てくてく日記「ブックカフェで講師をしてきました」
7月に「発達障害てくてく日記」の本を出したご縁で、先週の土曜日(12/21)に隣の国見町のブックカフェに呼ばれて、2時間ほどお話しさせていただきました。
ブックカフェと言っても、そういう店があるわけではなく、会場は国見町の道の駅「あつかしの郷」の集会室でした。子どもや大人の読書活動に取り組む方たちが毎月集まって、講師を招いて本の話を聞いたり、それに基づいて話をしたりする活動をしているそうです。国見町は特に子どもへの読書啓発活動に力を入れているのです。
上がその時の写真ですが、20人ほどが集まってくださいました。圧倒的に女性の比率が高かったですが、男性もいらっしゃいました。
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「てくてく日記」に書いた我が家の次男は、3歳になるまでまともにことばが出ませんでした。
少しずつ話せるようになってからも、こちらの言うことがなかなか理解できなかったり、思ったことがうまく伝えられなかったりして、そのたびにパニックを起こして大騒ぎをしていました。
そんな彼の気持ちを少しでも理解したくて、また、彼を社会と繋いでいきたくて、彼にわかるようなことばを使ったり、働きかけをしたり。
主治医からことばの発達に本の読み聞かせが良いと言われたけれど、どんな絵本も落ち着いて見ようしてくれなかったので、一計を案じてお話しタイムを設けることに成功したり。
ブックカフェでは、息子のことばの発達や読書の取り組みにターゲットをしぼりつつ、障害に応じた工夫や理解を具体的に織り込んで、1時間ほどお話しさせていただきました。
その後、30分間ケーキと飲み物でフリートークタイムを楽しんでから、残りの30分間で質疑応答。
息子に実際に喜ばれた絵本や昔話も、当時を思い出して読んだり素語りしたりしたのですが、同じような活動をされている方たちから、とても興味を持っていただきました。嬉しかったです。
発達障害についてや親としての気持ちについても質問をいただいて、大変熱心な集まりになりました。
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今、次男はもう24歳になっています。アスペルガーではないので、ことばに飛び抜けて優れている、ということはないのですが、必要なことはちゃんと話せるし、理解もできるようになっています。自分の気持ちも自分でことばを見つけて伝えてくれます。
長い長い取り組みの先に今の彼がいるのですが、ことばや物語の視点からそれをお伝えする機会がほとんどなかったので、今回こういう話をさせていただけて、とても幸せでした。
うわべだけ上手なことばではなく、自分の気持ちをきちんと伝えられることばを身につけていくこと。また、本人に理解できることばや表現や手段を選ぶことで、子どもの中に聞いて理解できる(想像できる)力を育んでいくこと。そのためには本や物語がとても役に立ちました。
私自身が物語を書く人間なので、我が子だけでなく、他の多くの子どもたちに物語の楽しさを伝えられたらいいな、と。そんなことも改めて思ったブックカフェでした。
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