大震災2日目
3月12日 土曜日 天気:晴れ
明るくなるのを待って起床。まず食べなくては! 水道は昨夜断水してしまったので、鍋に汲み置きの濁り水を入れて沸かし、レトルトご飯を温めた。ただ、旦那には間に合わなくて、パンを食べて6時前に出勤。
また、プロパンガスは、マイコンメーターが地震に作動して停まっていただけだったので、復旧作業をしたら、ガスも使えるようになった。ガスボンベが倒れかかったので心配していたが、ガス漏れもなく復旧したので、ほっとした。火が使えるようになって、食生活は大幅に改善された。
ただ、停電しているので、暖房器具がまったく使えない。卓上コンロを暖房代わりにつけてお湯を沸かし、ジャンパーを着込み、膝掛け代わりに毛布を掛けて、台所でご飯を食べる。それでも、暖かいご飯は元気を生んでくれる。さあ、2階の片づけ開始。
眠れない夜を過ごしながら、片づけの段取りを頭の中でたてていた。まずは、散乱が比較的少ない東の部屋を片づけ、その後、西の部屋を片づける。昇平の携帯と薬が西の部屋に埋もれたままなので、その発掘は兄ちゃんに頼んだ。
今回、1階もめちゃくちゃになったが、2階の散乱ぶりは、それをはるかに上回る。ひとつは揺れが1階より大きかったから。それから、揺れに方向性があって、東西への振動が強くて長かったので、そちらを向いていたタンスや整理棚がすっかり倒れて、中身が全部ぶちまけられてしまったから。そして、なにより、モノが多すぎたから。
大事なモノ、思い出のモノもいろいろあったけれど、これを機会に、本当に大切なモノだけを手元に残して、後は思い切って捨ててしまうことにした。今までも、そんなふうにしたいな、と漠然と考えてはいたけれど、昇平があやうく圧死しかけたことから、本気で部屋の整理に取りかかった。
捨てる、捨てる、捨てる。処分、処分、処分。ゴミ袋がたちまちいっぱいになっていく。重たいゴミ袋を、昇平が、せっせと外へ運んでくれる。
兄ちゃんは西の部屋の不要な書類を処分しながら、私のノートパソコンと昇平の携帯を発掘してくれた。パソコンは揺れたときにスライドして机から落ちたようで、書類の中にそのまま埋もれていた。故障していないようだったので、奇跡的に無事だった昇平のパイプベッドの上へ避難させた。昇平はDSや携帯、大切なポケモンの本などをバッグに入れて、私の車の中へ避難させていた。 兄ちゃんは、不要な本も束ねて運び出してくれた。転落していた昇平のパソコン本体も、起こしてパソコンデスクに戻してくれた。
午後、給水を知らせる広報車が通ったので、水タンク、ジャグ、バケツなどを持って、車で水をもらいに行った。兄ちゃんと昇平は、ここでもまた大活躍。水は本当に重いのだけれど、文句も言わずに車に乗せ、その後、家まで運んでくれた。その頼もしさに、「男の子を産んでおいて良かった!」と心から思った。
電話は朝のうち、少し通じて、親戚から安否確認などあったけれど、まもなく不通になってしまった。電気も止まっているので、携帯は次々にバッテリー切れ。連絡は取れないし、情報も入ってこない中、唯一の情報源はラジオ。最初、NHKを少し聞いていたけれど、地元に密着した情報が少なくてあまり参考にならないので、すぐラジオ福島に切り替えた。国や県からの発表だけでなく、リスナーからのメール情報や安否確認なども、24時間生放送で流し続けているので、非常に助かるし、正しい情報が入ってくるので安心できる。こういうときには、やっぱり乾電池式ラジオが大切なんだな、と改めて思った。
沿岸部は、すさまじい津波に襲われたらしい。被害の大きさに胸が痛む。義母の妹さんも、仙台に住んでいたけれど、津波で家をすっかり流され、体ひとつで命からがら逃げたらしい。その息子さんと連絡が取れなくなっているというので、非常に心配な状況。どうか無事でいてくれますように。
夕方、薄暗くなる前に片付けを切り上げ、夕飯の支度。蝋燭の灯りを囲んで夕飯を食べているところへ、旦那も帰宅。乾電池と一緒に、携帯の充電器も買ってきてくれたので、家族で順番に充電をした。
食事の後は、寒いし暗いので、早々に寝た。義父が寒くて寝られないというので、義母はペットボトルにお湯を入れ、タオルでくるんで湯たんぽを作っていた。
余震はあったけれど、疲れていたので、ぐっすり眠ることができた。
朝食:レトルトご飯、チキンナゲット、エビフライ、塩鮭、冷凍ほうれん草ソテー、ウィンナー、白菜味噌汁
昼食:すいとん
夕食:すいとん、レトルトカレー、冷凍ナン
すいとんは、昨日の昇平の卒業祝いに、義母が仕込んでいたもの。煮上がって味をつけるばかりだったところへ、あの地震がきたのだが、奇跡的にこぼれずに残っていたので、私たちの暖かい昼食、夕食になってくれた。
冷蔵庫が使えないので、生ものは長持ちしない。急いで食べなくてはいけないので、こんな状況なのに、けっこう豪華なメニューになった。
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