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2005年4月30日 (土)

「普通」

「普通ならこれくらい当然だよ」「みんな、こうしているよ」「これが普通じゃないか」
お兄ちゃんはよくそういう言い方をします。
言っていることは、決して間違いではありません。むしろ正しいことかもしれません。
ただ、私自身がそういう「普通」からはちょっと外れて生きてきた人間だし、まして、昇平は「普通」という物差しで測ってしまったら、その良いところが見えなくなってしまう子どもだから、「普通」という言い方にはつい身構えてしまいます。

「普通」かぁ・・・。
「普通」って、なんでしょうね。
お兄ちゃんを見ていると、「普通」であることで自分を護っているように見えるけれど、でも、その「普通」がお兄ちゃん自身を縛ってしまっているようにも見えるし。
なんだか、「普通」ということばを聞くたびに、ほろ苦いものを感じてしまいます。

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2005年4月29日 (金)

タラの芽

義母方の親戚が、家の裏でとれたというタラの芽をどっさり持ってきてくれました。
さっそく天ぷらに。いや~、とれたてですから、おいしい! 私はもともとあまりタラの芽が好きではなかったのだけれど、これはいくらでも食べられてしまいます。
少し伸びすぎたものはゴマ和えにすると良いというので、これもやってみました。ほろ苦味があって、これはこれでおつな味。でも、案の定、新しいものには手を出さない我が家の家族は、これには箸を付けないのでした。
今、我が家の庭の家庭菜園ではほうれん草やくきたち(アブラナ)が採れます。畑から採ったばかりの太いアスパラガスも親戚からお裾分け。ウルイという山草(?)とキュウリの即席漬けも一緒です。
タラの芽、ほうれん草、くきたち、アスパラガス、ウルイ・・・食卓の上は緑色だらけ。でも、食べると体の中の血が綺麗になっていくような気がしました。

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『フルートの冒険』

何だか、昨日から初夏のように暑いです。風がけっこう強いので鯉のぼりは元気ですが、私は急な暑さが苦手なので、午前中ぐて~っとしていました。久しぶりに午前中から昼寝してしまったわ。

ところで、今日のブログは、タイトルにある『フルートの冒険』という物語について。
星空掲示板の常連さんはよくご存じですが、これは私が書いているヒロイックファンタジーで、もともとは昇平の寝物語に、布団の中で考えて語って聞かせた即興物語でした。即興だからワンパターンもいいところ。「ドラク○」の影響がありあり、という他愛もない作品だったですが、そのまま流してしまうのも惜しい気がして、ホームページにアップしておいたら、昇平と同じような子どもたちにも受けて、そのままシリーズ化してしまいました。
1話目、2作目は昇平に合わせて語っていたのですが、3話目あたりからは小学校中学年くらいの子ども向けになり、4話目のになるとオリジナル度がぐっと上がって、高学年以上~児童文学が好きな大人向け、という作品になりました。こうなると、昇平にはもうついてこられません。2作目が終わった時点で、「フルートはもういい」と言われてしまいました。母は、昇平が成長して、いつかまたフルートシリーズを読んでくれる日がくるといいなぁ、と考えながら、作品を書き続けました。
4作目まで来ると、対象年齢が高くなってしまって、常連だった子どもたちにまで読み切れなくなってしまいました。(申し訳ない。)でも、一部の児童文学好きな大人の常連さんには受けていたので書き続け、4作目のレベルに合わせて1話目の書き直しを終えたのが、つい先日のこと。
あくまでも子ども向けの作品を書き続けるべきだったか、それとも、大人も読める作品にして良かったのか。このあたりは、正直、自分でもよく分かりません。本当の読者だった子どもたちを無視して、大人である自分に合わせた作品を書いてしまったわけですから・・・。

ところが、1話目の書き直しを終えてまもなく、昇平がこう言い出しました。
「ぼく、また『フルート』が聞きたいなぁ」
「前に聞いた話の続きだと、3話目の『謎の海の戦い』の話になるよ。長いけどいいの?」
「いいよ。寝る前に話して」
というわけで、あらすじではありますが、めでたく3話目も昇平に聞いてもらえる日が来ました。とても嬉しいです。

今回昇平に語って聞かせていて気がついたのは、長い物語でも、前に語ったことをよく覚えているようになった、ということです。各キャラクターの個性的な語り口にも、にこにこします。この話では、王様が2人の主人公のどちらかを娘と結婚させようとしたり(3人ともまだ12歳くらいの子ども!)、実はひとりがその娘を密かに好きで・・・なんて場面もあるのだけれど、それを話すと、昇平は「うひゃー♪」と大喜び。ふーん。少しずつ色気も出てきたんだねぇ、なんて考えてしまいました。

このあと、4話目になると物語が格段に本格的になるので、もうあらすじを語るというのは無理になりそうです。本文をプリントアウトして読み聞かせるしかありませんが、これができるようになるのにも、またもう少し時間がかかることでしょう。でも、いつかまた『フルート』を語れる日が来るならば・・・。そして、いつか、昇平自身が自分で物語を読んでくれる日が来るならば・・・。

そんな日を夢見ながら、そろそろ2作目の書き直しに取りかかろうかなぁ、と考えている私なのです。


【参考】
『勇者フルートの冒険』シリーズ

このインデックスからだと、他愛もない即興話だった旧シリーズも、本格的になっている書き直しも、両方読めます。

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2005年4月28日 (木)

子どもの将来

※注:これはてくてく日記ではありません。

先日、二男の家庭訪問があったのだけれど、突端から「学校での今後の指導の長期目標を立てていくために、おうちの方に、将来どんなふうになっていってほしいか、お聞きしたいんですが」と担任から言われました。家庭訪問なんて10分かせいぜい15分、家の玄関先だけで失礼することも多い昨今、さすがに特殊学級の家庭訪問だけは非常に充実しているのです。(ちなみに、熱心な親が多いので、参観日の後の懇談会もものすごく充実しています。)

将来どんなふうに・・・と問われて、ちょっと考えました。障碍のあるなしに関わらず、親は子にいろいろな将来を夢見るものだけれど、こういう子どもだと、「将来高校に進学すること」とか「特殊学級から普通学級に移ること」なんていうのが、将来の夢になってくる場合もあるんでしょう。その家庭によっては。
でも、私は、そんなところを将来の目標にはしたくないな、と思いました。子どもはやがて学校を卒業して、社会人になっていきます。そして、親はたいてい子どもより先に人生の舞台から退場していきます。後に残された子どもが、自分の力で生きていけるように。自分を信じて、自分の力で生きていける人間になれるように。それが我が家での将来の目標であり、そのために例えば特殊学級や普通学級、高校、専門学校といった進路が出てくるのだろうと考えています。

昇平には苦手なこと、うまくできないことがたくさんあります。でも、その一方で素晴らしい才能も持っている、と私は感じています。その中でも特にすごいな、と思っているのは絵を描く力。紙と鉛筆で、クーピーで、パソコンのお絵かきソフトで、昇平は実に自由自在に作品を描き上げます。将来のことは誰にも分からないけれど、この絵を描く力を、将来の力にしていってくれたら素敵だなぁ、と思います。

最近、昇平がなかなかパフォーマンス性にあふれた作品を作るようになってきたので、お兄ちゃんまでがその才能を認めるようになってきました。
「昇平のヤツ、けっこうすごいんじゃないか?」というのが、そういう時のお兄ちゃんの口癖です。
でも、その後できまって出てくるのが、「それに比べて、俺は何も才能がないよね。つまんない人間だよなー」というセリフ。
お兄ちゃんも高校一年生。そろそろ本格的に自分探しを始める年代なのです。
だから、私はお兄ちゃんにはこう言います。
「君は誰とでも仲良くすることができるでしょう。協調性があるって言うのは、ものすごい才能なんだよ」
「でも、昇平みたいに何かに秀でているわけじゃないんだよな。社会でうまく行くのは、そういう特別な才能があるヤツなんだよ」
とお兄ちゃん。そうね、確かにそういう人物の話が取り上げられて有名になることは多いけれど。
でも、実際に社会で一番活躍するのは、実は、協調性とやる気があって、仲間と一緒にひとつの仕事を作り上げていくことができる人間。会社はそういう人を一番多く募集するわけです。

ある方面の能力だけが飛び抜けていて、その力を生かす方向で将来を考えることになる昇平と、平均的で安定した能力を持っていて、協調性と真面目さで、社会の一員として生きていくだろうお兄ちゃん。
どちらの人生も正しいし、どちらの人生も素晴らしいものだ、と私は思います。
一番大切なのは、自分を信じて、自分の力で生きていけるようになること。力及ばない時には、まわりの人に協力を求められること。
そして、子どもたちが大人になったある日、ふと自分自身を振り返って、「こんな自分がけっこう好きだな」と感じてくれるようになったら・・・
最高だな、と私は思うのです。


おまけ:
「昇平美術館」 昇平の作品をいろいろ集めてあります。

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2005年4月27日 (水)

てくてく日記定期連載化

ふー、眠い・・・。起床4時半なんだから当然かな。朝6時に起きたとしたら、もう夜の10時に相当するんだもんね。
最近、めっきり夜に弱くなってしまったものだから、早朝に起き出して自分の楽しみに時間を使っているんだけど、そうすると、ますます夜は早く眠くなるわけで。うーん、これってもしかして悪循環?(苦笑)

今日はてくてく日記を更新しました。二男昇平の成長記録ですが、これもずいぶん続いています。昇平が保育園に入園したときから連載しているんだから、もう丸5年以上たちますね。連載開始当初から比べると、本当に信じられないくらい成長しました。もともと子どもは成長するものだけど、昇平の場合は足踏みしている期間が長いから、その分、成長する時がぐっと大きく見えるのかもしれませんねぇ。
・・・って、話題脱線していたわ。(汗)
何を書きたかったかというと、これから、てくてく日記を更新する曜日を決める、という決意表明をしたかったのでした。もちろん、予定通りにできない日も出てくるだろうけれど、掲載する時には立て続けで、その後何日も更新なし、というのでは見に来る人も大変でしょうからね。
とりあえず、日記は毎週水曜日と土曜日(場合によっては日曜日)に更新する方向で、やってみようと思います。これでやりにくかったら、また曜日を変えます。

このブログは不定期更新。
たぶん、こんなふうにほとんど毎日更新していくんだろうと思います。なにしろ書くのが好きだし、掲示板に管理人だけがあまり書き込んでいるのも何だかなので。(お兄ちゃんから「管理人って普通はもっと書き込み少ないものなんじゃないの? 星空掲示板はほとんどがお母さんの書き込みだよね」と突っ込まれてしまったのでした)
ま、自他共に無理にならない程度に、マイペースでいこうと思います。

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本当に強い女性

義母は日常生活の中で次第に元気になってきています。今朝は洗濯物を干していました。
手術の影響で、現在、義母は腕が肩から10㎝くらいの高さまでしか上がらないのだけれど、「大丈夫ですか?」と聞いたら、「リハビリを兼ねているのよ」と笑って答えました。確かに運動も大事だけど、日常生活の中で常に使っていく方が、良いリハビリになるのかも。
入院している間に体重は40kgを切ってしまったし、手術の傷跡もまだ痛々しく残っているけれど、でも、義母は基本的にとても丈夫な人だと思います。手術や治療で一時的には参っても、またすぐにたくましく起きあがってくるのです。ちょうど、雪にたわんだ柳の枝が、雪解けと同時に勢いよく跳ね起きてくるように。体だけでなく、精神的にも立ち直りが早いので、本当に「強い女性」というのは、義母のような人を言うんじゃないかな、などと思っています。
見た目は細くて穏やかそうで、とてもそうは見えないんですけどね。

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2005年4月26日 (火)

お兄ちゃんの学校

旦那が異動になって勤務先が変わったので、出勤の時間が今までより遅くなりました。
ただ、お兄ちゃんが電車通なので、家を出るのが早い。お弁当も必要。ということで、私が起きる時間は結局今までと変わりがありません。毎朝5時前には起きています。
お兄ちゃんは、勉強にとても熱心な高校に入ってしまったので、朝6時半には家を出て、帰宅はたいてい夜の9時頃です。勉強はとても大変そうだけれど、本人の成長を考えると、そろそろそういう「厳しさ」を体験する必要がある時期なので、ちょうど良いのかもしれない、と思っています。親や家族は、どうしても本人を「いたわり励ます」立場になりますからね・・・。

受験勉強を見ていた間、私は親子間の指導の限界を感じていました。「教え指導すること」と「親子として受け入れ合うこと」が反発しあうのです。どちらをやろうとしても、もうひとつの目的を妨害する感じです。
これは、私だけでなく、多くの先生たちが同じように感じるようです。だから、自分に教える力があっても、他の人に我が子の勉強を委ねる人が大勢います。
お兄ちゃんの高校は、勉強に関しては学校に任せてくれ、と言ってくるようなところです。
実際には、英語だけはまだ家でも教え続けていますが、それでも、勉強は学校でするもの、という姿勢でいられるのは、とても楽な気がします。私たちはただ「親子」でいればいいから。

お兄ちゃんは昨日から2泊3日の勉強合宿に出かけています。一日中びっちり勉強というスケジュールのようです。
大変だけれど、でも、がんばってほしいなぁ、と思います。
そこをがんばりぬいたら、きっと、お兄ちゃんは一生役にたつ「強靱さ」を身につけられるはずだから。

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2005年4月25日 (月)

最近のできごと

「てくてく日記」には、ちらっと書いていたけれど、実は同居の義母が長いこと病気で入院していました。病名は癌。発見された時にはすでに頸部リンパ節に転移していて、手術と抗ガン剤と放射線を組み合わせた治療が続けられ、私も、一時はほとんど毎日、病院に付き添いに行っていました。
けれども、先週の土曜日、半年間の入院生活を終えて、義母は無事に退院してきました。福島市の桜はほとんど散っていたけれど、街路樹は若葉に包まれ、沿道の庭々では色とりどりの花が咲き乱れて、本当に美しい季節の退院になりました。もちろん、これからも再発防止のための通院と治療は続くのだけれど、それでも、義母が戻ってきて、家族中が安堵の息をついています。

今日、兵庫県ですさまじい電車事故がありました。原因はまだ調査中だけれど、大勢の人たちが、怪我をしたり亡くなったりしたようです。そのニュースを見ながら、義母がしみじみつぶやきました。
「亡くなった人たちは、一瞬前まで、こんな事故に巻き込まれるなんて思ってもいなかったんだよね。そして、手術の後、もう死んでしまうんじゃないかと思った自分は、こうして治って家に帰ってきている。先のことなんて、本当に分からないよね・・・」
入院中の義母が病気のことで弱気になるたびに、「私たちだって、明日は何が起きるか分からないんですよ。先のことは誰にも分からないんですから」と言ってきたけれど、本当にその通りなんだよなぁ、と改めて思いました。

だとしたら、私たちは、今日この瞬間を一生懸命生きるしかないんだよね・・・。

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ブログ開始

初めましての方は、初めまして。朝倉玲です。とうとうブログを始めてしまいました。

ホームページ「アサクラ・タウン」では、子育て日記の連載をひとつ、レシピの連載をひとつ、掲示板は3つも運営していて、これ以上手を広げても管理しきれなくなるんじゃないかと思って、ずっと迷っていたのだけれど。でも。

今から6年あまり前、「アサクラ・タウン」は交流と創作の発表のための場でした。私の友人知人と、別サイトで知り合った方たちが常連になって、和気あいあいと集っては、その時々の話題に花を咲かせていたものです。でも、二男の昇平にADHDという障碍(しょうがい)があると分かってから、次第にアサクラ・タウンは療育サイトの色合いを濃くしてきました。二男の成長を追いかける日記を連載し、私なりに勉強したり考えたりしたことを公開し、療育掲示板で同じような立場の親たちと交流し・・・。これはこれで充実した動きだったな、と思います。療育関係の常連さんも、私にとっては、とても大切な人たちです。

けれども、本当の私は、「障害児の母」以外にも、いろいろな顔を持っています。料理を作るのが好き。本を読むのが好き。音楽を聴くのも好き。そして何より、「小説を書くのが大好き!」。そんな自分をつづるページも欲しくなって、ブログをやってみようと思い立ったのです。

これは、朝倉玲のひとりごとです。ひとりごとなので、わざわざ宣伝したりはしません。コメント機能もつけません。日常の中で私が感じたり考えたりしたことで、育児・療育関係以外のことを、不定期につづっていこうと思っています。とはいえ、別にこのブログを隠しているわけでもないので、もし、ひとりごとが耳に入って(目に入って?)、なにかコメントしたくなった方は、どうぞ「星空掲示板」お使いくださいね。

さて、それではこのご挨拶をはじめてブログに登録してみます。うまくいくかな・・・?

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