてくれたし、ピーターとカスピアン王子の対立という新しいドラマもありました。非常に面白かったです。
 前作で光っていた末っ子ルーシーの演技は、この「2」でひときわ冴えていました。無垢で素直な少女故、一番ナルニアに近くて、アスランに愛されている存在です。
 セントール(ケンタウロス)、もの言う気高いネズミのリーピチープ、アナグマのトリュフハンター(松露とり)……CGの技術の進歩はめざましく、「1」よりもはるかにリアルに自然に、不思議なナルニアの住人たちも画面に再現されていました。特にリーピチープは良かったです。非常に動きが綺麗でした。もっと出番があれば、もっと良かったのに。
 とまあ、映画作品そのものとしては、非常に楽しんで観てきました。

 が。(笑)

 同時に、私は映画に戸惑いも感じていました。
 再現されるナルニアの世界はリアルです。登場人物だけでなく、舞台も、セットのはずの城や砦も(ちなみに、城は本当に20メートルくらいの高さのセットを組んだとか。城の中庭も実物大!)とにかく本物そっくりの迫力。
 そこで繰り広げられる王位継承権争いのドロドロした人間模様、主君を陥れて、それを利用しようとする部下たちの心理劇、そういう部分も本当にリアル。
 リアルすぎて――これ、子どもたちが観て、理解できるのかしら? と思いました。

 「ナルニア」は本来児童文学です。「指輪物語」が大人のためのファンタジーだったのに比べて、「ナルニア」はあくまでも子どもたちを読者の中心に据えて描かれた作品。人間劇のドロドロは確かに原作にも書かれているけれど、同時に、児童文学らしいファンタジックさも満載で、その雰囲気が大人の世界の厳しさを和らげています。
 でも、この映画では、そういうファンタジックさはかなり減らされていました。確かにもの言う動物たちや、ミノタウロスたちファンタジーならではの登場人物は大勢出てくるけれど、それは、ナルニアという世界の現実の一部で、人間たちと同じ立場にあるものと感じられました。初め目に見えなかったアスランが、次第に子どもたちの目に見えるようになっていく――という原作の一番の見せ場もすっぱりカット。ふむ~。
 つまり、原作の持つリアリティとファンタジーの二つの柱のうち、リアリティの方を重視して作ったのだな、とはっきり感じられたのです。

 大人の私は、観ていて面白かったです。
 そうか、こうして人間とナルニアの住人たちは戦うのか。
 戦い方そのものも、投石機が出てきたり、石弓(ボウガン)が出てきたり、リアルです。(投石機が本当はあんなに簡単に連射できないんだぞ、とか、石弓は本当はあんなふうには矢をつがえて撃てないよ~、とか、そういう突っ込みはしないでおくことにしますが。笑)
 とにかく、ファンタジー設定の歴史物を見ているような、そんな感覚でした。
 う~む、面白い。面白いんだけど……やっぱり、子どもにはこれは難しいよね?

 そんなことを考えながら映画を見終わり、帰ってからパンフレットを眺めていたら、映画監督のコメントにこんな意味のことが書かれていました。
 ――原作のように13歳くらいの少年のカスピアン王子に(ナルニアの)すべてをたくすのはリアルじゃない、と考えて、王子を青年にしたんだ。
 やっぱり「ナルニア」はリアル路線に進んだんだ、と再確認したのでした。


 「ナルニア」はこの後、第3章の「朝びらき丸、東へ」の映画化も決まっているそうです。カスピアン王子もまた同じ俳優さんで登場するとか。とてもとても楽しみなのですが、さて、その後のことを考えると、「ナルニア」はどこまで続くんだろうか? と考えてしまいます。なにしろ、製作会社はディズニーですから。7話ある作品全部が映画化されるかどうか、それは、今回や次の「3」の興行成績で決まっていくのかな、などとも考えています。
 映画「ナルニア」も「ロード・オブ・ザ・リング」みたいに、大人のためのファンタジー映画、という路線で進んでいくのかもしれませんね。

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2008年1月27日 (日)

「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」

 昨夜フジテレビ「土曜プレミアム」でやった上記の映画を見ちまいました。いや、昇平がたまたま見ていて、ついつい私も……。(笑)

 処刑された古代エジプトの神官のミイラの石棺を開けてしまったことで、ミイラがよみがえり、発掘した人々やエジプトに呪いと災厄が訪れる、というストーリー。人々を襲いながらミイラが次第に人間の姿になっていくんですが――これがなかなかのいい男っ♪ 主人公は女性なんですが、それと組んでいるヒーロー(若いインディ・ジョーンズという感じ)に全然負けてませんでしたわ。って、どこ見とる。(爆)

 ホラーというよりはアクション。ストーリーは……ま、楽しめました。(この言い方。笑) とってもわかりやすいストーリーでしたので。
 復活したミイラが案外と俗物っぽいところがまたなんとも良かったかな。CGで描かれる大量のスカラベが圧巻で、ミイラよりなにより、このスカラベが最強なんじゃないかと思いました。昇平は大量の虫が苦手なので、「怖いね~、気持ち悪いね~」としきりに言ってました。
 CGでの天災シーン、襲撃・崩壊シーンも迫力があって。「おー、この映像、いつか使ってやるー♪」などと不埒なことを……。(爆)
 そういや、私「フルート」にまだミイラ(マミー)を出してなかったわねぇ。そのうち書くかも。(笑)

 この作品、五段階で評価すれば 「★★★★(四つ星)」くらいかな~。気楽に楽しめます。

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2007年10月 7日 (日)

「世にも奇妙な物語」秋の特別編

 あ~、あれこれ忙しさに取り紛れているうちに、すっかり書く時期を外してしまいましたわ。
 「世にも奇妙な物語」秋の特別編。
 放映されたのは先週の火曜日だったんですけどね。

 いつもならこの時間、私は寝てしまっています。観られません。
 でも、本当は好きなんです。この番組。時たましか観られないけれど、SF的なもの、ミステリー風なもの、オカルティックなもの、わけのわからんもの……どのジャンルも大好きです。
 たまたま今回は捜し物をして夜更かしをしていました。同じ部屋では長男がテレビをつけて、この番組を。いつしか、捜し物をする目がテレビに釘付けになったのは当然のことでした。

 私が観られたのは、二つめの作品から。長男が言うには、一つめが一番面白かったそうですが。(「未来同窓会」)。


・・・以下の文章にはネタバレが含まれています・・・


 二つめの作品は「カウントダウン」。熱血を勘違いしたような教師が主人公。その学校の校庭に、千個の机で大きな「9」の数字が作られていた。誰の仕業かわからない。その数字は一日ごとに減っていって、8,7,6と変わり……。
 オチが非常に面白かったです。この歳になると、ドラマを見ても映画を見ても、意外に思うことが少なくなってしまうのだけれど、この作品のラストには意表を突かれました。(笑)

 三つ目の作品、「ゴミ女」。売れない女フリーライターが、家中ゴミだらけにして暮らしている老婆に取材に行く。何故ゴミをこんなに集めるのだと尋ねると、老婆は「これはゴミじゃない。あたしは人が捨てた過去を守ってやっているんだよ」と言う。そして、ゴミの中からはフリーライターがかつて捨てたモノが次々と見つかり始める……。
 これは良い話でした。最後に捨てられてゴミ屋敷に来るモノが「何か」は読めたけれど、読めても面白かったです。「このゴミ屋敷のおばあさん、いいよね~」と長男と話しながら見ました。

 四つ目の作品、「自販機男」。まあ、「電車男」をパロったのが見え見えのタイトルですが。これも良かった!
 成績不振のセールスマンの青年が、仕事の鬱憤を自販機に当たる。すると、その自販機からは手も触れられないほど熱い缶ビールが飛び出してきて、やけどしそうになる。そこから気になって観察していると、自販機がなんだか意志を持っているような気がしてきて……。
 これはね~、ただの自販機が、飲み物を出したり出さなかったり、正面のランプを点滅させたり……という動きで「人間らしさ」を表現しているところが面白かったです。見ているうちに、主人公と一緒になって、どんどん自販機に感情移入していきました。ラストもしみじみとしたヒューマンドラマで、泣かされました。こういう作品が大好きな朝倉です。

 五つ目の作品「48%の恋」。ストーリーとしては、ごく普通の恋愛ものでした。「え、これが世にも奇妙な物語!?」と長男が驚きましたが、まったくそういう感じ。
 ただ、その恋の縁結びをする天使が、黒いタートルネックのセーターを着た普通の青年で、それが人間たちからは見えていない。そこで恋のドタバタ劇が繰り広げられ、天使はそれを見つめていて……とまあ、「作り方」がとても上手な作品でした。役者さんも良かったです。(白石美帆、岡田善徳)

 特別編として作られるだけあって、どの作品も一定以上の水準で、本当に安心して観ていられました。


 ただ、今回、久しぶりに観て私が強く感じたのは、これ。

「世にも奇妙な物語が、全然怖くない!」

 以前、三本立てで毎週やっていた頃には、三つに一つか二つは、本当に「こわ~い」作品があったものです。幽霊ものだったり、心理ものだったり、殺人ものだったり。ところが、今回、そういう「恐怖」の物語は一つもありませんでした。奇妙と言えば奇妙な設定ばかりなので、そういう意味では確かに「世にも奇妙な物語」なのですが。
 怖かったのは、ドラマの中に出てくる「普通の人たち」。教師を教師と思わず、徹底的にコケにしてあざ笑う生徒たち。主人公や自販機に問答無用で暴行を働く若者たち……。どれも、現代の日本に実在しているものの反映です。それが一番怖かった、というのは、現実のほうがドラマよりずっと「怖く」なってしまったっていうことなのかな、と考えたら、なんだか背筋が、ぞぞっと寒くなりました。

 私たちは、すでに「世にも奇妙な物語」の中の登場人物になっているのかもしれませんねぇ。 


「世にも奇妙な物語」秋の特別編 (フジテレビ)

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2007年6月30日 (土)

「ターミネーター3」

 昨夜、金曜ロードショーで「ターミネーター3」を観た。ご存知シュワちゃんことシュワルツネッガー主演の人気シリーズ。
 私が「ターミネーター」を観るのはこれが初めて。二男が「観たい! 一緒に観よう!」と言うものだから。一人で観るのはまだ怖い人なのよね。

 最初15分くらいは見逃した。急ぎのメールに返事を書かなくちゃいけなくて。その間は二男が一人で観ていたのだけれど、私のいる部屋にすっとんできて、いわく
「おかあさん! なんか、裸の女の人と、裸の男の人が出てきて、他の人から服を盗った!」

 は?

 う~んと……

 ようわからん。

 メールを書き終えて隣の部屋に映画はカーチェイスの真っ最中だった。二男が、
「あの女の人が裸で出てきて、あとなんか、男の人も……」
 裸がよっぽど衝撃的だったのね。(笑)

 少し観ていて、それが敵役の女ターミネーターと主人公(――主人公の方は青年ジョン・コナーの方かな?)のターミネーターなのだとわかった。未来から来たロボットたちだから、現代の服が必要で、通行人から奪ったんだろ。いろいろな背景の部分もわかってきた。「ターミネーター」のストーリーは全然知らなかったんだけどね。あまり複雑なストーリーじゃないようだから。
 後は、私はひたすら解説者。二男は映画を観ていても、それがどういう役割の人なのか、どういう場面なのか、なかなか理解できないから。「こういうことだったんだって」「ああなったんだよ」 いそがしい。でも、映画館だとまわりの迷惑になっちゃうけど、家の中でなら、平気でこういうことができるからいいね。

 結局ラストまで観た。
 うーん……面白かった!
 随所にアメリカ映画らしいパフォーマンスと脳天気さがあったけれど、ま、久しぶりに「アメリカ映画を観たっ!」という感じ。(笑)
 ターミネーターも強いけど、女ターミネーターも強い。その一騎打ちは面白かったぁ! 姿が若くて美しい女性なのに、あの体格のシュワちゃん、いや、ターミネーターと互角に闘うシーンってのは、気持ちいいぐらいのミスマッチ。――いつか自分も書いてみたいもんだ、こんな設定の場面。(爆)

 二男は、ラスト近い場面で女ターミネーターがロボットそのものの姿になり、すさまじい叫び声を上げている場面でびびりまくり。あれはコンピューターで作ったSFXなんだよ、と一生懸命説明して。
 最後のどんでん返しは効いていたなぁ。完全なハッピーエンドというわけでもなくて、二男は半べそ顔だったけれど、私は面白かった。なるほどぉ、という感じ。
 うむ。なかなか。


 いやしかし。噂通り、ド派手な映画でした。
 ああ、久しぶりに楽しかった。
  

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2007年5月24日 (木)

帰ってきた時効警察・6

 明日には第7話目が放映になってしまう~! ってんで、焦ってやっと見ました。第6話、青春温泉殺人事件の回。
 兄ちゃんが「面白かった」と言っていたので、どれどれ、と見ていたんですが。

 あれ?
 あれれ??
 あれれれれ……???

 …………

 あの~、まさか、とっても素直に、そう行っちゃうわけ?
 いやでも、もしかして、ここにもう一ひねり来るのでは――ん~、でも、このストーリー展開では、それはちょっと苦しいかな――
 とか思いながら見るうちにやってきた、ラストの謎解き場面。


 あぎゃ~!!
 やっぱりこう来るんですかぁ~!!!(爆)


 いや、いいです。
 作品には、これ以上とやかく言いますまい。
 ただ、私はうちの兄ちゃんに一言聞いてみたい。


 あんた、このトリック見抜けなかったの!??


 母は、犯人が登場したその瞬間にもうわかっちゃってたんですけど~。(笑)

 ま、いかにも時効警察らしくて良かったかもしれませんけどね。(とマニアックなフォローでしめくくる。爆)


p.s.
 時効警察課全員が温泉シーン見せてくれましたけど、三日月さんだけ出なかったですよね?
 期待したんですけど。(笑)
 実は露天風呂で霧山くんと二人で――ってシーンも、ちょっと期待したんですけどぉ。
 あ、やっぱりダメですか。(爆)

 ま、浜辺で「なんかロマンチックだね♪」と言っている場面で、さりげな~く白と黒のペアルックやってたから、それで満足しておくことにします。(爆)

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