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2011年8月21日 (日)

詩紹介「ナラの木」

 先日、NHKのラジオを聴いていたら、「ナラの木」という詩が朗読されました。
 元は北米の方の詩らしいのですが、今回の震災の被害に遭った人々へ伝えてほしい、とアメリカの動物学者のダイアナさんという方から、仙台にゆかりのあった動物学者の高槻成紀さんという方に送られてきて、それを日本語(標準語版)に訳して動物研究のメーリングリストに流したところ、被災した各地の人々が、自分のところの「方言」で訳してくれるようになり、それがまた、すばらしい力を持った詩になっていた、というインタビューも紹介されました。
 まずは、その「ナラの木」の標準語版をご紹介します。


ナラの木 (高槻成紀訳)

たいそう強い風が吹きました
昼となく夜となく
ナラの木のすべての葉っぱを吹き飛ばし
枝をびゅんびゅんと揺らし
木の皮も引きはがすほどでした

ついにナラの木は丸はだかになってしまいました
それでも地面にしっかり立っていました
ほかの木はみんな倒れてしまいました

くたびれてしまった風は
あきらめて言いました
「ナラの木よ、どうしてまだ立っていられるのだい?」

ナラの木は言いました
「あなたは私の枝を折ることも
すべての葉っぱを吹き飛ばすことも
枝を揺らすことも
私をゆさゆさと揺することもできます

でも私には大地に広がる
根っこがあります
私が生まれたときから
少しずつ強くなりました
あなたはこの根っこには決してさわれません

わかるでしょう
根っこは私のいちばん深い部分なのです

実は今日まで
私はよくわかっていませんでした
自分自身がどれだけものごとに耐えられるかを
でも、今おかげでわかりました
自分が知っていたよりも
私はもっと強くなったのです」


Johnny Ray Ryder Jr.原作, Copyright Hallmark Inc.
 

 これが英語で送られてきたとき、高槻さんは非常に強い感動を覚えて、思わず日本語に訳さずにいられなくなったそうです。それをMLで読んだ山形県庄内の方が自分のところの方言に訳して電話で朗読してくれたのを聞いて、また感動が止まらなかったと言います。放送では津軽版※に訳されたものを朗読していましたが、それを聴いて、私も思わず心を揺さぶられました。標準語にはない力があり、厳しくも力強い東北の自然風景が浮かんできたから。(※もしかしたら、別の地方版だったかもしれません。記憶が曖昧になってしまいました。)

 現在のところ、方言に訳された地方版は、青森県津軽版、八戸版 、岩手県盛岡版、遠野版 、宮城県仙台版 、山形県村山地方版、庄内版 、置賜版 、福島県会津版、中通り版 、浜通り版、いわき版 、 茨城版、静岡県相良版、新潟県越後長岡版 が集まっているようです。

ブログ「がんばれナラの木」
http://blog.goo.ne.jp/oaktree1949
  ↑
 こちらで各地方版を読むことができますし、宮城版のものは朗読を試聴することもできます。(「ナラの木 はじめに」のページ参照)
 ぜひ、各地方の方言の「ナラの木」もご覧になってみてください。そちらに在住の方は、ぜひ声に出して読んでみてほしいです。私は福島県中通りと会津のことばがわかるのですが、それを音読しているうちに、不覚にも涙が出てきました。
 「ナラの木」の詩を作ったのは、自然が豊かで厳しい北米にお住まいの方。同じような環境に住む東北人の心情とことばに、ぴったりシンクロしたのでしょうね。

 この詩を訳してブログを立ち上げた高槻さんは、この詩が広まって、被災した方たちの心を励ましていくことを望んでいるそうです。

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コメント

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