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2011年4月 3日 (日)

大震災19日目

3月29日 火曜日 天気:晴れ 日中暖かい

 朝、ニコッとタウンでフリースクールへ募金をしてくださった方へ、わかる限り、お礼のコメントをして回り、その後、大震災日記の7日目をアップした。募金は、一人ずつの金額は小さくても、賛同して支援してくれる人の輪がどんどん広がっているのを感じる。すごいな、と思う。本当にありがたいな、と思う。
 ラジオでは、サンフランシスコの日系人たちからの応援メッセージというのが流れた。たどたどしい日本語で「ガンバッテ」と言ってくれているのを聞いて、涙が出てきた。
 他県からも応援のボランティアが駆けつけてくれている。福島県から避難した人たちを受け入れてくれる県外の自治体もたくさんある。本当に本当に、ありがたい。
 世界は優しい。その事実を昇平にはっきり伝えられるのも嬉しい。昇平がずっと気にしている「嫌な人たち」なんてのは、テーブルの傷くらい小さい存在。目をあげれば、日本中に世界中に、優しい人たちはたくさんいるんだよ。そして、その人たちがみんな、私たちを助けようと手を差し伸べてくれているんだよ。それを昇平にも見える形、わかる形で教えてあげられるのが、とても嬉しい。

 午前中、アラン編みのセーターを手洗いした。震災後1週間、昼夜ずっと着続けていたセーターだから、砂や埃で汚れていて、洗い水が真っ黒になった。お義母さんの手編みのセーターだから、暖かくて、停電中の寒い日々でも暖かくいることができた。ありがとう、お世話様。

 午後は、昇平とアニメポケモンの「スカイアローブリッジとゴチルゼル」の回を、ネットの動画で観た。ゴチルゼルは昇平の大のお気に入りのポケモンで、ここ福島では3月13日(日)に放映されることになっていたから、何週も前から楽しみに待っていたのだけれど、あの震災で観られなくなり、その後も停電や後片付けでゴチャゴチャして、結局テレビでやったのかやらなかったのか、それさえもわからない状態になってしまったもの。昇平がとても残念勝手いたら、ネットの友人が動画でアップされているのを見つけて教えてくれた。
 過去の楽しかった思い出の中で生きるゴチルゼルに、昔の友人だった女性が「あの頃のことは私たちの大切な宝物だけど、どんなに私たちが大事に想っていたって、もうあの場所はどこにもないのよ」と泣きながら言っている場面では、思わずこちらも涙。そうなんだよね。震災前のあの日々はとても大切な思い出だけど、どんなに再建をがんばったって、完全に同じ日々は戻ってこない。それでも、私たちは先へ生きて行かなくちゃいけないんだから。
 とてもよい話だった。Yさん、教えてくれてありがとう!

 その後、私は震災日記の7,8日目をアップし、昇平は自転車で買い物に出かけた。

 被災してから、電気も水も食材も灯油もガソリンも、とても大切に使うようになった気がする。
 何かに感謝することも増えたし、当たり前が幸せだ、とも強く感じるようになった。
 震災や事故はつらいことだけれど、大切なものを学ばせてもらったような気もしている。

朝食:ごはん、スクランブルエッグ、ソーセージ、ワカメと油揚げの味噌汁

昼食:焼きおにぎり、野菜サラダ、味噌汁

夕食:ご飯、塩サバ小切れの焼き魚、タマネギとかにカマのかき揚げ、豚肉の天ぷら、野菜サラダ、ほうれん草のおひたし、納豆、大根味噌汁

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