公園散歩便り・65
とうとう2007年も今日も終わりです。
10月下旬から始めたこの散歩日記をご訪問下さる皆様、ありがとうございました。
今日は公園も雪模様。いよいよ冬景色に閉ざされる時期となりました。今日を最後に、しばらく散歩日記は休止して、また暖かい季節が来たら再開しようと思います。
本当は今日の散歩もできるかどうか怪しいところだったのですが、最後の大掃除が案外すんなり終わったので、買い物ついでに昇平と少し歩いてきました。
大みそかです。寒いです。雪も降りしきります。
さすがに駐車場にも一台も車はなく、散歩をする人影もありません。
が、沼の上にラッパのような音が響き渡っていました。この音は――ひょっとしたら、ホラ貝?
誰かが公園の中でホラ貝の練習をしています。
沼のほとりの遊歩道を歩いていったら、一人の男性がいらっしゃいました。手にしているのは、やっぱり大きな貝の楽器。わぁ、本物のホラ貝だ!
「すばらしい音ですね」と声をかけたら、「練習中なんです」というお返事。興味深く見ていた昇平に、「吹いてみる?」と気軽にホラ貝を差し出してくださいました。
もちろん、音は出ません。昇平はトランペットもラッパも吹いたことがありませんから。
目の前で鳴らしてみせてもらいましたが、ものすごい音量でした。
「どうしてこんなところで練習しているんですか? なんのために練習しているんですか?」と昇平が質問しました。本当に物怖じしない子です。ちょっと異質な感じがするはずなのですが、その方は丁寧に答えてくださいます。
「まず、どうしてこんなところで練習しているかというとね、すごく大きな音がして町の中で練習したら周りの迷惑になるから、人のいない公園で練習しているんです。なんのために練習しているかというとね――おじさんは山伏なんですよ」
うわぁ!! 山伏!!?
まだなったばかりだから、こうして練習しているんですけどね、とその方は笑いました――。
いろいろ綺麗なもの、おもしろいものを見せてくれた公園が、最後の最後まで素敵な出会いをくれました。
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