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2005年9月17日 (土)

ライカ犬

「お母さん、ライカ犬って知ってる?」
とお兄ちゃんが突然聞いてきた。
「知ってるよ。スプートニクで初めて宇宙に行った犬のことだよ」
「じゃあ、ライカ犬が帰ってきたかどうかは知ってる?」
「・・・帰って来なかったよ。宇宙に行って、そのまま地球には戻ってこられなかったんだよ」

突然どうしたのかと思ったら、どうやら友人からライカ犬のことを教えてもらったらしい。科学のため、人類の進歩のため、という名目で、1頭の犬が宇宙に送り出され、そのまま見殺しにされたことが非常にショックだったらしい。
「人間も犬も同じ生き物じゃないか! なんで科学者は人間のほうが偉いと思えるんだ!?」
と本気で憤慨している。そうかぁ・・・お兄ちゃんもそういうことを真剣に考えたり、憤ったりするようになったんだね。

今を去ること二十数年前、私も、同じようなことを考え、人間が一番偉いなんてことはない! と憤っていた。
懐かしい姿が、今、私の目の前にある。
あの日、真剣になって話していた私の姿を、周囲の大人たちは同じような思いで見ていたのかもしれない・・・と思う。

大人になってしまえば、ライカ犬だけでなく、さまざまな命の犠牲の上に、今日の我々の世界が成り立っていることもわかってしまうし、一部のおごった人たちを除けば「自分たちがしていることはすべて正しい」なんて、誰も考えてはいないのだけれど、大人に足をかけ始めたばかりのお兄ちゃんには、まだそんなところまではわからない。頭では理解できても、まだ納得はしていない。だから、人間の抱えるエゴイズムに本気で腹をたてるのだ。
それでいいんだろうと思う。今は、本気で怒っていいんだと。その気持ちを根底に持っていられれば、やがて、善悪だけでは割り切れないこの大人の世界に入ってきたときにも、きっと、自分なりに折り合いをつけていけるようになるだろうから。
いろんな事を知って、いろんな事をたくさん考えて、そして、大人になっていってほしいと思う。

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