高齢者に優しい外食メニューを
昨日は雨が降ってとても寒い一日でしたが、今日は日が差して、気温も少しずつ上がってきているようです。
このまま冬になってしまうのでは、と焦りたくなるような気候でしたが、秋はまだ続いているようで、ほっとしています。
さて、季節が移り変わると、食卓に上るメニューもそれに合わせて変わっていくのですが、食事の準備をするたびに、最近よく考えることがあります。
それは、「最近の外食メニューは高齢者にあまり優しくないな」ということ。
我が家は三世代同居なので、間もなく八十になる義父と、それよりずっと若いけれど、病気のために奥歯を抜いてしまった義母がいます。どちらも咀嚼(そしゃく)がうまくできませんし、義母は治療の後遺症で唾液もあまりでないので、ものを呑み込むのにもとても苦労します。食事の時には、汁物や飲み物を欠かすことができません。
そんな義父母のために、私は、ご飯を軟らかめに炊いたり、柔らかく煮た料理を準備したり、とろみや水分の多いメニューを考えたりするのですが、外食では、そういうわけにはいきません。固い肉、固い野菜、かみしめるのが大変なパン。これなら大丈夫だろうと思って頼んだ麺類も、最近は「コシがある」のが美味しいことになっているので、たいてい麺が固くて、麺がのびてふやけるのを待ってからでなければ食べられない、と義母がこぼします。普通に焚いたご飯でさえも、義父母には食べにくかったりするのです。柔らかいパンも、唾液が少ないと、呑み込むのがとても大変になります。高齢になって唾液の分泌が少なくなっている人は意外と多いと聞きます。
これから高齢者がますます増えるのですから、こういう不満を持つ人の割合は増えていくのだろうな、と思います。
見た目が変わっていたり、豪華そうに見える料理ももちろんいいのですが、高齢になれば、自分たちの食事を準備するのが面倒だから、と外食をする人も増えるでしょう。そういう人たちが、普通に、美味しく食べられるメニューが増えるといいのに、と思います。
コシのある麺も、もちろん私たちには美味しいのですが、それと一緒に「歯の弱い方やお子さんには、柔らかい麺もご準備できます。」とメニューに書き添えてある、とか。
カフェテリアや総菜コーナーなら、「やわらかメニューコーナー」なんて名前で、柔らかく茹でた野菜だとか、パン粉を多めにして口当たりを良くしたハンバーグだとか、グラタン、切り身の魚の煮物(骨も丁寧に除去して……お年寄りは目が弱いので、細かい骨を取り除くのが大変なのです)などなど。高齢者と小さなお子さんのどちらもが安心して食べられるメニューのコーナーを作ってくれたら、きっと新しい需要があるんじゃないかと思うんですけどね。
手間がかかる分、経費は少しかかるだろうけれど、高齢者は多くは食べないから、分量を少なめにすれば、採算は合うんじゃないかしら。
健常な人たちの思いこみではなく、実際にその年代にある人たちや、その人たちをケアしている人たちから、具体的に、食べやすい人気のある調理法やメニューのアンケートを取れば、ニーズから大きく外れることもないだろうし。
歳をとってくれば、人は誰でも食事量が減ってくるけれど、だからといって、食べることがどうでもよくなってくると言うわけではないんですよね。
歳をとったって、美味しいものを食べることは嬉しい。美味しく食べられれば、元気も出てくるし、もちろん、栄養バランスも良くなるから健康になれる。
そこに気づいて宅配サービスなどを始めている企業も増えてきているようだけれど、ぜひ、身近な外食スペースでも、そういうメニューが充実してくれるといいな、と思ってます。
……いずれは、私たちもおせわになるわけですから、なおのこと。
焼き肉定食。私たちにはとても美味しいんですが……。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
最近のコメント