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2007年3月12日 (月)

当事者と家族の身になった支援を!

 この週末は多忙でした。土曜日は所属しているADHDの家族会の総会。日曜日は、子育てに関わる人たちの学習会で親の立場からアドバイザーをするよう仰せつかり、二本松市まで行ってきました。
 発達障害に関係する様々な支援の法制化に伴って、日本中に追い風の吹く中、でも、本当にやる気があって集まる人たちはごく少数です。うちの家族会は福島県の中でもかなり名が通っていて、関係者に名前を出しただけで、「あの団体の!」と言われてしまうほどですが、実際には広い福島県内に会員が散在している状態で、会合や学習会を開いても、十数名が集まるのがやっと、というのが実情。そこに、各種関係者から、「あれをやりませんか」「これをやりませんか」「こういう内容のことをやってくれませんか」。……我々は、普通の主婦の集団です! このご時世だから、夫婦共稼ぎの家庭も多いです! しかも、子どもは障害児だから、簡単に誰かに預けるというわけにもいきません! そういうことを言うならば、それをするのに充分なだけのお金と人手を私たちにください! と言いたい。

 啓蒙のため、子どもたちのため。環境は整っていなくても、まず走り出すのが大事。
 それは本当にそうなのです。
 翌日の学習会に集まった人数は、決して多くはなかったけれど、子どもの育ちを支援しようという方たちの意欲や、障害ある我が子のためになんとかヒントや手だてをえようとする親御さんの気持ちは、とても強く感じました。でも、何かを始めよう、何かに取り組もうとすると、その動き出した人たちに大きすぎる負担がかかるのが実情です。
 たとえば親の会で助成金を申請して、いただいたお金でイベントを開いたり、備品を購入したりしますが、その後の報告書の量の半端じゃないこと! 特にお役所関係の助成金はそうです。
 チョロチョロと目の話せない子どもをかたわらに、やっと親同士の連携をとって、なんとか都合を合わせながら会合や学習会を開いているのが現状なのに、そこに、「それを仕事にしている人の感覚で」大量の書類の提出を求めてくる。書類の内容も、厳密かつ厳格。(ついでに助成金の使い方に関しても。)
 もう少し、活動をしている親の立場に立ったやり方というのは考えられないのかなぁ、と溜息が出てきます。

 追い風が吹くのはありがたいです。我が子が生きやすく、暮らしやすくなるためになら、本当に、あらゆる動きが出てきてほしいと思います。
 でも、親が子どもや家族を抱えて家庭を営んでいる、という現実もまた、忘れないでほしいのですね。
 家庭は基本。家庭が滅茶苦茶の状態で、わが子の支援なんてありえない。泣き叫ぶ我が子をほったらかしにして、公から求められた活動に走り回らなければならないとしたら、こんな本末転倒な話はないですから。
 今回私がアドバイザーで参加させてもらった学習会の際には、主人が休みを取れたので、主人に子どもを頼めたから良かったのですが、そんなふうに都合がつかない人だって、大勢いるのです。
 追い風が吹くのはけっこう。でも、その追い風で、肝心の当事者や家族の乗った「家庭」という名の船を転覆させないように。
 人によっては、子どものためなのに、なかなか集まりや活動に参加してこない親たちに、イライラしている専門家もいるのかもしれません。せっかく補助すると言っているのに、なぜ乗ってこないのだ、と思っている行政関係者もいるのかもしれない。
 でも、現実には、親は家庭と両立しながら、子どもを守り育てることを保証されながらでなければ、そういう活動には参加していくことはできません。家族も顧みず、公の活動に献身的に参加してくれる親もいます。本当にありがたいと思います。だけど、そのしわ寄せはその人の家族に行きます。そこには、まさしく支援されるべき「当事者」も含まれています。
 誰かを犠牲にした上に成り立つ「支援」は、支援ではないのです。

 「子どものために」と親を駆り立てることのない。
 家族や当事者たちの気持ちや立場にたった手助けができる。
 そんな本当の支援が実現していってほしいな、と、つくづく考えていたこの二日間でした。

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