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2005年9月25日 (日)

おっとり多動

私はよく「活動家」みたいに言われる。「積極的」とか「熱心」とか言われることもある。単純に「落ちつきがない」と言う人もいる。
でも、そういうイメージを持って私に会った人は、多分、拍子抜けするんじゃないかな、と思う。普段の私は、むしろあまり動かない、どちらかというとおっとり系の人間に見えるから。(←この「見える」って部分がくせ者ではあるけれど。笑)
ネット上では、掲示板でも小説でも長文を書きまくって、ものすごくおしゃべりだけれど、実際に人に会うときにはむしろ聞き役に回ることのほうが多い。しゃべるときにはしゃべるし、話題によっては話が止まらなくなることもあるけれど、普段は相手に会話のイニシアチブをとってもらって、自分はそれに相づちを打ちながら聞いている方が好きだったりする。
自分から誰かに働きかけることも、実際には、あまりしない。情報を伝えたり声をかけたり、ということはするけれど、活動に誘うとか、なにか運動を始めるとか、そういうことはまずやらない。まあ、学校の担任とか、どうしても働きかけなくちゃいけない人たちとは、積極的に話をしてスクラムを組むけれど。

実際の私は一匹狼派なんだろう、と自分で感じている。
仲間と集うのも好きだけれど、行動そのものは自分のペースで進めていきたいのだ。
しかも、一見おっとりしているくせに、頭の中にはADHD的な衝動性や多動性も抱えているから、ときどき、思いがけない形で暴走することもある。そうなると、周囲の人間は私の行動についていけなくなって、びっくり仰天するのだ。

それから、私は「退屈」が嫌い。
常に夢中になれることが欲しくて、新しい刺激を求めていく。
根が慎重なので、無茶な行動や反社会的な行動はとらないけれど、でも、毎日が単調な繰り返しになると、たちまち退屈になって、なにか夢中になれるものを探し始めてしまう。このあたりが「落ちつきない」とか「活動的」とか見える原因になっているんだろうと思う。
そんな私を見て心配する人から「動きすぎだよ。ちょっと休みなさい」と言われても、おちおち休んでいられない。暇な時間ができたら、とたんに何か書きたくなって、書き始めてしまうし。このあたり、やっぱり私はADHDの傾向を抱えているんだろうな。

人には積極的には関わらない。
でも、自分自身の行動に関しては多動なくらい活発。肉体的にはほとんど動いていないけれど、頭の中が常に全力疾走状態。そういう感じなのかも知れない。
ネット上には、そんな私がもろに出てしまうから、「忙しすぎだよ」とよく言われるけれど、(そして、もちろん時々は本当に疲れてしまうけれど)、当人にとってはそれが一番自然な状態だったりするから、改まるはずもない。疲れてひと休みすることはあるけれど、元気になってくれば、またぞろ活動を始めてしまう。むしろ、停滞する方が私には怖い。たちまち元気がなくなって、鬱状態になってくるから。
実際に忙しくなればなるほど、自分でなにかやりたいことを見つけて始めてしまうのも、それが原因かもしれない。本物の多忙に自分を取り込まれると、精神が停滞状態に陥るから、どこかで主体的に活動することで、バランスをとろうとするんだろうな。

とはいえ、体は正直で、40代も半ばにさしかかったら、本当に無理は利かなくなってきた。精神的にはまだまだ全力疾走をしたいのだけれど、体のほうがブレーキをかけ始めたのを感じている。
こういうときには無理せずに休まなくちゃいけないんだよ、と、突っ走りたがる自分の脳みそに言い聞かせながら、早寝をしたり、昼寝などしていたりする。ま、このあたりはしかたないよねぇ。
自分自身とのつきあい方を見極めながら、ぼちぼち行きますわ。

皆様も、なんとも危なっかしく見える私かも知れませんけど、「しょうがないなぁ」って感じで見守っていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたしますです。

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2005年9月24日 (土)

わーい、感想が来た!

「フルート2」の第6部をアップしたのが昨日。今日、友人がその感想をくれました。
う、う、嬉しいぃぃーーー!!!
もちろん、自分自身が楽しいから書いているんだけれど、やっぱり、書き上がったら読んだ人の反応が知りたいですからねぇ。今回は(今回も?)すぐに感想が聞かせてもらえて、幸せ幸せ♪
・・・デモ、読ミ返スト、マダマダ甘イ表現ガ。推敲シナクチャ。(汗)
ま、もの書きなんてのは単純な人種なんです。はい。

物語的には、本当に佳境にさしかかってきています。戦いのシーンが多いので、子どもたちには楽しいかな? まあ、子どもが読むことを考えて、戦闘シーンでもあまり残酷な表現は使わないように、一定のポリシーを持って書いてはいるつもりです。スプラッタを書いているつもりはありませんので。
教育熱心な方々には眉をひそめられてしまうかもしれないけれど、こういう場面だからこそ書けることってのもありまして・・・。と、元教育関係者が言ってちゃ世話はないか。(笑)

子どもの文章離れ、本離れが危惧されてから久しいけれど、子どもたちだって読んで楽しい作品なら、きっと読んでくれるんじゃないかと思います。わざわざ漫画的な挿絵をたくさん使わなくても、子どもたちが読みたい作品を、読める文章、読めることばを使って書けば、きっと。
そんな作品が書きたいと、しみじみ思います。

さて、明日は日曜日。天気予報は雨だと言うし、家でおとなしく推敲に励むことにしましょうか。
それが終わったら、いよいよ第7部、○○の国へ向かうことになるでしょう。
がんばろ。

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1週間のこと

一週間ぶりのブログになってしまった。
その間、いろいろなことがあった。
小学校の三連休が週の始めと終わりにあったり、健康診断を受けに行ったり、義母を病院まで送ったり(幸い、検査結果は良好! ほっとしました)、本「とことんこのこにこだわって」が届いたのでドキドキしながら眺めたり、彼岸の中日に墓参りに行ったり、「フルート・2改訂版」の第6章をアップしたり・・・。
そうそう。「オペラ座の怪人」のDVDもとうとう買って観た! プレステ2はDVDの再生もできたのね。偉いわ。大シャンデリアが上がってオペラ座華やかなりし時代に逆行していくシーンは、舞台で観てもすごく迫力があったけれど、映画もまたすごく感動的で、「うわぁ~・・・!!!」と感嘆しながら眺めてしまった。全編、本当に豪華で、しかも舞台のイメージを大切にしながら作ってあったので、とても満足した。うむ。良い映画だ。
あまりいろいろなことがあったので、何からコメントを書いたらいいのかよくわからないのだけれど、とりあえず、日記的にできごとだけ記録しておこうと思う。後でまた時間ができたら、この中の何かについて書くことにしようっと。

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2005年9月17日 (土)

ライカ犬

「お母さん、ライカ犬って知ってる?」
とお兄ちゃんが突然聞いてきた。
「知ってるよ。スプートニクで初めて宇宙に行った犬のことだよ」
「じゃあ、ライカ犬が帰ってきたかどうかは知ってる?」
「・・・帰って来なかったよ。宇宙に行って、そのまま地球には戻ってこられなかったんだよ」

突然どうしたのかと思ったら、どうやら友人からライカ犬のことを教えてもらったらしい。科学のため、人類の進歩のため、という名目で、1頭の犬が宇宙に送り出され、そのまま見殺しにされたことが非常にショックだったらしい。
「人間も犬も同じ生き物じゃないか! なんで科学者は人間のほうが偉いと思えるんだ!?」
と本気で憤慨している。そうかぁ・・・お兄ちゃんもそういうことを真剣に考えたり、憤ったりするようになったんだね。

今を去ること二十数年前、私も、同じようなことを考え、人間が一番偉いなんてことはない! と憤っていた。
懐かしい姿が、今、私の目の前にある。
あの日、真剣になって話していた私の姿を、周囲の大人たちは同じような思いで見ていたのかもしれない・・・と思う。

大人になってしまえば、ライカ犬だけでなく、さまざまな命の犠牲の上に、今日の我々の世界が成り立っていることもわかってしまうし、一部のおごった人たちを除けば「自分たちがしていることはすべて正しい」なんて、誰も考えてはいないのだけれど、大人に足をかけ始めたばかりのお兄ちゃんには、まだそんなところまではわからない。頭では理解できても、まだ納得はしていない。だから、人間の抱えるエゴイズムに本気で腹をたてるのだ。
それでいいんだろうと思う。今は、本気で怒っていいんだと。その気持ちを根底に持っていられれば、やがて、善悪だけでは割り切れないこの大人の世界に入ってきたときにも、きっと、自分なりに折り合いをつけていけるようになるだろうから。
いろんな事を知って、いろんな事をたくさん考えて、そして、大人になっていってほしいと思う。

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2005年9月16日 (金)

本が出ます

仲間たちと執筆編集した本が、明治図書から本日発刊されました。タイトルは『とことんこのこにこだわって』。ADHDや自閉症、LDといった発達障害を持つ子の親や、そういった子たちに関わる教師からの発信です。
それぞれのメンバーの書き下ろし原稿に、Web座談会、親から専門家に望むことのアンケート、障害児を育てる生活を詠んだ句、4コマ漫画・・・と盛りだくさんの内容です。
本の内容や見本ページは、こちらでご覧になることができます。
 ↓
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?bango=4%2D18%2D016248%2D2


6年前、昇平がADHDだとわかったとき、「じゃあ、どうやって子育てしていったらいいんだろう?」と思ったのに、それに答えてくれる人はまわりに誰もいませんでした。まだやっとADHDという障害が日本に知られ始めた頃の時代です。今のように、発達障害に関する本もサイトもありませんでした。
情報が欲しくて、元気を分け合える仲間が欲しくて、ネットの世界を右往左往しているうちに、ふとしたことで出会ったのが、「ことばと発達の学習室」掲示板。そこに、同じようなニーズの親たちが集まるようになり、いつの間にか成人当事者も集まって情報を提供してくれるようになり・・・そして、今のこの私たちがあり、子どもたちの姿があります。
よく言われることですが、私たちは、親としてかなり元気で前向きな方だと思います。「ホントに明るいねー!」と感心されることもしばしばです。でも、それはたったひとりで得た元気ではありません。仲間たちがいたからこそ、みんなで支え合い、学びあってくることができたのです。
ネットをできる環境にない方にも、少しでもこのエネルギーが届けばいいな。毎日の子育て(指導)が、少しでも楽しくなるような目を持てるようになるといいな・・・。そんなことを思いながら、この本を作りました。
ひとりでも多くの人の手に渡り、ひとりでも多くの人が元気になってくれますように!

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2005年9月15日 (木)

ってわけで

カテゴリーを整理して、ぐっと絞り込みました。
自分でも使いやすくなった気がする。(笑)

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しかし

改めてこのブログを見てみると、カテゴリーがごちゃごちゃ。わかりにくい~!
まあ、私はホントに話題があっちこっち飛んでしまう、統一性のない人間なんだけど、それにしても、これはちょっと不親切だなぁ。
ってことで、カテゴリーを、もう少し絞り込むことにする。えーと、「日記」と「創作」と・・・

はっ。
その前に、仕事仕事! (大汗)

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復調

う~ん、涼しい! 雲は多いけれど、天気もいい! 気持ちいいー!!
このところずっと夏バテ気味で、「元気でない~」「食欲ない~」「気分が滅入る~」という日々が続いていたのだけれど、2,3日前から飲み始めた総合ビタミン剤が効いてきたのか、徐々にまた元気がわいてきた。おまけに天気もいいものだから、今日は気分がいい。うん、やっぱりこういう状態はいいなー。

午前中、必要があって2,3カ所連絡を取ったり、部屋に掃除機をかけたり、「フルート2」第5部の推敲をしたり(一応終了)した。そうそう。久しぶりにあちこち掲示板に書き込みもしている。最近書き込みが少なかった気がするんだけれど、こういうのも、やっぱり「元気」と関係あったらしい。
さあ、ではこの勢いで外出でも――と行きたかったけれど、残念、お仕事がありました。部屋の中でまたパソコン作業です。
う~ん、お天気いいんだけどなぁ~。 ・・・残念。

p.s.
これまで今月の写真として載せてきた画像を、ブログ生地の中にも組み込みました。
なんの写真を載せたのか、忘れちゃいそうだからね。

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2005年9月14日 (水)

今月の写真、変更

朝日の中、透けるように咲くアサガオを載せたかったのだけれど、逆光だったので綺麗に出なかった。
しょうがないから、やっぱり、スタンダードにとった方のアサガオの写真に替えた。
「アサガオ」・・・秋の季語。
05-08-13_08-16

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推敲

はー。「フルート2」の第5部をやっとアップしたのはいいけれど、読み返してみると、あちこち気に入らないところが・・・。いつも、アップしてから読み返すと、手直しする箇所がわかるから、数日間は推敲の作業になるのだけれど、それにしても今回は少し多くなりそうだ。これは、今回初めて追加した場面が多いからだな。そういう場面は、どうしても手直しが多くなる。

この推敲作業までしっかり済ませてからアップすればいいのに、と自分でも思うのだけれど、これが不思議なくらい、うまくいかない。アップ前だと、手直しするところに気がつかないのだ。アップして、「やれやれ」と思いながら確認のために読み返すと、「あ、ここが読みにくい」「この文章が変」「この部分の描写が足りない(くどい)」「このセリフのこの部分、気に入らない」と、ぞろぞろ出てきて、冷や汗をかきながら修正することになる。
これはたぶん、アップすることで、自分の作品を客観的に読めるようになるからだろうと思う。それから、他人の目にさらしていると思うことで、自分の文章に妥協しにくくなるんだろう。どうしても、自分だけで読み返している間は「ま、このくらいでいいか」というような甘さが出てくる気がする。
でも、作品を読む人にとっては、一度読んだ文章が読んだ後で変わってしまう可能性があるわけだから、なんとかアップ前に推敲もきちんとすませたいと思うのだけれど。どうしたものやら。
プレ公開に参加してくれるモニターさんでも募集しようかな?(笑)
あ、でも、そういえば、作家の中には出版する前に、書き上げた原稿を友人に見せてチェックしてもらう人もいるらしい。これって、いいかもしれない。・・・って、モニターになってくれるような人がいないか。(苦笑)


直接関係ない話だが、「フルートシリーズ」の対象年齢から (読んであげるなら小学校中学年くらいから) という部分を削除した。読んで聞かせるにしても、ちょっと文章が難しくなってしまった気がするから。「小学校高学年以上」ということで、定着させておくことにする。
でも、読めるなら、どの年齢から読んでもかまわないとは思うけどね。

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2005年9月13日 (火)

機種変更

私の携帯はボー○フォン。持ち始めてから全然変えていないから、すでに2年9か月も経っている。
最近、バッテリーはすぐなくなるし、話している相手から「よく聞こえない」と言われることも多くて、そろそろ交換時だな~、と考えていたら、3G機種変更キャンペーンの割引クーポンが届いた。おお、タイムリー♪

お兄ちゃんがこの春から高校生になって携帯を持ち始めたけれど(同じボー○フォンの家族割引)、彼の場合、使用目的はほとんどがメールと着メロ。パケット料金が馬鹿にならないので、先日パケットフリーに入れた。
私の方は、というと、使用目的の約8割がメール。でも、メインはパソコンメールなので、そんなに比重は大きくない。もっぱら、急ぎの連絡と家族間の連絡用。あとの2割は、電話と携帯カメラ。このブログの写真もそうだけれど、こういうところに載せる写真はサイズが小さい方がやりやすいので、画素数があまり大きくない携帯カメラがちょうどいい。電話も、最近はめったにかかってこなくなった。 >さみしいヤツ?(爆) >いやいや、メールで事足りてるものだから。
というわけで、機種変更するものの、携帯そのものにはそんなに高度な機能は必要ないことになる。

 カメラ・・・そんなに高品質でなくてOK。
 着メロ・・・変える趣味なし。一度決めたら、ずっとそのまま。
 音楽・・・お兄ちゃんはオーディオ代わりに携帯で聞いているけれど、私はCDプレーヤーで聴けるからねぇ。
 ゲーム・・・昇平が暇つぶしにやりたがるから、少しはできたほうがいい。
 電話・・・まあ、この機能は欲しいわね。
 メール・・・この機能も必要ね。
 ビデオ・・・う~ん。どっちでもいいや 

ただし、ひとつ大事な条件がある。
「サイズが小さめで軽いこと!」
私は携帯をほとんど常にGパンのポケットに入れて持ち歩いている。
鞄の中に入れていると、絶対に電話やメールが来ても気がつかないのだ。そのへんに置いておくのも、忘れるからダメ。バイブ設定してズボンのポケットに入れておくと、忘れないし、着信にも絶対に気がつく。だから、小さくて軽いことは絶対条件なのだ。
ということで、機種を眺めてみると・・・・・・うん、これしかないわねぇ。
重さ100g? コンパクトサイズ? ふむふむ、いいじゃない。 と思って、今持っている携帯と比較してみたら、重さもサイズもほぼ同じだった。アンテナがなくなった分、少し小さいかな。そうかぁ。最近の携帯は少し大型化していたのね。
ポイントもたまっているし、機種変更手数料はかからないと言うし。近いうちに、ショップに行って買い換えてくるとしますか。


【追記】
機種変更の際の重要な条件が、もうひとつあった。
「スケジュール機能が必ずついていること!!」 <ついていないものは、まずないけれど。

私は常に、いろんな事を忘れる。
カレンダーに書いても、手帳に書いても、やっぱり忘れる。
一瞬前まで覚えていたって、次の瞬間には忘れている。
だから、携帯のスケジュール帳にメモしておいて、アラームをセットするのだ。
おかげで、洗濯してそのまま干すのを忘れることも、めったになくなった。←私にしては、ものすごく画期的!
私の携帯は、このリマインダとしての機能が、一番使用頻度が高いかもしれない。 

 

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2005年9月11日 (日)

カラス

洗濯物を干そうとベランダに出たら、向かいの建物の屋根に2羽のカラスが飛んできた。先に来た1羽が口になにか白いものをくわえている。どうやら、どこかでパンのかけらでも見つけてきたらしい。
ふーん、もう1羽がパンを狙って後をついてきたんだな、と思って見ていたら、それが先のカラスにまとわりつくように歩きながら「ギャア、ギャア」と鳴き出した。ちょっと甲高い声をしていて、カラス独特の野太さがない。まだ子どものカラスなのだ。よく見ると、体も先のカラスより一回り小さい。近くの木に巣を作っていたカラスの親子だった。
パンをくわえていたのは親ガラスだった。子ガラス(と言っても、もう大人に近いくらい大きくなっているけれど)は、それが欲しくて一生懸命ついて歩いて、ときどき「ギャアギャア」とアピールを繰り返す。ところが、親ガラスはいっこうにパンを与えようとしない。ちょっと下を向いてパンをしっかりくわえなおすと、そのまま、ただ屋根の上を歩き回っていた。子ガラスがいくらねだっても、催促しても知らん顔をしている。かといって、自分がそれを食べるわけでもない。まるで子どもに見せびらかすように、パンをくわえ続けている。
ああ、そうか。巣立ちが近いんだ、と気がついた。
キツネの親子も、巣立ちの時期が近づくとこんな行動をとると聞いたことがある。親は、子どもの目の前で、自分がとってきた餌をわざと見せびらかしながら食べるのだ。空腹の子どもにはほんの少しだって分けてやらない。そうやって、親は子どもに「自分の力で餌をとること」を教えるのだという。
子ガラスが親の後をついていきながら、餌をねだる声が続いている。けれども、親は無視し続ける。たっぷり10分以上そうした後、おもむろに、親ガラスは自分でそのパンを食べてしまった。
「ギャア、ギャア、ギャア!」
子ガラスが怒って鳴きわめき始めた。きっと「お母さん(?)、どうしてぼく(??)の餌を食べちゃうんだよー!!」と抗議しているのだろう。でも、親は相変わらず知らんぷりで、そっぽを向いている。折しも降り出した雨が、屋根を伝って雨樋に流れ込む。その水を悠々と飲んでいたりして。

その一部始終を眺めながら、野生動物の親は偉いなぁ、とつくづく思ってしまった。
どんなに子どもが餌を欲しがっても、その子が巣立ちの時期を迎えていれば、わざと突き放して自立を促す。そうしなければその子は生きていけなくなると、本能でわかっているから。
巣立ちの時期にある子どもに、いつまでもせっせと餌を運び続けるのは、人間の親くらいのものかもしれない。

子ガラスはまだ鳴き続けている。親は相変わらず無視を続けている。だけど、子どもをうるさがって、どこかへ飛んでいってしまうわけでもない。
雨に濡れた屋根の上に、ずっと2羽でいるカラスたち。
あのカラスの母さんを少し見習わなくちゃ・・・と考えてしまった。

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2005年9月 5日 (月)

ちょっと不調

大型の台風が接近中だという。
その影響で前線が刺激されているそうで、このあたりでは昨夜から雨が降ったり止んだりの天気。昨夜は真夜中にいきなり雷が鳴り出してびっくりした。(起き出して、パソコンの電源を引っこ抜いた。)
ただ、前回の台風の時にはやたらと蒸し暑くなったのに、今回はかなり涼しい、というか肌寒い。まさかこのまま涼しい気候になだれ込むとは思わないけれど、なんだか一気に秋になってしまったようで、体がビックリしているらしい。昨日から、なんだかだるくてしょうがない。
昼過ぎには、我慢できなくなって昼寝したら、2時間近くも寝てしまって、我ながら驚いた。今日もそれくらい寝ていた。風邪気味かとも思ったけれど、どうも、急激な気候の変化に自律神経が調子を崩しているのかもしれない。・・・そろそろ○年期も近いしなぁ。(苦笑)
なんだか今ひとつ元気は出ないけれど、それでも今日はホームページのトップページを今月のバージョンに更新したし、てくてく日記もアップした。その他、いろいろ用事も片づけた。夕食もおいしくできた。気分とできていることの間に、比例関係は成り立っていないんだろうか? 不思議。
まぁ、でも、無理はしないで、体がこの気候に慣れるまで、ぼちぼち行くことにしよう。
焦らない焦らない。マイペース。

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2005年9月 4日 (日)

基本姿勢(決意表明)

「フルート・2」第4部をやっとアップした。
今回は、間に泊まりがけで出かけたり、子どもの二学期が始まったりで、なかなか落ち着かなくて進まなかった。やっと書き上がって一安心。
それにしても、この作品は改訂版になって本当に本格的になってしまった。最初に書いた低学年版と比べると、ストーリーの大筋は同じだけれど、まるで違う作品のようだ。明らかに低学年の子どもには難しいけれど、<読み聞かせで小学校中学年以上から>というのも、だんだん怪しくなってきた気がする。ただ、対象年齢は上がってきてしまったけれど、「子どもも読める作品」という基本姿勢だけは、絶対になくさないつもりでいる。「大人も子どもも楽しめる作品」というのがいいな、やっぱり。

私は昇平が本当に小さかった頃から、いろいろな物語を寝る前に語り聞かせてきたけれど、基本はいつもそれだった。
昇平も楽しいけれど、語っている自分も楽しいこと。
ことばが遅れている昇平に、ことばを教えようとか語彙を増やしてやろうとか、そんなことは全然考えていなかった。親子のふれあいを増やすために・・・なんて、ご大層なことさえ考えていなかった。ただ、私も楽しみたかった。それだけなのだ。
本当は、おにいちゃんの時のように絵本の読み聞かせをしたかったのだけれど、超多動で視覚過敏もある昇平には絵本が落ち着いて見ていられなかったから、部屋の電気を暗くしてからの語り聞かせにしたのだ。昇平に理解できる簡単なことばを選んで、昇平が集中して聞くことができるくらいの長さで、昇平に理解できるストーリー運びで、オリジナルの物語を作って毎晩聞かせたのだ。

もしかしたら、子ども向けの作品を書く、ということは、まったくそういうことなのかもしれないなぁ、とも思う。
子ども向け、子ども用、と変に子どもに媚びることなく、ただ「子どもにもわかるように」「子どもでも安心して楽しめるように」そこだけに気をつければ、わざわざ大人向け、子ども向けと考えることもなく、書いていって良いのかもしれないなぁ、と。
私自身、小学校の高学年の頃から書店で文庫本を買って読んでいたけれど、大人向けだのなんだの、そんなことは全然気にしていなかったのも思い出す。「ホームズシリーズ」や「ギリシャ神話」「シェークスピア」なんかだったけれど。読みたいもので、文章が理解できれば、平気で大人と同じものを読んでいたっけ。

今の自分の作品が本当に子どもに読みやすいかどうか、そこはまだまだ自問自答していかなければならない。漢字などは、つい自動変換にお任せしてしまっている部分があるから、そこはもう少し配慮しなくちゃいけないと考えている。(本当は、ルビが表示できるブラウザがあればいいのに、と思うけれど。)
でも、何だかひとつ、自分の中で気持ちが定まったような気がしている。
意図的に子どもには媚びない。だけど、子どもも楽しめる作品をめざす。
もちろん、大人も楽しめる作品をめざす。
決意表明。

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