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2006年3月24日 (金)

中島みゆき「転生」

ご存じの人はご存じだけれど、私と旦那は大の中島みゆきファン。レコードとCDで、彼女のほとんどのアルバムは持っている。レコードはプレーヤーがないから、今はもう聴けなくて残念だけど。
最近のBGMにかけているのは、 「転生」 。去年の11月に出た一番新しいアルバムで、アマゾンの解説には、こうある。

『中島みゆき、通算33枚目のオリジナルアルバム。2004年1月に上演された“夜会VOL.13「24時着 0時発」”の名場面で演奏された名曲を新たにレコーディングした作品ほかを収録。今作も唯一無二の「中島みゆき」にどっぶり浸れる全11曲。』

中島みゆきにどっぷり浸れるかどうかは別として、このアルバム全体を貫いているテーマを感じて、いいな、と私は思っている。「転生」というタイトル通り、『人生の見直し』『やり直し』が歌われているから。
それも、若い人たちへ向けたメッセージじゃない。私たちくらいの、ある程度夢中で自分の人生を進んできた中年層(笑)に、「振り返ってごらん」「なにか忘れてきていないですか?」と問いかけている。そうして見つけたかつての夢を「もう一度やり直してみませんか?」とも言っている気がするのだ。

最近、「この年になって○○するなんて」と、私と同年代の人たちが口にするのを聞くことが多くなってきた。
四十を過ぎたあたりからだろうか。
もう、新しいことは始められないよ。今さら夢とか理想とか、そんなものを青臭く語る年でもないし。――そんな悟りにも似た感情が、そこには必ずつきまとっている気がする。
だけど、本当にそうだろうか?
四十を過ぎてしまったら、もう夢は見られないんだろうか? 新しい人生や生き方を求めることはできないんだろうか?
確かに、平均寿命を八十才とすれば、人生の折り返し地点は過ぎたと思う。これからは、今まで生きてきたよりも短い時間しか生きていけないんだろう、とも痛感する。
だけど、だからこそ。
遠い昔に置き忘れてきた夢を、もう一度拾い上げてみてもかまわないという気がしている。
確かにあの頃の若さも力も今はないけれど、それでも、もう一度走り出すくらいの力は、この両足に残っているような気がする。
「諦めるにはまだ早すぎるよ」
ゆったりした曲に乗せて、みゆきさんは、私たちおじさん、おばさんに、そう語りかけているように感じている。

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