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2005年5月27日 (金)

『フルートの冒険』その4

寝物語に『フルートの冒険・4』を語る日が続いている。さすがに長編なので、毎晩語って聞かせて、やっと全体の2/3あたりまで来た。

それにしても、昇平は本当に記憶力が良くなってきている。
先日、学童で1,2度聞いただけの昔話をすっかり覚えて自分で語ったという話を聞かされたけれど、私が『フルート』を聞かせていても、やっぱり記憶力が伸びてきているんだ、としばしば感じさせられる。物語に出てくる怪物の大きさを言うのに「この部屋くらいの大きさの○○」という言い方をしょっちゅう使っていたら(注:この4話目に出てくる怪物は大型のものが多い。寒い場所での物語だから。)、「この部屋くらいってのが、ずいぶん多いね」と昇平から突っ込まれた。あう~・・・。(苦笑)
まあ、こんな具合だから、すでに3週間語っているのに、ちゃんとストーリーの初めの方も覚えていて、ちゃんと理解している。これには、ものすごく感動。長くてとても理解してもらえないだろうと思っていたのに。この4話目「北の大地の戦い」を昇平に語れる日は来ないんだろうと思っていたのに。
ことばそのものの理解力も上がってきている。もちろん、原文の難しいことばづかいは、もう少し易しい言い方に変えたりはしているけれど、(また、私は文体が少し堅いんだなぁ・・・翻訳物ばかり読んできた影響でね。)でも、それにしても、よく理解している。私がうろ覚えになって説明をごまかすと、「え、どういうこと?」なんて聞き返されるし。(汗)

くわしい内容は、物語のネタばれになってしまうから書けないんだけれど、昨夜は本当に物語一番の山場だった。
主人公が信じていた相手から裏切られて殺されそうになる場面。
昇平は、初め目を丸くして、どういうことかという顔で聞いていたけれど、次第にそれが敵だったと分かってくると、興奮して騒ぎ出した。「魔王だ、魔王だ! 絶対にそうだ!!」「やっつけろ、フルート! 殺せ! 倒せ!!」
そうだよね。裏切り者にはそうするのが、一番普通の反応だよね。
だけど、この物語はそう単純には行かない。興奮する昇平を抑えながら、「よく聞いてね。裏切り者が、どういう表情をして、どういうことを言って、どういうことをしているか・・・そこをよく聞いていてね」
我ながら、難しいことを言っているな、とは思ったけれど、裏切り者の行動描写を拾い上げてくり返してやると、それなりに考えたようだった。その日の分の物語が終わると、昇平が言った。「ぼく、そいつは魔王に操られてるんだと思うよ」
うむ、よくそこまで読みとった!――と、正直、考えた。(笑)
人は見たとおり、聞いたとおりではないことがある。見えない裏側がある。でも、よく注意していると、行動やことばの端々にそれが現れてくることがある。
物語という、非常に純化された世界の中のことではあるけれど、昇平がそんなところにも気がついてくれるといいな・・・などと考えてしまった。

しかし。目の前に自分が作った物語を聞いている人がいて、リアルタイムでそれに反応を返してもらえるっていうのは、やっぱりありがたい。正直、ちょっと話を難しくしすぎたかと心配していたのだけれど、語り聞かせれば、昇平くらいの年代の子にも十分理解できるんだと分かって、ちょっとほっとした。
物語はいよいよ佳境。今夜もがんばって語らなくちゃ。

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